政治学担当の前任者が来校して学術講演会を開催してくれました。
お題は「ロシア・ウクライナ戦争」でした。
学生の聴衆を念頭に置いた講演でしたが,十分ためになる話でした。
民族の境界のずれを政治的単位としての国家の境界に無理やり拡大解釈させようとする意図については指摘の通りだと思いました。
しかし,そもそもそうすることの先にある野望とは何なのかがわからないので,そうした発想に至る経緯が読み取りにくい側面があると思いました。
おそらく,アメリカや中国の権力の拡大に対する危機意識,世界中の富裕層を中心とするグローバリズムへの対抗軸を出さなければ自分の立場が脅かされるとの危機意識があるのかもしれません。
どちらにせよ,一番弱い立場にある人がこうした構図の最初の犠牲者になってしまうのは明らかです。
問題の構図がわかったうえで,どのように行動すべきかがそれぞれに問われているように思います。