テーマ:暮らしを楽しむ(383733)
カテゴリ:世界文化遺産
熊野古道-小辺路・那智・伊勢路 回想録(その12)_story(3543)2014.8.30
世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」体験記。 郵便局に局留めしておいた衣類や食料を入れ替え、蘇生したような清々しさ。燃料のガス缶(液化ブタン・液化プロパン混合)は差し替えず同じものを持ち歩くことした。まだ相当量残っていたからである。点火回数と、水の量によりどの程度ガスの消費があるか計算するためでもある。旅の終わりにこれを計算してみたが、およそ250g缶で、8Lの水を沸かすことができそうである。「一回500ml換算、30回の点火、16回の食事」と計算されよう。 次回の郵便局は本宮町。明日である。よって果無山脈登攀は荷物を最小にできるのである。しかも良いことに宿泊予定の観音堂は水が供給できるということで、飲み水1Lのみの携帯で軽装である。 意気揚々、果無山脈へ挑戦!といきたいが、昨日も書いたように戦意は既に消滅している。「どっこいしょ。しんどいな。暑いな!」という感じで、足を引きづりながら炎天下の国道を歩くこの辛さよ。 観光地「十津川温泉」で、大きなバッグパックを担いで歩いている人を見かけないのである。バスか車の人ばかりで周囲の観光を楽しんでいる。去年難渋した玉置神社ですらここからは車で目と鼻の先で、頂上近くの駐車場まで林道が通じている。 日本一広い十津川村はつぎの五つのエリアに分けて観光に力を入れている。 「橋」・・谷瀬の吊り橋を含む北部エリア、「水」・・伯母子岳からの小辺路参詣道や東端の大峯奥駈道を含む中部エリア、「集」・・大峯奥駈道の行仙岳、道の駅「十津川郷」を含む東部エリア、「花」・・玉置山をふくむ東南部のエリア、「憩」・・十津川温泉を含む南部エリアの5つである。 なかなかの秘境でめったに来れるものではない。 そこをとぼとぼと歩いているのである。時計は14:00。炎天下の筈である。子供たちは御昼寝のお時間、こうしてオジサンが頑張っているのだ。 さて、小辺路道から2kmも離れた十津川温泉から元の場所に戻るよりも、ダム湖に沿って南下し、バス停の櫟砂古(いちざこ)から山に登り小辺路と合流するコースを取ることにした。こっちのほうが近道である。果無の山道には西国三十三観音の観音像が祀られている。第33番観音は、この櫟砂古にあるため観音を全部拝むためには好都合である。 さて登り始めた。2,3歩いくと息が切れてしまった。どうも温泉で長湯したことでまったく力が出ないのである。2万5千分の一の地図で見ると、250mの落差があり、水平距離は250mと等高線がびっしりと込んでいる。45°の傾斜である。ころげ落ちそうになる最初の階段で息切れがした。足を踏み外せば、交通頻繁な国道に転落することになる。カミさんが買ってくれた塩入の飴(ウイダーinタブレット塩分プラス)というのを適宜口に含んでは、右足と左足を交互にに出していく。意識朦朧。 観音の写真は全部撮らねばならないだろう。だって、ここを歩きたかった友の声なき声が聞こえてくる「どうして撮らなかったか?」と。そこでパチリパチと。33観音は地元の信者が果無峠を含むこの山中約10kmに33体、300mに一体を祀っていったようである。ほとんど全ての観音に真新しい枝が差さっているのである。本当に信心深い人たちがいるものである。観音さんはみんなやさしい顔つき。微笑ましい。 ヘアピン状の山道を徐々に登っていく。何百回折り返したことだろうか。正規の小辺路ルートに合流する箇所は、「果無集落」で絶好のカメラスポットになっているのは観光客が多い。皆車で上がってくるようである。まぁ、西国33観音を拝みながら上がってくるような人は皆無であろう。この集落を抜けるといよいよ山道。 17:40観音堂到着。登攀に3時間40分もかかってしまった。 観音堂の前に水飲み場があり2本のチューブから水が滔々と流れ落ちている。集落の人達の水はこの近くからパイプで曳いているようで何本もの黒いチューブが小辺路道にづっと続いて埋められていた。 狂想曲 第1章 艱難辛苦の果てに辿りついた避難小屋であるが、なにやら様子がおかしい。 ピョンピョンと何かが飛び跳ねる音。太鼓の皮をピョンピョン打つような音が立体的にどこからも聞こえてくる。かまわず小屋の中で食事用のお湯を沸かし始めた。 その中にも飛び込みそうな勢い。闖入者と、既存の住人との戦いがはじまった。既存の住人とは見たことがないほど巨大なコオロギである。間接の長さ8cmくらいの巨大なのが何十匹もそのあたりを飛び回っているのである。 コオロギ狂想曲のような3次元の音響。ヘッドライトだけでは埒があかないので、ランタンを点け天井からぶら下げる。 小屋の中にテントを張ってもよかったのであるが面倒、そこで一匹づつ小屋の外(すでに真っ暗となっている。宿泊はまた1人のみ)に放り出すことにした。しかしながら囲炉裏の底から次から次へと湧いてくる。暖炉のストーブの煙突が外れたままとなっているが、室外からこれを伝わって飛びこんでくる勢い。 囲炉裏にあった木切れを燃やし燻し出すことにした。 狂想曲は第2章へ。 ビニール製の箒を見つけた。これは強力な武器となった。これで彼奴を一匹づつ叩きのめす作戦に変更。一撃ではくたばらないのである。死んだ振りをして生き返るのである。彼奴をまだ動いているうちに小屋の外に放り出すことにした。 雨戸をあけて外に出すも新しいのが入ってこないように一瞬の開閉。 燻す煙もむせ返るように煙たくなってきた。これでは人間もやばい。而して数時間に及ぶ悪戦苦闘の末根絶やしにした。就寝。しかしまたピョンなどと単音がする。音のする方にヘッドライトを当て部屋の隅に追い立てる。すでにストーブの煙突には栓をして中に入らないようにしてあるし、囲炉裏の方々の穴には一応石をあてがい万全である。 しかしながら山小屋である。どこかに隙間があるのかもしれない。次回からは蚊取り線香を持って来よう。 やっと静かな夜が更けていく。お休みなさい。御機嫌よう。 十津川村・果無(はてなし)集落-1 十津川村・果無山脈 天水田跡(300m先の「山口茶屋」の住人が雨水だけを頼りにして稲作したといわれている。) 山は果無山脈 1042m峰 この右に1114m峰があり、果無峠1075mの峠がある。 手前から右前に向かっている稜線を果てしなく登っていく。 徒然の記1 実際の日程太字が本blogの記述部分。過去の行程は昨日以前のblog参照。 →・・徒歩 -km- 区間距離表示 8月14日(木)4日目 重里・西川第一小学校(テント)→大津越→昴の郷(150m)→十津川温泉→平谷-(143m 公衆浴場 郵便局で荷物の送受)→櫟砂古(いちざこ)→果無村落→観音堂前の避難小屋(14km) 徒然の記2 うなぎ屋「竹の家」 調布にある名店に長女とカミさんとで昼食を食べに行ってきた。季節外れか? 鰻。さりとて大繁盛。長い廊下の部屋部屋にはどこも沢山のスリッパが並べられている。 大体焼くのに20分かかるようであり本格的な証拠? しずしずと運ばれてきた3つのお重。 「並」を注文したカミさん ひっくり返った。鰻の下にあるご飯は厚さ1cmしかない。煎餅のように薄く敷かれたご飯。まぁダイエットしているからよしとしよう。鰻は2/3匹。 「上」を注文した小生。ご飯を「大盛り」としておいてよかった。ほどよいご飯。鰻は1匹 「特上」を注文した娘(因みに今日は娘の奢りである。)鰻が1匹プラスαで2重になっている。御飯が薄いのでひっついているらしい。 おいしかったが、味の印象が薄い。「普通」という感じ。タレがご飯に浸み込むくらいにタップリと欲しかった。天然ものという味に慣れていない庶民には「有難味がわからない味」という味なのであろう。 こういう上等のものは食べ慣れないと評価はできない と感じた。小生、一生で最後に食べたいものがこの「うな重」である。こんどは北千住の有名店に行きたい! Picture1(sketch-direction 0° pm2:46 Sketch point:Hatenashi-syuraku,Totsukawa Vill.,Nara Pref.,JapanGPS 33.931775,135.758347(°)(33°55'54.39" N,135°45'30.05" E)標高350m Picture2(sketch-direction 12°pm3:04 Sketch point:Iorinomaehashi bridge-2,Totsukawa Vill.,Nara Pref.,JapanGPS 33.930461,135.758561(°)(33°55'49.66" N,135°45'30.82" E)標高375m お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 30, 2014 09:13:29 PM
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