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2008年10月19日
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カテゴリ:クラシック
 オーチャードホール  15:00~
 3階左手

 ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集 第1集第4曲、第2集第2曲、第1集第8曲
         チェロ協奏曲
 <独奏+チェロ合奏 アンコール>
 赤とんぼ

 ショスタコーヴィチ:交響曲第9番

 チェロ:ルイジ・ピオヴァーノ
 指揮:ミハイル・プレトニョフ

 東フィルの定期演奏会。こないだ会員継続の案内が来て、まぁ演目からして一応いいだろうということで継続するつもりではいるんですが。

 プログラムは見ての通り。冒頭、いきなりスラヴ舞曲集から。これが、なんというか......
 私、個人的には、スラヴ舞曲集ってあまり好きではありません。まぁ、確かに魅力的な小品集ではあります。音楽的に魅力が無い訳ではないけれど、ただ、このオーケストラ編曲版の場合、オーケストレーションが決していい出来とは思えないのです。もう少し言うと、曲としては出来はいいのかも知れないけれど、オーケストラを聞く、ということとしては、ちょっとつまらないんですよね。リズムはあって旋律も魅力的かも知れないけれど、ずっと同じ音楽を聞いてる感じがなくもない。
 だから、聞かない訳ではないけれど、あまり好んで聞いている訳ではないつもりです。生演奏であれば、アンコールピースとして聞くくらいが丁度いい。そこそこのプログラムを聞いた後に、アンコールとしてちょっとやる、くらいで、いわばクールダウン用に、というようなものではないかと。

 これを、のっけから聞かせられるわけです。いや、よほど、聞かせる工夫と言うか、テンションが高い演奏であればいいんですが、率直に言って、とてもつまらなかった。なんでこの曲を演奏するのか、さっぱり分からない演奏。目的とか、思いとか、狙いとか、こう、普通は某か感じるものですが、そういうのが全然ない。東フィルの演奏も、一本調子で正直つまらない。
 プログラムを組むのは音楽家の自由ですが、プログラミング次第で演奏会自体も決まってしまうもの。同じドヴォルザークでも、例えば交響詩にだっていろいろいい曲があるのに、何でわざわざスラヴ舞曲?しかも、目的も狙いもはっきりしない.....

 御陰様でテンション下がりまくりです。
 それを救ったのは、チェロ協奏曲のピオヴァーノの独奏。いや、決して東フィルの演奏がだめだった訳ではないけれど、敢えて言えば、やはりピオヴァーノの演奏が締まっていてよかったと思います。適度に歌いつつ、流されない醒めた面も持ち合わせている、そんな演奏です。ドヴォルザークのチェロ協奏曲は結構好きなので、点も甘いと言えば甘いのですが、これは楽しめた。
 ただ、アンコールの「赤とんぼ」は、まぁ確かにいいにはいいのだけど........悪くはないんだけど.........
 チェロの演奏自体は良かったです。いい腕ですね。華やかな感じではないけれど、落ち着きがあるのがいい感じ、でしょうか。

 休憩後、ショスタコーヴィチの交響曲9番。諧謔趣味に溢れた曲です。こういう曲になると、俄然日本のオケは得意ですね。あまり繊細さを要求されないし、曲の性格がはっきりしているから、曲作りもやりやすいのかも。最後の2楽章でのファゴットの活躍はお見事でした。まぁ、額面通りに受け取って帰る曲ではないですね。これはこれで興味深い。

 ただ、全体としては正直、ちょっと考えてしまいました。
 これは偏見かも知れないけれど、なんというか、スノビッシュな選曲に感じるのです。ドヴォルザークのチェロ協奏曲とショスタコーヴィチ。まぁ、そういう組み方はあるでしょう。でも、その前に、順序を考えず、必然性のあまり感じられないスラヴ舞曲を聞かされる。これは.......一体どういう狙いが?
 前日の新日フィルのことを考えてしまうのです。ベートーヴェンの交響曲二曲だけというシンプルな構成だけど、コンセプトは感じるし、演奏も緊張感のあるものだった。東フィルのこのプログラムからは、演奏が悪いとは言わないけれど、なんだか中途半端な選択で、コンセプトが感じられない。ショスタコーヴィチをやりたかったのかも知れないけれど、それにしてはなんだか前半がアンバランス。
 良し悪しの問題ではないかも知れませんが、新日のプログラムには練られたものを感じるのですが、東フィルのそれは、敢えて言えば「お客のニーズに合わせた」お子様ランチのようなもの。子供騙しとは言いませんが、あまり練られたものを感じないのです。東フィルのオーチャード定期はそういうもの、なのかも知れませんが、何やらあざとさを感じてしまうのです。








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最終更新日  2008年10月26日 00時56分47秒
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