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ヴィーテ・イタリア高岡(Hiruccio)のイタリアワイン&主夫日記

ヴィーテ・イタリア高岡(Hiruccio)のイタリアワイン&主夫日記

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2011/02/17
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インポーターさんの資料にこうあります。

「10人中9人が嫌いでも、ワイン好きではなくても覚えて
 もらえるようなワインを造りたかった」という思いから
 生まれた個性あふれる白。



確か村上春樹も自分自身の小説に対して、10人中1人でも
好きになってくれたら良い、というようなことを言っていて
逆に村上龍は、10人中10人が好きになってくれなきゃ
嫌だ、というようなことを言っていたと思います(^^;)


好き嫌いは別にして、インパクトのある、記憶に残る
ワインを造りたい、という思いは良く分かります。



実際にこのワインは、そういう力に満ち満ちている、とまで
は言えないまでも、人を十分に納得させることのできる
果実味がありますし、個性もあると思います。


ワイン業界の人なら、まずこのワインのセパージュに驚くに
違いありません。


まずシチリアの土着ブドウと考えられるグリッロ。これは
近年単一種としてもボトリングされますが、長年マルサーラを
造る上での最良の葡萄と考えられていました。


そのワイナリー「アポッローニオ」社によると、グリッロは
元々はプーリアの葡萄だと言う事。


土着ブドウの本にもそう載っておりました。



因みにインポーターさんの資料では「ロッカ・デイ・モーリ」
社とありますが、生産者のホームページを見ると、
アポッローニオ社という会社があって、ロッカ・デイ・モーリ
というラインが存在しているようです。

あまり、大きな差はないかもしれませんが(^^;)


そしてガルガーネガ。どうしてソアヴェがここに?という
感じですよね。

最後にシャルドネ。今やプーリアでは珍しくとも何ともない
葡萄ですし、このワイナリーの存在する、長靴のヒールにあたる
サレント半島のレッチェ県は、サリチェ・サレンティーノを
はじめとしてシャルドネを認可しているDOCが多いです。


味わいは、確かに個性的な部分もあります。

香りが、非常にモダンなニューワールド系の感じがあります。
というのも、キャンディや蜂蜜のような濃厚でいて、誰に
でもわかる美味しい甘さがあります。

パイナップルやあんずの香り。

意外にも酸がこなれていなくて、ツンと尖った印象があります。

香りでは綺麗に落ち着いた、甘いフルーツの香りがあるのに
味わいでは酸が尖ってる。この居心地の悪い感じが個性と
言えば個性でしょうか。


エレガントなブランドもののシャツを着ているのに、ズボンは
ユニクロのジーンズをはいているようなセンスでしょうか(^^;)


でも、ワインとは果実のお酒なのですから、辛口系の味わいを
しながらも香りでこれだけフルーティーな香りを放っていれば
ワインとしては、素晴らしいのではないかと思います。


それに酸の尖りは、何としても、料理との相性では威力を発揮
しますよ。このタイプのワインなら、青魚とトマトのソース
とか、単純に柑橘系のソースをあしらった、あるいは良質の
オリーブオイルだけで仕上げた甲殻類のカルパッチョとかね。


プーリア州は、シチリア同様に大量生産州でありながらも、
シチリアともお隣のバジリカータ州とも違って、DOCの
数がとても多いですし、ある意味、グローバリズム化を
受け入れて、展開するメンタリティーも存在していると
思います。


やはり、大ギリシャ時代から中世にいたるまでのオリエント
とイタリア、ヨーロッパの交易の出入り口だったからで
しょうか?


プーリアが世に問う近年のワイン、結構面白いものが多い
ように思いますね。葡萄品種しかり、醸造法しかり。


注目しましょう(^^)


PugliaSaliceSalentinoRoccadeiMori





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Last updated  2011/02/22 11:14:48 AM
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