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テーマ:今日行ったコンサート(1209)
カテゴリ:クラシック
すみだトリフォニーホール 14:00~
3階正面 モーツァルト:フルートとハープの為の協奏曲 K.299 チャイコフスキー:交響曲第4番 <アンコール> ドヴォルザーク:スラブ舞曲10番 op72-2 新日本フィルハーモニー交響楽団 指揮:クリスティアン・アルミンク リヨン国立、ゲヴァントハウス、ルーヴル宮と来て、新日フィル。まぁ、点が辛くなるのは当たり前、果たして我ながらどんな評価になるものやら、と少々おっかなびっくりで出掛けました。 結果は… まぁ、公平に言って、危惧したほどのことはありませんでした。それなりに。 今日の指揮はアルミンク。9月の定期を飛ばしたので、今シーズンは初めてです。 やはり、アルミンクの時の新日フィルはいいと思います。オケの統制もまぁ取れているし、チャイコフスキーではフレーズの性格付けの対比も出来ている。だらしなく惰性で演奏してるようなことなく、それなりに考えて演奏している、という印象があります。 プログラムの取り合わせはちょっと.....ですが。まぁこのシリーズは名曲シリーズなので、その辺は色々あるな、とは思います。 前半のモーツァルトのフルートとハープの為の協奏曲は、パリ時代の作品。理由は色々言われてますが、モーツァルトらしさのあまり感じられない、というのはつもり天才っぽくない、ということでしょうが、そんな作品ではあります。いい曲だけど、楽しみはどちらかというとフルートとハープを聞く楽しみ、という感じの曲かと。 まぁ、正直、さらさらっと聞いて終わってしまいました。しかし、やっぱり、ハープってのは目立ちますね、見た目もそうだけど、音も。ヘンデルなんかも協奏曲書いてましたが、ハープの印象が強いんですよね、とにかく。 後半のチャイコフスキーは、まぁ、チャイコフスキーは4・5・6番とどれもそうですが、やっぱりオーケストラが吠えるのが身上、なんでしょうね、この曲。抑制は一応されてるとはいえ、やっぱり吠えてました。それでも、フレーズの性格付けなどを通して、それなりに構成を作るなど、よく出来た演奏ではありました。 ただ、まぁ、悪くはないにせよ、この種の音楽は結構お腹一杯にはなりますね。 それと、やっぱりそうは言っても、較べてしまうのがここ数日に聞いたあれこれ。まぁ、較べると言えば、一番較べ易いのはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管になってしまうのだけど、やっぱり違いはありますね。 一番大きいのは、実は、日本のオーケストラではいいと言われている筈の精度。新日フィルだから、じゃないんだと思うんですよ。確かに「日本のオーケストラは上手い」とか「合奏精度が高い」みたいなことを言われていて、そういう意味ではこのアルミンク&新日フィルのコンビは結構いい線行っているのですが、較べてしまうと、やはり違う。精度というより全体性能の問題というのか。喩えると、新日フィルの演奏が、「写ルンです」で撮った写真で、ゲヴァントハウス管の演奏は、一眼レフで撮った写真、という感じなんですね。 これは、決して「写ルンです」と一眼レフとの性能差、という比較なのではなくて、仕上がりまでの詰め具合の差、なんだと思うのです。縦の線がどうとか、なんて話でなく、演奏の細部への神経の行き届き方、もっと言えば、その細部をどう演奏するか、ということに何処まで意識しているか、という問題かな、と思うのです。集中力の差なのかも知れません。個々人の演奏家、というよりも、楽団の総合としての集中力。だから、決して悪い演奏ではない....と言いつつも、何処かピントが甘い気がするのです。 アンコールは、まぁ、名曲シリーズだし、音楽監督の指揮だしね。 ちょっと頭を抱えてしまったのは、チャイコフスキーが終わるや「ばぼーーーー(尻上がり)」が掛かったこと。あれを聞いた瞬間、ああ、やっぱりオーケストラって聴衆が育てるんだなぁ........と思ってしまったのです。やっぱり意地悪なこと言い続けないとダメなのかな、と。 勿論、「いいと思えばブラボーを掛けていいんです」というのは建前的にその通りで、いいと思ったんだから掛けた、でいいんですけどね。理屈としては。ただねぇ、それって、どちらかというと、チャイコフスキーの4番という曲の暴力的な音響に盛り上がって叫んでたのではないのかしら。それもまた聞き方としてはありだと思うんですが。 いや、一歩譲って、それはお客としてはまだ許されるとは思うんです。聞く側はね。ただ、あの「ばぼーーー」を演奏者はどう受け止めているのかしら。あれで、「ああ、この演奏でいいんだ」とか思ってるのかしら?流石にそんなに単純では無いとは思うんだけれど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年11月09日 00時33分30秒
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