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カテゴリ:音楽・テレビ・映画・小説
地方消滅論に対する反論本です。 こういった新書は数多く出されています。 地方といってもその特性は千差万別なので,消滅する地域もあれば,持続する地域もあるのだと思いますが。 ------------------------ 本書で興味深かった事例は鳥取県日南町です。 同町での社会移動は,移住者の動きにより以前の大幅なマイナスから急速に回復し,2011年度には社会増へと変化した。 その後は再度マイナスになるも,以前と比べれば小幅な水準となっている。 これは,同町が「まちは大きなホスピタル」,「まちの道路は病院の廊下」として掲げる町立病院を中心とした医療・福祉サポートの充実が移住者を呼び込む魅力となり始めたことに加えて,町独自の農林業研修生制度(最長二年間)導入の成果の反映と考えられる。 しかし他方で,自然移動はほぼ一定数で推移している。 これは,過去の過疎化で大きくゆがんだ「逆ピラミッド型」の人口構成では,自然移動を改善することが簡単ではないためである。 ------------------------- こちらでは医療・福祉サービスの充実に向けた取組みの実績が30年間と長く,医療従事者に先見の明があったことが特筆されます。 今後のフィールドとしても魅力的です。 また,スケールとしては自治体よりも小さいスケール(集落単位)で議論しなければ見えてこないことも多そうです。 現場の取組みによって,地方でも一部の勝ち組と多数の負け組が明確になってくるような気がしています。 こうした過程を丹念に追うことが自身にとっての研究課題になります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.09.02 07:23:31
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