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カテゴリ:軍事・外交
本文に入る前に、紅白歌合戦でお気に入りの歌手の歌を楽しんだ人々にお詫び申しておきます。新年の毒舌初めになるからである。
なお、私がテレビで聴きたいものは何かというと、「ドラム演奏」である。 私はほとんど素質がないくせに、中学三年の時、当時高校生だった兄が友人から教わったというドラムリズムをその場でなんとかやってみせて、兄を驚かせたことがある。 本格の人の前でやって見せたら一笑に付される「ドラムごっこ」に過ぎないが、クラスの皆の前で早速、両手の指と両足で、ごく簡単な四拍子のリズムをたたいて見せたら、男子のほぼ全員が感化されて、私よりじょうずな生徒も現われたほどだった。遂には楽器店で本物のスティックを買って持って来る者がいた。女子はうるさがったが、休み時間ともなると、机を三つ寄せて、たとえば当時はやったグループサウンズのヒット曲の出だしの俗に「回し」という叩き方をして、悦に入(い)る者もいた。高校受験迫る頃の楽しい思い出である。 なんとか高校に入ってからも、ドラムなどという実物の手に入るはずもなかったが、ヒマさえあれば、勉強机を叩き、床を蹴った。 そのことがクラスの音楽部の生徒の耳に入り、高一終わりの頃、予餞会、つまり卒業生を送る会のステージでドラムを叩いてくれと頼まれた。 既に実物を叩く機会もあったが、かつてヒットした映画「卒業」劇中に流れた「サウンド・オブ・サイレンス」(サイモン&ガーファンクル)を歌うというので、幸い高校の近くに住むドラムマニアの三年生の人からドラムを借りることとなり、放課後、空いた教室でレコードを流して、にわか特訓に入った。 予餞会当日迫る一日、音楽部生徒一同居並ぶ中にポツンとドラムに向かい、最終練習をした。 なんとかなると予想したが、当日、ハイハットというドラム器具だったか、これを数回ハズして空を切り、つまりは失敗しながら叩いて終わった。 だが気分は良かった。 かつてはドラムソロを演奏してみせる番組があったが、最近は全く見ない。 俳優でもたとえば故・フランキー堺氏は、ドラムの名手で、ある時ジョージ川口氏だったか、二人でドラム合戦を延々みせて、私はこの競演を堪能し、多感だった当時の言葉で言うと、おおいにシビレたものだ。 私は平成になってから、「紅白歌合戦」を全く見ていない。ところが両親は昔のイメージをぬぐいきれぬからか、まずNHKを出そうとする。私は黙って若い「うた歌い」らしき者共がマイクを口にくわえそうな距離で歌らしきものを歌い始めるのを聴くフリをしている。 ここに至って両親はようやく気づく。「何にもわからない」と、これも毎年のことだが言う。私は珍しく乱暴な言葉で、「こいつらの歌は、『語り』だよ。何も旋律になってない。その語りも、字幕が出なければ何をしゃべっているのかまるで聞き取れないはずだよ。 俺が子供の頃の紅白では、美空ひばりの『柔』に聴きほれたものだよ。 あれを『歌』というんだ。今の歌は、独りよがりの語りにかろうじて音符がついただけのものだよ」と言い放つ。 このあと、入力切替をビデオにして、テレビ東京十数年ぶんの「懐メロ」のビデオを映して、共々戦前・戦中・戦後まもなくくらいの歌を聴く。もちろん録画したのは私だ。 私は変わり者であろう。生まれる前の歌をいっぱい知っている。 「俵星玄蕃(たわらぼしげんば)」のセリフを知ったかぶる如く、書いてみる。 霧島昇氏の「誰(たれ)か故郷を想わざる」、「旅の夜風」、藤山一郎氏の「長崎の鐘」、「影を慕いて」、林伊佐緒氏の「出征兵士を送る歌」、菊池章子さんの「星の流れに」、「岸壁の母」、竹山逸郎氏の「異国の丘」、三浦洸一氏の「踊り子」、若山彰氏の「喜びも悲しみも幾年月」等々。 枚挙にいとまがない。 ただし、平成以降も、独断ながら「いい ! 」と感じた歌は録画してでも覚える。 やや旧聞に属するが、Kiroroの「もう少し」はCD所有している。 NHKドキュメント「プロジェクトX」のエンディング・テーマ「ヘッドライト・テールライト」(中島みゆきさん)は、お気に入りである。 さらに森山良子さんが亡きお兄さんに想いを託した詩にメロディーをつけたといったか、「涙(なだ)そうそう」は、聴いていて目頭が熱くなる。 わけがある。今は解約したが、一時衛星放送の「日本文化チャンネル桜」を視聴していたある時、北朝鮮に拉致されたまま未だ消息が知れない横田めぐみさんの可愛らしい顔立ちの写真が映り、この画面のバックに「涙そうそう」の「一番星に祈る・・」が流れたとたん、気の毒な思いと、卑劣、北朝鮮への怒りで、涙が出た。出てしばし、とまらなかった。 ![]() この歌は沖縄をイメージさせるものらしいが、第一印象は強烈だ。私はこの歌を聴くたび、横田めぐみさんの不幸と、未だに娘さんの息災無事を信じ、かつ、必ず助けてやるとおっしゃるご両親に想いを致して、たまらない思いを思うのだ。 私は幸い拉致されなかった。だがめったにそんなことはないと誰に言い切れようか ! ? だから私は横田めぐみさんのことは、これまで書かなかった。書くこと自体が、安全地帯の自分の思い上がりにとれたからだ。 ![]() あどけなさに器量の良さがまじり始めた中学生の時、突如海岸から近寄った恐ろしき朝鮮人共に粗末なつくりの船倉に入れられためぐみさんは、絶叫し、真っ暗な中から扉を引っかき、引っかき過ぎて、爪をはがして、扉の内側は真っ赤になったと、元北朝鮮工作員が証言した記事がある。 ![]() もはや、これ以上は余り書けない。言語を絶する恐怖を何時間も経験したあげく、無理やり共産主義国家の強制に終始束縛される生活地獄に落とされた少女の恐怖、不安、怒り、そしてかなわぬかも知れない故国帰郷の願いを託して見上げたかも知れない星空。 それらの凄絶な境遇に突如置かれた少女の心中は、察しても察してもなお余りある。 「涙そうそう」は私には、横田めぐみさんの、利発そうで整った顔立ちが重なるのだ。束縛生活の中で、一番星を仰ぐことさえ出来たかどうか知れない少女の望郷の想いは、いかばかりだったか・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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