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テーマ:イタリアワイン大好き!(738)
カテゴリ:プーリア州のワイン
インポーターさんの資料にこうあります。 「10人中9人が嫌いでも、ワイン好きではなくても覚えて もらえるようなワインを造りたかった」という思いから 生まれた個性あふれる白。 確か村上春樹も自分自身の小説に対して、10人中1人でも 好きになってくれたら良い、というようなことを言っていて 逆に村上龍は、10人中10人が好きになってくれなきゃ 嫌だ、というようなことを言っていたと思います(^^;) 好き嫌いは別にして、インパクトのある、記憶に残る ワインを造りたい、という思いは良く分かります。 実際にこのワインは、そういう力に満ち満ちている、とまで は言えないまでも、人を十分に納得させることのできる 果実味がありますし、個性もあると思います。 ワイン業界の人なら、まずこのワインのセパージュに驚くに 違いありません。 まずシチリアの土着ブドウと考えられるグリッロ。これは 近年単一種としてもボトリングされますが、長年マルサーラを 造る上での最良の葡萄と考えられていました。 そのワイナリー「アポッローニオ」社によると、グリッロは 元々はプーリアの葡萄だと言う事。 土着ブドウの本にもそう載っておりました。
因みにインポーターさんの資料では「ロッカ・デイ・モーリ」 社とありますが、生産者のホームページを見ると、 アポッローニオ社という会社があって、ロッカ・デイ・モーリ というラインが存在しているようです。 あまり、大きな差はないかもしれませんが(^^;) そしてガルガーネガ。どうしてソアヴェがここに?という 感じですよね。 最後にシャルドネ。今やプーリアでは珍しくとも何ともない 葡萄ですし、このワイナリーの存在する、長靴のヒールにあたる サレント半島のレッチェ県は、サリチェ・サレンティーノを はじめとしてシャルドネを認可しているDOCが多いです。 味わいは、確かに個性的な部分もあります。 香りが、非常にモダンなニューワールド系の感じがあります。 というのも、キャンディや蜂蜜のような濃厚でいて、誰に でもわかる美味しい甘さがあります。 パイナップルやあんずの香り。 意外にも酸がこなれていなくて、ツンと尖った印象があります。 香りでは綺麗に落ち着いた、甘いフルーツの香りがあるのに 味わいでは酸が尖ってる。この居心地の悪い感じが個性と 言えば個性でしょうか。 エレガントなブランドもののシャツを着ているのに、ズボンは ユニクロのジーンズをはいているようなセンスでしょうか(^^;) でも、ワインとは果実のお酒なのですから、辛口系の味わいを しながらも香りでこれだけフルーティーな香りを放っていれば ワインとしては、素晴らしいのではないかと思います。 それに酸の尖りは、何としても、料理との相性では威力を発揮 しますよ。このタイプのワインなら、青魚とトマトのソース とか、単純に柑橘系のソースをあしらった、あるいは良質の オリーブオイルだけで仕上げた甲殻類のカルパッチョとかね。 プーリア州は、シチリア同様に大量生産州でありながらも、 シチリアともお隣のバジリカータ州とも違って、DOCの 数がとても多いですし、ある意味、グローバリズム化を 受け入れて、展開するメンタリティーも存在していると 思います。 やはり、大ギリシャ時代から中世にいたるまでのオリエント とイタリア、ヨーロッパの交易の出入り口だったからで しょうか? プーリアが世に問う近年のワイン、結構面白いものが多い ように思いますね。葡萄品種しかり、醸造法しかり。 注目しましょう(^^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011/02/22 11:14:48 AM
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