大規模な調査で、タバコのタール量による肺ガンリスクに差が無いことが明らかにされました。
超低量タールで安心などと思わせて禁煙させないタバコ会社の戦略に乗らず、どうせいつか禁煙することになるなら、早く禁煙された方がメリットが大きいです。
低タールタバコに期待される安全性が喫煙者の罪悪感緩和に一役買っているが、英国医師会誌「British Medical Journal」1月10日号に掲載された大がかりな研究では、喫煙者における肺癌リスクは中量タール、低量タール、超低量タールの3種のタバコでも変わらないこと、またフィルターなしの高量タールタバコは予想通りリスクの高いことが明らかになった。
研究者らは非喫煙者、以前の喫煙経験者、現在の喫煙者を含む30歳以上の男性36万4239人および女性57万6535人を6年間追跡し、フィルター付き超低タール(7mg以下)、同低タール(8mgから14mg)、フィルターなし高タール(22mg以上)のそれぞれのタバコの喫煙者で肺癌リスクをフィルター付き中量タール(15から21mg)タバコの喫煙者のリスクと比較した。
過去にも中量タールタバコと高タールのフィルターなしタバコとの比較、パッケージラベルが実際のタール量に適合しているかどうかの調査は行われていた。しかし、共同研究者で米国対がん協会(ACS)の疫学研究指導者Michael Thun博士によると、行動の変化に無関係な器械による測定で低タールを示したタバコと普通のタバコとを比較したのは今回が初めて。
研究では、喫煙者がニコチンやタールの少なさを補うために通気孔を塞いだり、煙をより深く吸い込んで長く肺にとどめたりすることで発癌物質に曝露する肺の表面領域が増大し、それがある種の肺癌発生率の上昇原因となる可能性が指摘された。そのため、ライトやマイルドといったラベルに惑わされた喫煙者が禁煙に踏み切れないことが懸念される。
1996年の数字によると、フィルターなしのタバコは米国および英国では総売り上げのわずか1%だったが、中国では約20%、フランスでは約15%、それ以外の欧州では6%から20%を占めていた。
2004年1月9日/HealthDayNews
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