この夏、飲んでおきたいイタリアワイン トレンティーノ編
ロターリ アルテ イタリアーナ キュベ 28 NV夏はどうしてもスパークリング系の飲み物が欲しくなります。家で飲む水もスパークリング。どうして、こう泡が欲しくなるのかよく分かりません。舌の上に痛いほどの刺激を与える泡から、滑らかなムースのような舌触りの泡まで、その飲み物の種類や作り方まで、泡の質感にも随分とヴァリエーションがあるように思います。いずれにしても、どうして夏、泡が欲しくなるのか!?フレッシュ感が増して、爽快感が出るからでしょうか?ならば、泡はどうしてフレッシュ感を増幅させるのでしょう?火照った身体にどうして、泡はクールダウンの効果をもたらすのか、というか、本当にクールダウンしているのでしょうか?それとも錯覚というやつでしょうか?上手い具合に、都合よく騙されているのでしょうか?最近、スパークリングのミネラルウォーターを飲みながらそういうことを考えてしまいます。まあこれは「理屈抜き」の世界なのかもしれないですね。確かにスパークリングの液体を嚥下した後は、何故か舌の上に酸味が残るような感覚があります。酸味を感知する味蕾が刺激されているような感じです。これが「冷」を感じることにつながるものかどうかは定かではありませんが、何らかの効果は出しているように思えます。あるいは、単に、泡の刺激が、ダラっとした身体や精神をピリピリと引き締める感覚が「クールダウン」として認識されているのでしょうか?最近、ちょっと焦げ付いてしまった豚の角煮に合わせて、スタウトビールの傑作「ギネス」を試してみたのですがその時の泡の感触は素敵でした。角煮に合わせると、ややビールが水っぽく感じてしまったのが気になりましたが、ビール単体でいただけば、その泡の滑らかさが非常に艶かしかったです。ビールの泡の繊細さにも心打たれるものがあります。では、ワインの泡は如何がなもんでしょう?同じワインでもやはり作り方や素材であるブドウの質によって随分と質感が変わります。そしてその際高級な泡の質感を楽しもうとすると随分な投資をしなければならなくなるのが、ワインを飲んでいて、辛い部分でもあります(^^;)ドン・ペリニヨン[1999] 正規品(箱なし)ヴィンテージが古くなるとまた驚くべき高騰を見せます(^^;)ドン・ペリニョン [1975] 白 750ml★送料無料★[NV]クリュッグ・グラン・キュヴェ※正規品プレステージの塊のようなワインばかりで、価格に及んでは・・・・ならば、そこそこに質感を持ちつつも、コストパフォーマンスの高いものはないのか?と探してみます。シャンパーニュよりもフランチャコルタよりも安くて、かつ質的にも全く遜色のない、シャルドネとピノ・ノワールからできる瓶内二次発酵のレベルの高いものはないのか?と思うのは、スパークリングワインファンにとっては当然の心理であります。ここでお勧めしたいのが今回のワインです。生産州は北イタリアのアルプスの麓トレンティーノ州です。ワインは、瓶内二次発酵の決定版トレントDOCです。シャルドネを中心とした瓶内二次発酵のワイン作りでは実はフランチャコルタよりもはるかに古い歴史を持つ生産州です。綺麗な酸、滑らかな泡、ほのかに残るフランスパンの皮のような香り。繊細な甘みと切れ味のある酸味のバランス。白身魚、甲殻類のカルパッチョには言うことないでしょう。泡の力と複雑で力強い果実味もありますから、意外にも香りでこってりとした肉料理にも付いていきますし、もちろん口蓋に残るベタベタ感は泡が洗い流してくれます。お値段?もちろん、え?これでいいの?というレベル。北イタリアのレベルの高い協同組合ワイナリーだからできることでしょう。ロターリ アルテ イタリアーナ キュベ 28 NVどうせ買うなら、もっとそのワインのことを知って飲んだほうが良い!!だって、ワインは色んな知識で味の感じ方が変わる不思議な飲み物でもあります。どうせ飲むなら、色々楽しんで飲んだほうが良い!!だって、同じような値段でワインを買うなら、そのワインのためだけに書かれた「読み物」が付いているほうが断然お得!高岡洋文セレクション 夏の白ワイン特集