【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

フリーページ

愛車のページ(愛用バイク2008/10購入)


自作バイクジオラマ


本栖湖ミニ・ツーリング


バイク画像(準備中)


鉄人28号ジオラマ1


鉄人ジオラマ1、完成記念写真


「鉄人28号ジオラマ2」完成画像1


「鉄人28号ジオラマ2」完成画像2


我が憧れの戦艦大和(加工ジオラマ)


「三丁目の夕日」の世界


ティラノサウルスのヘタなイラスト


SF「恐竜境に果てぬ」 序章 第1節 1・2 


SF「恐竜境に果てぬ」 序章第1節 3・4・5


SF「恐竜境に果てぬ」 序章第2節1・2


恐竜境に果てぬ序章第2節3


恐竜境に果てぬ序章第2節4


恐竜境に果てぬ序章第2節5


恐竜境に果てぬ序章第2節6


恐竜境に果てぬ序章第3節その1


恐竜境に果てぬ序章第3節その2


恐竜境に果てぬ序章第3節その3


恐竜境に果てぬ序章第3節その4前編


恐竜境に果てぬ序章第3節その4後編


恐竜ワールドテスト撮影


恐竜ワールドテスト撮影2


逝っちまった恐竜モデルたち


恐竜境に果てぬ・心は『先史時代』にあり


合成の練習『恐竜境』序章クライマックス


『恐竜境』ポスター


恐竜境に果てぬ第1章第1節その1


恐竜境に果てぬ第1章第1節その2


恐竜境に果てぬ第1章第1節その3


恐竜境に果てぬ第1章第2節その1


恐竜境に果てぬ第1章第2節その2


恐竜境に果てぬ第1章第2節その3


恐竜境に果てぬ第1章第3節その1


リンク


カテゴリ

2004.04.25
XML
カテゴリ:カテゴリー未分類
元妻に言われたことがある。「あなたの辞書に『信じる』って言葉ないって言わなかった?」。
「うむ、正確にはみだりに使いたくないって意味で言ったかもしれない」。「どういうことだっけ?」。「信じるって言葉は情緒的なものだと思うんだ。だから、幽霊信じる信じない、ネッシー信じる信じないっていうふうには使いたくない」。

「じゃあ、例えば?」。「そう・・・、お前がさ、何か思うところあって、その気持ちなんかを俺に訴えたい時、『あたしのこと、信じてる?』って言われたら、その時によっては、信じる信じないのどちらかを答える。ま、我ながら理屈っぽいとは思うけどさ、文章を趣味にしていると、こだわりが出来て来るってことかな」。

そこで超能力の話になった。当然信ずる信じないの領域ではない。私は、「超能力は、その可能性に興味がある、ないって区別で言ってるわけだよ。もちろん興味大ありだけどね。第一経験しているもん」。
聞かせてと好奇心を満面に見せるので、話してきかせた。

家庭教師時代だから、もう優に20年以上前のことである。その頃は夜遅くまで仕事が埋ってはおらず、ある晩8時ごろには帰宅した。すぐ風呂に入るつもりでパンツ一丁になった。ふとテレビを見るとスペシャル番組らしく、超能力者大集合のようなのをやっていた。

無論、この手のものはイカサマが多いのは周知のことなので、無視して風呂場へ向かおうとしていた。画面には巫女の格好に更に派手な飾りなどをつけた中年女性が出て、いかにも怪しい。ところが、面白いことを語り出した。私はパンツ一丁のまま、しゃがんで見入り出した。テレビを通して、視聴者に対して超能力をご覧に入れるということらしい。

皿でも何でもいいから、同じものを二つ用意し、それぞれに塩・しょう油などはっきり味がわかるものを、ほぼ等量注ぐか入れておいて欲しいと、テレビの中の女性が言う。
ずっと番組を興味深げに見ていた父は、台所の小皿を二枚用意して、食卓に置いてあった焼酎をそれぞれの皿に注いだ。これを左右の手で一枚ずつ持つよう、女性からの指示がある。

私は全く冷やかし半分の気持ちだった。テレビの中の女性が言う。「ただいまから、左右の手にお持ちになったそれぞれ味のついたもののうち、片方をずっと濃くし、もう片方をすっかり薄味にしてしまいます。どうぞ、私が力を使うあいだ、そのままじっとお持ちになっていて下さい」。

「ウソだろ。全国にサクラがいて、私も味が入れ替わりましたなんて、局に電話なんかをかけるっていう仕掛けなんだよ」と、早くも私は小バカにしていた。
「おいッ!! お前たち、なめてみろ!!」。突如父が大きな声を出した。父から二枚の小皿を渡された私がまず、なめてみた。驚いた。「あッ、こっちが凄く濃くて、もう片方のは水で薄めたみたいにほとんど焼酎の味がないッ!!」。「な、たった今のことだから、俺は水で薄めたりなんかしてないだろ!!」。母も、二枚の小皿の焼酎をなめて、「ほんとだ。片方は濃いね」。

片方の小皿の焼酎は、思わずうまいっ、と言いたくなるほど、味が濃く、もう一枚の焼酎は、水をかなり足したように、ひどく薄くて、まるで焼酎らしさが失せていた。
ユリ・ゲラーなど、テレビを通して全国の茶の間に伝えようとする超能力番組は、いずれも我が家には無縁のものばかりだった中で、唯一、家族三人共が実体験した「濃さのチェンジ」超能力だった。

「どう、俺の話、信じる?」。元妻に問うた。「ううん・・・、ちょっと信じられないなあ」。
「こんなに身近な存在の人間が言っても信じないんだ」。「だって、私が自分自身で経験してないし・・・」。「でも、同じチャンスは二度と訪れないかも知れないんだよ。しかも、あの場合は親父の真剣さが、味の濃さの入れ替えという驚異的な結果をもたらしたと解釈出来る。しかも、俺とお袋が証人にもなっていて、結局家族三人全員が確認してるんだぜ」。

「あなたがウソを言ってるんじゃないって気はするけど・・・」。「いや、お前は俺を信じてないんじゃなくて、超能力の可能性に興味を持ってないんだ」。
「そうかも知れないわね。この考えって、石頭ってこと?」。「そう、石頭。理系人間に多くある欠陥だな」。「あら、ひどいこと言うのね。・・・でも、よく考えたら、あなたって、そう簡単には信じちゃいけない人だってこと、思い出したわ」。

「え? 俺、信用ないの?」。「そう、あなたはよく人をかつぐ悪趣味を持ってるのよ」。「かつぐ・・・」。「そろそろ、思い当たったでしょ。ほら、例えばピザを食べようとした時、肥だめを連想させたり、それから、もっとひどいのは、トイレ行くって言って、知らないうちにビン一杯の麦茶を持って戻って来て、オシッコためたって言って見せて、私を気持ち悪くさせたことあったでしょ!!」。

「でも、あれはいわゆるジョークってやつで・・・」。「何がジョークよ!! 悪ふざけにもほどがあるわよ。だ・か・ら、あなたの話には用心しなきゃ危ないってこと!! わかったッ!?」。「はいはい、わかりました。やれやれ、とんだ仕返しを食ったな・・・」。
「え、何ですって?」。「い、いえ、以後反省致します」。「わかればよし!!」。
ただ一度の超能力体験談、一巻のお粗末。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2004.04.25 15:23:07
コメント(1) | コメントを書く


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.