守山で新進気鋭のフレンチを!
7月の初めに、「近江八幡イタリアントリオ」のイベントを行うために、3人で食事に出かけました。目指すは滋賀県守山市、駅前通にあるフレンチ エピクスであります。イタリアントリオの料理部門担当のバルベッタ岡村さんのお店で働くスタッフが数回ここを訪れたらしく絶賛されていたということで、岡村さんが予約してくださいました。僕にとっては、とても珍しいことです。なので、非常に楽しみにしていきました。10席に満たないカウンター。その奥に10名入るか入らないかのテーブル席。我々が到着したときには地元の老人会?と思えるような、元気なおばあちゃまたちの団体が奥の席を占拠しておりました。サービスを司るのは、二人の美熟女。全体の雰囲気も深みのある青と白、そしてエピクスを象徴するロゴなどが散りばめられていてなかなか雰囲気があります。テリーヌは豚の頬肉や臓物を使ったテリーヌでした。マニアックな一品ですが、とても美味しかった。豚のそれぞれの部位の風味と状態の良い脂身の香りと舌触りがかなり感動的でした。いかにもフレンチですよね。スープがついています。それも裏ごしされたスープ。これも絶品でした。上についているのは、パイ生地のスティックパンなのですが、このサクサク感とスープのドロドロ感の触感のコントラストを味わいます。定番ともいえる基本を上手く表現されていました。メインは魚料理にしました。鱸とそのカマのロースト香草風味。カマを手づかみで貪るように食べました。素晴らしい鮮度、旨味。地中海的な香草も良く利いていて食欲をそそると同時に、気持ち的にも満たされていく自分を感じました。典型的な地中海料理ですものね。このあたりにフレンチもイタリアンも垣根はないのではないでしょうか。ラストのデザートです。ごめんなさい、具体的な内容を忘れちゃった。これも柑橘系のシャーベットにハーブを強く聞かせたソースをあしらっていたように記憶します。食事の中盤から目の前で腕を振るうオーナーシェフとも話をしました。大津のプリンス、近江八幡のポアンド・ヴューのシェフなどを務め、またフランスにも長期旅をされて研鑽を積まれたとの事。「フランスでは田舎の料理を色々と食べ歩きしましたが 正直、日本のフレンチの料理の方がずっと美味しくて 質が高いと思いました。 だから僕は、フレンチの郷土料理というよりは、自分 自身のレストラン的な料理を出したいと思います」と、そんなお言葉も聞けました。ご自分の方向性をしっかりと持っていらっしゃるのが素晴らしい。その上で、まだオープンして一年ほどのお店の経営については、 「なかなか難しいですね。自分の色を出したいけど 出せば出すほどお客様の感性からは離れていく部分があり ます」と謙虚に分析されていました。個人店が魅力を最大限に発揮して、それが地域で評価され贔屓されると良いですよね。滋賀では、その歴史もあるでしょうけど、イタリアンよりもフレンチの方が、質の高い料理を出しているように思います。質の高いイタリアンはかなり乏しい。