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ヴィーテ・イタリア高岡(Hiruccio)のイタリアワイン&主夫日記

ヴィーテ・イタリア高岡(Hiruccio)のイタリアワイン&主夫日記

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2008/12/10
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イタリアワインスクール「ヴィーテ」の上級編3回シリーズ

  「トスカーナワイン」

の最後を飾るのは

   「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」

です。


最初に同じワイナリーの異なったヴィンテージでテイスティングを
するいわゆる「縦型テイスティング」「ヴァーティカルテイスティング」
を行いました。

コッレルチェート03ブルネッロ

コッレルチェート社03年。
女性オーナーが手がける超小規模ワイナリーですね。外来資本が
多くなる中、200年間葡萄を耕作し続けた生粋のモンタルチーノ人
が手がけるブルネッロです。

熟成5年が規定ですから、現在の最新ヴィンテージが2003年と
ということになります。

色はルビー色でオレンジの反射が軽く見られます。
香りはプラムから赤い果実。甘さはありますが「煮詰めたもの」
まで行かず、心地よい甘さを感じさせる香りです。

バニラ、そして花の香り、ミネラル→磯の香りがしますが
「磯自慢」までは行きません。

味わいは、酸がやや強く感じられますが、ブルネッロの最新
ヴィンテージにしては丸みがある印象です。タンニンは
細やかで非常に素晴らしい。シルクのようなタンニン。

酸、タンニン、アルコール・・・この三位一体のバランスと
一体感にはまだ物足りなさを感じます。余韻に戻って来る
香りもフルーツ一本で、深みに欠けます。

後味に「バナナの香り」という意見が出たくらいで、やや
シンプルな感じのブルネッロです。

次は00年です。

コッレルチェート00ブルネッロ

凝縮したルビーでオレンジの反射。
03という灼熱のヴィンテージで非常に優しい色合いを
持っていたので「おや?」と思ったのですが、00年の
凝縮感を見て、溜飲を下げました(^^;)いえ、これも
ワイナリーのスタイルなんでしょう。

ちなみに00と03はヴィンテージチャートとしては
「並」の評価が与えられた年です。

ですが、その「並」にも雨の多かった年なのか、太陽が
強すぎた年なのか、豊作だから「良」の年なのか、量を
取らなかったから「良」をキープできた年なのか、あるいは
その他どういうニュアンスがあったヴィンテージなのかと
いう詳しい表記は、普通知ることができません。

そういうニュアンスを知らずして、チャートを鵜呑みに
するのは馬鹿げたことです。

2000年のモンタルチーノ村は、春に雨多く、6月から7月
上旬まで高い気温が続き、8月中旬までは涼しい気候、
8月中旬から灼熱の気候が続いて、降雨量は少な目。

葡萄にはややストレスが過ぎた年。チャートでは3つ☆。

2003年は、冬が厳しく長かったために発芽が遅れ
新芽を4月8日の大雨でやられ被害が多く、その上、
その後収穫後まで雨が一滴も降らなかったという年・・・。

文字通り雨の不足した極めてバランスの悪い年・・・。3つ☆。

同じ三ッ星でも中身がぜんぜん違います。


さて、この00年。

色は非常に凝縮していて、ガーネットのニュアンスが出て
います。

03に比べて深みのある色、凝縮感がしっかりと出ている。

やや殺虫剤的な香りが全体を覆っていて霧が晴れるまで
時間がかかると思いました。

(約一時間後、驚くほど甘く、ジャムのような果実香に
 昇華 していましたが)

味わいにも凝縮感があり、ここにもモダンなスタイルが
窺い知れます。酸がややへたった感じがあり、その上
タンニンの力強さにもいまひとつパワーがないので味わいの
放物線の下降線に入ったワインかと思いました。
問題ありか、と思いました。


次の2本は、95年ヴィンテージの水平テイスティング。
すなわち、同じ年代の生産者違いのものです。とはいえ
ノーマルとリセルヴァになるので厳密には「水平」とは
いえませんが。

ブルネッロ95「バンフィ」

200近いブルネッロの生産社の中にあって、その全生産量の
10分の1はこのワイナリーが作っている(^^;)
アメリカ系ワイナリー「バンフィ」。厳密に言えば
イタロ・アメリカーノ・・・・イタリア移民系のアメリカ人
ワイン商の興した会社ですね。

なので、スタイルはインターナショナル&モダン!バシバシの
バリック!と思いきや、バンフィはそのような安っぽい
ワイナリーなどではありません。

フレンチオークと大樽の使い分けをきちっとするという
イメージがありますが、ヴィンテージは95!いわば
「モダン=フレンチオーク=流行の最先端=イケイケ!!」
の年代に作られたワインですから、スタイル的にはもっとも
先鋭的なモダンスタイルが滲み出るだろうと思っていたの
ですが・・・


結果は・・・やや熟成状態に難があったと思わざるを得ない。


色は完全にガーネット、かなり凝縮した色合いです。

香りは圧倒的な酸化香です。奈良漬と梅干の紫蘇。
そこにブラックベリー、ブラックチェリー、レザー、肉
滴る血・・・レアに焼いたステーキ。スモーク、シガーの
ニュアンス・・・


こう書くと随分良い匂いに感じられますが、実はほとんど
全体が酸化香にやられた感じがしました。ん~~~残念!

口の中でもアロマの酸化香が気になります。でも、甘み
酸、タンニンのプロットは崩れています。色で見せて
香りでやや衰えて、味わいで完全に下降していく。

デクレッシェンドなワインです。

僕はバンフィのブルネッロ、もともと好きなだけに期待して
いましたけど、非常に残念でした。

ともあれ1995年、13年前のワイン・・・こういうことも
起こります。


ブルネッロ・リセルヴァ95「コル・ドルチャ」ポッジョ・アル・ヴェント

バンフィとは対照的に活き活きとしたルビーを呈しています。

明るさがあり、ガーネットのニュアンスも見え隠れしますが
全体的にはまだまだ若々しい。いっぱしのブルネッロが
まともな熟成状態を経ていれば、13年前とはいえ、これぐらいで
驚いたりはしません。


香りは赤い果実。とてもフルーティーでスパイスも感じるも
全体がフルーツでまとまっています。リセルヴァとしても
95というヴィンテージからもやや物足りなさを感じますが
まだまだ時間を楽しまなければ。

味わいはふくよかで酸、タンニンともにパワフルにして
洗練されています。ここにもバンフィの時の味の凝縮は
なく、非常にエレガント。


でも、時間とともにもっとも楽しい変化をしたのは、この
ポッジョ・アル・ヴェントとコッレルチェート00でした。


次の2本は85年の水平テイスティングです!

ブルネッロ85「コル・ドルチャ」

凝縮感のないガーネット色。オレンジの幅が広く少し
レンガ色のよう。

香りはドライフルーツ、プラムやアーモンド。そして
奈良漬。マデイラ香は顕著ですが、まだ強いレベルの
ニュアンスにとどまっています。

口の中に入ったとたん、魔法にかかったのではないかと
いうぐらに味わいの美しさにびっくりするというか
うっとりするというか、恍惚感に囚われました。

酸とタンニンの剥がれ落ちた弱さを持ちながらも
依然として凛とした姿。同じく弾力を失いかけながらも
ストラクチャーとの一体感を失うことなく保っている
美しいテクスチャー。

パワフルかつ奥深さと深遠なる宇宙を感じさせるブルネッロ
的世界の中で、このワインはすでに異次元に存在している
ようにも見えました。

それは太陽に対する地球から、地球に対する月のような
存在に変化したような、ディメンションは小さくなり
ながらもその美しさもまったく落とすことなく、保持し
ながら、小宇宙にメタモルフォーズしたような不思議な
感覚でした。こういう体験は初めてでした。


最後のワインはこれです。

ブルネッロ85「カプリーリ」

小規模生産の家族ワイナリー「カプリーリ」。コル・ドルチャや
バンフィなどの大規模生産者と違う点は、昔ながらの
ブルネッロを手がけ続けているという点です。

つまり大樽のみの熟成です。


色は薄いガーネット色。コル・ドルチ85との色の差は
ほとんどないように思われました。

香りは、まず不思議な野菜の香り。アスパラやなんらかの
混載を最初に感じました。

そこにタール、レザー、シガー

香りの複雑性とその個性ではコル・ドルチャ85を凌駕して
おりました。

味わいも同じく、大らかでダイナミックな味わいというより
は、小さくまとまったイメージのほうが強かったですが
パワフルなワインが23年後にこれほどまでにまろやかに
そして複雑に、日常の香りの世界からあまりにも遠い
トリップに誘ってくれるのです。

ワイン世界の楽しさのもっとも尊く、貴重で、高貴なもの
を体験できた充実感に浸りました。


参加くださった皆様、そしてロスコの笹山さんに感謝
いたします。


「ブルネッロ」テイスティング風景


それと、このテイスティングの後、番外編で講座参加者の
Yさんより差し入れのスペシャルワインを皆でご馳走に
なりました。Yさん、いつも本当にありがとう!!

なんとそれはこのワインのヴィンテージ95なんです!


ビオンディ・サンティ(テヌータ・グレッポ) ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ [2001] 赤

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの生みの親のワインです。
価格も尋常ではありません(^^;)

状態も良く、さすがビオンディ・サンティ!!と思えるほどに
フレッシュ感がまだ濃厚に詰まった感じがしました。


スタートラインは同じモンタルチーノ村。
そこに時間と熟成が加わることによって、まったく違った世界を
見せてくれたワインたちでした。





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Last updated  2008/12/15 11:38:34 AM
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