秋の熊野古道、浜松国際ピアノコンクール本選_ story (4369)2018.11.24In the excitement of B.Smetana's "my fatherland(Má Vlast)", I began packing for Kumanokodo-pilgrim road. Backpack became full of clothing as Germanic big migration against cold weather and for attendance to the Hamamatsu International Piano Competition
スメタナ「わが祖国」の興奮がさめやらない中、月曜日には熊野古道出発の荷造りを始めた。南紀への旅であるが気温は18℃~10℃と変動するため防寒対策も必要でありウィスキーの差し入れやコッヘルなどの湯沸かしセットや、帰りに立ち寄る浜松国際ピアノコンクール出席のための服装などと民族大移動のような旅装となってしまった。
■今週の1枚
Doshi river's Autumn leaves(夫婦園の道志川 2018.10.3(水))
谷間に紅葉した木々が光を受け輝いていた。
目次
徒然の記その1 スメタナ連作交響詩「わが祖国」全曲演奏
徒然の記その2 浜松国際ピアノンコンクール 本選へ
徒然の記その3 晩秋の熊野路
徒然の記その4 熊野古道・中辺路1日目
徒然の記その5 熊野古道・中辺路2日目
徒然の記その6 熊野古道・中辺路3日目 Dual Pilgrim
徒然の記その7 熊野古道・中辺路4日目 水の熊野古道
徒然の記その8 孫たち3人 わが家に泊まる
徒然の記その1 スメタナ連作交響詩「わが祖国」全曲演奏 2018.11.18(日)
■市民響の第78回定演が大盛況のもとに幕を閉じた。燃え尽き症候群のような形でふらふらと黄昏の府中をさまよった。レセプション会場を後に、毎度の「花の宴」へ。いつもcamino仲間が待っていてくれるのである。全曲を生で聴くのは初めてだという。プログラムの解説を読んだりして曲を楽しんでくれたようである。
プラハでは1946年以来スメタナの命日である5月12日に始まる春の音楽祭で毎回演奏される曲である。冒頭の、ハープ2台が奏でる美しい吟遊詩人のメロディーはオケ全員も魅了され聞き入ったほどである。この主題が全曲を通じて現れるので壮大なオペラを見ているような感じであった。
6ヶ月にも及ぶ長い練習期間も、実際の演奏ではあっという間に終わってしまったというのが正直な感想である。チェコフィルが使っていた楽譜を参考に、手直しがあり、手書きの譜面による読み替えの場所もあったりして当初は当惑もあったが、パート譜面の作り直しを数回行って最終の冊子に完成させたり、分厚いスコアを読み通して曲を理解したり、今までの曲ではなかった新たな作業も楽しい思い出となった。
翌々日からの熊野古道中辺路の旅の期間ずっとこの音楽が鳴っていた。小生にはそれほど影響を及ぼした曲であった。聴きに来てくださった多くの方々へも感謝したい。
徒然の記その2 浜松国際ピアノンコンクール 本選へ。2018.11.20(火)
■Finalistは6名となり、23(金)、24(土)の2日間でピアノ協奏曲を演奏する。
内訳は、日本4、韓国1、トルコ1 計6名
姓名で示すと・・
10 ジャン・チャクムルCAKMUR Canトルコ 11/24 15:55 リスト P1 124
22 今田 篤IMADA Atsushi 11/24 14:00 チャイコフスキー P1 op.23
41 イ・ヒョクHyuk LEE韓国 11/24 14:55 ラフマニノフ P3 op.30
50 務川 慧悟MUKAWA Keigo 11/23 18:00 プロコフィエフ P3 op.26
79 牛田智大USHIDA Tomoharu 11/23 20:00 ラフマニノフ P2 op.18
90 安並 貴史YASUNAMI Takash 11/23 18:50 ブラームスP2 op.83
このうちの本選2日目24(土)を浜松で聴くために、熊野古道の帰りに浜松に立ち寄った。
実は、オケのGP(11/17(土))の最中、Semi-Finalistが発表されていた。日本5、ロシア2、韓国2、中国1、トルコ1、アメリカ1の計12名で、19(月)、20(火)の2日間で室内楽を含むピアノ曲を演奏する。
2次予選での課題曲であった委嘱作品「SACRIFICE」作曲家の佐々木冬彦さんからは、アジア人のメンタリティーにシンパシー(sympathy;共感・共鳴)を感じたとのコメントがあった。6割強の合格者がアジア人であったのはこの作品への感じ方が影響したのかもしれない。
本選会場では聴衆賞投票券が配られ最も良いと思った演奏者に投票できる。演奏終了後数時間で優勝者が決まる。2200人入りの大ホールは満席。すごい熱気である。
コンクールの様子は来年1月中旬にNHK BSプレミアムで放映される。そのクルーが撮影に来ていた。本日1番目のチャイコP1は超絶技巧が40分も続くコンテスターにとっては過酷な選曲であるが、感動的な演奏であった。2番目のラフマニノフ P3は盛り上げ方がうまく、本日で一番よかったのではないだろうか。3番目のリストP1は25分と短くあっと言うままに終わってしまった。しかし会場からは万雷の拍手。(1,2,3選からの総合評価で1位を獲得した。) 演奏者のジャン・チャクムルCAKMUR Canは20歳の気鋭のピアニストである。鉄棒のような細い脚の持ち主にこれほどのエネルギーが備わっていたのかと驚愕した。18:00に予定された発表を待たずに帰途に着く。
家に帰ったら下記結果となっていた。
第1位、札幌市長賞、室内楽賞・・10 ジャン・チャクムル CAKMUR Can トルコ
第2位、ワルシャワ市長賞、聴衆賞・・79 牛田智大 USHIDA Tomoharu 日本
第3位・・41 イ・ヒョク Hyuk LEE 韓国
第4位・・22 今田 篤 IMADA Atsushi 日本
第5位・・50 務川 慧悟 MUKAWA Keigo 日本
第6位・・90 安並 貴史 YASUNAMI Takash 日本
日本人作品最優秀演奏賞・・78 梅田 智也 UMEDA Tomoya
奨励賞・・21 アンドレイ・イリューシキン ILIUSHKIN Andrei ロシア
徒然の記その3 晩秋の熊野路 2018.11.20(火)~23(金)
■熊野古道・中辺路(なかへち)を滝尻から熊野本宮まで37kmを3泊2日半という行程で7人が挑戦した。この絵日記blogでは準備までの作業や苦労を綴る。
まず台風の影響でう回路が数か所設けられているため田辺市のHPのイラスト図面から、正確な場所を割り出す作業に相当時間を取られる。こちらは1万分の一以下の詳細図面(地理院の電子版)から道を割り出しているのにかかわらず、イラスト図面ではなかなか場所を特定できない悩みがあった。
昭文堂の山と高原地図「高野山・熊野古道」は、8万分の1という信じられないほど広範囲の地図で、熊野古道の全貌を納め過ぎて、詳細がさっぱり掴めない。
1.カシミール3Dの中に入っている地理院地図の山道をディジタイザーで正確にトレースしていく。3日の行程を日付毎に3本トレースをし、それをkmlファイルで、Dropboxに保存する。
2.タブレットにあるオフラインmapアプリ:Geographica、Maps.MeのそれぞれにkmlファイルをDropboxからダウンロードする。
3.レジュメを作成・・カシミール3Dでトレースした地図を拡大し、1万分の1くらいサイズとして、行程分をスクリーンコピーし、Wordに貼り付けていく。
4.参加者にはあらかじめこのレジュメをmessenger、メールなどで配信。予習しておいてもらう。
紀伊田辺12:30の現地集合としたが、参加者の半分は、夜行バスで早々と7時には到着してしまっている。その他は前日大阪泊や名古屋泊から、当日新幹線で、或いは白浜空港から という形で三々五々参集した。
1日目・・熊野古道・中辺路・・・紀伊田辺→バス→滝尻→徒歩→高原
2日目・・熊野古道・中辺路・・・高原→徒歩→継桜
3日目・・熊野古道・中辺路・・・継桜→徒歩→熊野本宮→バス→湯峰温泉
4日目・・熊野古道・水の熊野古道・・湯の峰温泉→瀞八丁→新宮・・・帰途。
熊野古道・中辺路のコースは朝から滝尻を登ったほうが確実に3日間が取れ良かったのではないかと思うが、逆に夜行バスという手段に固定してしまうこととなり今回のような集まり方のバリエーションは生まれなかったであろう。1人旅行と違い難しい所である。
徒然の記その4 熊野古道・中辺路1日目 2018.11.20(火)
■紀伊田辺12:50→バス→13:38 滝尻・・・→高原熊野神社 4.2km 宿:囲炉裏の宿 天空のさと山
築20年という比較的新しい民家
一軒丸々(6DK)を借り切っての素敵な夜を過ごした。北西に面した山の上で標高はおよそ300m。朝は雲海がたなびいたという。夜は気温3℃
自炊の宿のため食材を麓まで宿の車で買い出しに行く。料理担当は"歩き塾 統括本部長"のA氏。"キムチ鍋"、朝食、弁当用の食材をしこたま買う。お米は無洗米で2kg約一升。炊飯器で一気に炊いたものだから固いご飯が出来てしまった。しかし鍋3個を使って雑炊という手で切り抜ける。残ったご飯に水を足して保温。弁当用に作ったおにぎりは21個。大量である。麓の明かり以外は漆黒の夜更け。早々と就寝。
徒然の記その5 熊野古道・中辺路2日目 2018.11.21(水)
■高原熊野神社→近露→継桜 13km 民宿 つぎ桜
高原の囲炉裏の宿「天空のさと山」を7:45出発。
大門王子、十丈王子、大坂本(おおさかもと)、牛馬童子、近露(ちかつゆ)王子、継桜王子(つぎざくら)、秀衡桜(ひでひらざくら)のスタンプ印を押す。
Geographicaログでの記録は13.2km。累計高度+1027、-841、 見なし距離28.2km 7.5時間。見なし距離レベルの平均speedは3.8km/h 普通計算での平均speedは1.8km/h 。
この中辺路。9割が外国人である。我々は朝早く出発したが後から続々と登ってくる。弁当用のおにぎりを2個しか持たない人も多く余った分を全て担いだものだからリュックは重い。大門王子で休憩中にそれらのおにぎりで"お接待"。半ズボンのトレイルランのような風貌の人など一様ではないがやる気満々の外国人パワーに驚かされる。食べて貰ったおにぎりの分 荷物は軽くなる。
「つぎ桜」の宿には14:40くらいの着。 夕食は8品が出るというグルメ民宿である。大阪、京都で修行したシェフが宿の主で土地のものを使った食材に意匠の丈をつくす。この宿の人気のほどは来年の11月まで予約で埋まっていることからも想像に苦しくは無い。
この宿に手前の近露(ちかつゆ)で会ったご夫婦が遅れて到着。タヒチ島からやってきたと言う。ビックリ。ボラボラ島などで遊んだ当方の新婚旅行先であるので話が弾む。ご主人はパリ人、奥さんはゴーギャンの絵にあるようなタヒチ人。ケラケラと笑い実に陽気。明日の行程を相談し5kmほど短縮し負担を減らすこととした。宿泊地は我々と同じ湯の峰温泉である。
徒然の記その6 熊野古道・中辺路3日目 Dual pilgrim 2018.11.22(木)
■継桜→小広峠→発心門→伏拝→熊野本宮大社20.4km→バス→湯の峰温泉 民宿あづまや荘
この行程は、最低高度56m、最高高度672m 累計高度+1691m、-2117mで、高さx10などを加ええる「みなし距離」を算出すると50kmとなり、健脚でも7時間以上もかかるこことなり多人数では無理かもしれない。1,2日目の経験から、バス利用の選択肢も設ける。発心門まで本宮経由でバスで向かい、本宮までの7kmを歩くというものである。
山コースを選択した3人は下記のコース
継桜→道湯川橋(5.1kmほどを宿の車で短絡)→岩上峠(671m)→蛇形(じゃがた)地蔵→湯川王子→三越峠(555m)→音無川源流→林道分岐をそのまま進む(船玉神社→猪鼻(いのはな)の本道は台風の影響で通行止め)→発心門王子→水呑王子→伏拝(ふしおがみ)→三軒茶屋跡(小辺路合流点)→祓殿(はらいどの)王子→熊野本宮大社→世界遺産熊野本宮館→熊野本宮拝殿「共通巡礼達成大太鼓の儀」→大斎原(おおゆのはら)16.2km→バス→湯峰温泉(民宿あづま荘)
(平面距離16.2km 沿面距離16.5km 最高高度672m 最低高度57m 累計高度+937m -1307m)
野中の清水(名水100選)から汲んだ水をペットボトル2本に入れ出発。極々弱い雨の中を岩上峠へ登る。ここは3年前も迂回路であった場所で本道は通れないままが長いこと続いている模様。タヒチからの夫婦も行動をほぼ共にする。
世界遺産熊野本宮館で念願のDual Pilgrimの証明書・記念バッジを貰い記念撮影。拝殿へ再び登り太鼓を打たせて貰う。「共通巡礼達成大太鼓の儀」。大3回+連続打(36回くらい 強→弱)、大3回 一人ずつ 5人が打つ。
サンティアゴ巡礼路の写真展を見たりして16:45のバスで湯の峰温泉へ。
注)二つの道の巡礼者(Dual Pilgrim)の達成条件・・それぞれの道において次の中から何れか一つを達成した人は、世界遺産熊野本宮館、田辺市観光センター、サンティアゴ・デ・コンポステーラ市観光局から達成証明書を発行してもらえる。
・サンティアゴ・デ・コンポステーラの道、徒歩、馬で100km以上/自転車で200km以上を達成した人。
・熊野古道の道 滝尻から熊野本宮大社 38km/熊野那智大社から熊野本宮大社間 30km/高野山から熊野那智大社 70km/発心門王子から熊野本宮大社 7kmかつ熊野速玉大社かつ熊野那智大社 を参詣した人。
徒然の記その7 熊野古道・中辺路4日目 水の熊野古道 2018.11.23(金)
■湯の峰温泉→志古→瀞峡(とろきょう:瀞八丁:川の熊野古道)→新宮(速玉大社、神倉神社(巨岩の神社))→東京
湯の峰(峯)温泉 民宿あづまや荘ではバス停の前にあった「あづまや旅館」でもお風呂に入れるというので皆でそぞろ歩きしながら温泉街の一本道を上がっていく。源泉が川面にあるため蒸気が常に上がっており情緒のある光景である。大風呂の部屋にある「ひやし湯」や露天風呂で十二分に温泉になじむ。折しも雲間から満月が顔をのぞかせた。およそ1時間半ほどそこで寛ぐ。
翌日は8:40発の新宮駅行きに乗って志古へ。「瀞峡めぐりの里 熊野川」の志古ではあるが先月の台風の影響で川底が浅くなったため、シャトルバスで小川口へ。2013.8に大峰奥駈の帰りにこの志古から瀞峡(とろきょう)探勝ウォタージェットに乗り田子まで行っている。2011.9に熊野地方を襲った台風の影響では熊野川が氾濫し国道の上10mまで水に浸かったという。田子あたりでは高台にある旅館あたりまで水流があったようである。奈良と和歌山を結ぶ吊橋はその時から使われないまま朽ち果てている。今回はその思い出の田子で15分間の休憩があり更に上流へと瀞峡の観光が続く。望月岩、狛犬岩、松茸岩などを巡り反転して下流へと帰途に着く。紅葉真っ只中の瀞峡、快晴の瀞峡。あぁもう言い残すことはない。
新宮駅で解散式。歩き塾初めての3泊4日の旅は終了。長旅のガイド 満足して戴けたであろうか。
ウォータージェットが10月の台風の影響を受け川が浅くなりすぎたため途中の行程をシャトルバスに頼ったからか運賃が安くなっていた。全員に千円のバック。
参加者7名のうち2名はそのまま東京方面へ。他はまだ旅が続く。1名は串本観光。1名は那智へ。1名は新宮の速玉本宮・那智本宮へ。1名は名古屋観光。1名は浜松国際ピアノコンクール本戦へ。お疲れ様!
■熊野古道の旅 放課後& next day
その日の宿は浜松駅から2.7km離れた遠州鉄道・助信(すけのぶ)駅に近い「365BASEアウトドア ホステル」。テラスのある緑の庭に暖房付きのテントがあったりする3階建てのアパート風ホテル。パンを焼こうとキッチンに入ると先客が2人。広島からのご婦人はお産の手伝いに長期に泊まるためにここを利用し始めたばかり。東京からのイケメンは日本で育った2世。赤坂でセミプロとしてオペラを歌っている。広島市は西区に知り合いがいると話をむけカープの話に及ぶと興味あることを喋り出した。広島の人は殆どがカープファンなので球場前のマツダ通りから赤く埋まっている。球場は真っ赤に染まり違う色の服だと恥ずかしいくらい。かと言って家から赤いユニフォームを着ていくのは恥ずかしいので球場の近くで着替える。皆 家に7,8着持っていて、今日はどの選手を応援するのかによって着ていく服が違うのだと。それほどのものだったのか! 恐れ入った。歌手の方は、今日会う友人に薦められここを取ったのだと。ジム室で朝ドラを見ようと入っていくと女性誌を見ていた3人はインディアンテントに泊まった方達であった。3ケ月前から予約したのだという。ハンモックなども多数ぶら下がりおったまげたホステルである。駅前にあるアクトシティー浜松まで広々とした市内を歩く。駅前のMayOne(メイワン)で黒い運動靴をgetし、登山靴と交換。アクトシティー自由席の列に並ぶ。開演前3時間ですでに10名が並んでいた。実際の本選の感想は「徒然の記その2」に述べている。
徒然の記その8 孫たち3人 わが家に泊まる 2018.11.24(土)
■2家族の孫(10歳、6歳、3歳)たちが泊りがけでやってきた。さぞ賑やかになるであろう。
日曜日にはこのうちの最長年の孫の誕生日パーティーを我が家でやろうとなったのである。日曜がお休みというのは、オケ本番の翌週の日曜日であるから。小生は荷ほどきする間もなく喧騒の中に身を沈めることとなるであろう。
(編集後記)
その他:turbo717のActivityは下記HPで公開しています。ヨーロッパ6700kmの記録、巡礼データベース、絵日記blog、歩き塾blog、課外授業(音楽活動履歴、インド数学、Excelによるパズル)などへリンクを張っています。
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