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血管のほとんどが毛細血管です。
毛細血管の太さは赤血球よりも小さいということはあまり知られていないようです。 赤血球は自身が変形することで毛細血管を通っていくのだそうで、赤血球同士がくっついたり、活性酸素でボロボロにされているとスムーズに通れなくて血流が悪くなるそうです。 ************************************************************************ テレビでは同じような健康情報を繰り返し放映しているのに、なぜ視聴者は飽きてこないのだろうか。「某テレビ番組でココアが取り上げられたら、翌日スーパーの棚からココアがなくなるほど売れた」というエピソードからすでに5年はたっている。にもかかわらず、依然と健康情報番組は花盛りである。 見えない疾病リスク、自分で知覚できない疾病リスクを身近な食品で解消できるという、一見科学的な情報を提供しているのが昨今の健康情報番組である(ただし、ここでいうリスクはあくまでも番組側により選別されたものにすぎないのだが)。その情報を得た視聴者は、身近な食品を摂取することで自分が科学的にも健康によいことをしているという満足感を得る、あるいはリスクに対する不安感を解消する。それは単なるリスク回避行動ではなく、科学的な健康法を実践すること自体が楽しみの一つとなっている(1)。それに答えて、健康情報番組は次から次へと新たなリスクとそれに対する身近な科学的解消法を提供する。このような連鎖が今の健康情報番組の隆盛を支えている。 健康情報番組の功績(?)の一つは、目に見えないはずの疾病リスクを見えるかのように表現したことだ。そのよい例が「血液サラサラ」という用語である。最近医師の間でもこの「血液サラサラ」という言葉が使われるようになってきたが、その意味するところは人によって異なる。ある人は血栓予防との関連で、ある人はコレステロールとの関連でこの言葉を使用している。 私の調べたところでは、「血液サラサラ」という言葉が一般に使われるようになったのは、MC-FAN(MicroChannel array Flow ANalyzer)という検査機器で得られた画像がテレビ番組で紹介されるようになってかららしい。健康情報番組をしばしば見ている人にはおなじみの、櫛状に並んだ細長い六角形のブロックのスリットを血液が流れる映像、これはMC-FANのから得られたものである。MC-FANは食品総合研究所の菊池祐二氏らにより開発されたもので、これにより血液中の赤血球変形能、白血球粘着能、血小板凝集能などを総合的にしかも直接目で見ることができる(2)。 血液がスリットを流れる様子を見ることで、血液がサラサラなのかドロドロなのか一目瞭然となる。きわめてテレビ向きの機器である。この映像を利用して、テレビ番組は「血液がドロドロ」だとどうしていけないのかを解説し(リスクの提示)、どのような食品を食べると「血液がサラサラ」になるのか、実際に見せてくれる(解決法の提示)。今まで見えなかった、感じることができなかったリスクは、この機器により目に見えるものとなる一方、科学的な裏付けを得たことになる。 人は見えないもの、未知のものに対して不安感を抱く。ところが、たとえ実際に自分で感覚できなくても、数字として示されたり、画像で表されたりすると、ちょっと安心してしまう。「このままの生活では自分の血液がドロドロになってしまう」という不安は血液がサラサラになるという食事を摂ることで解消するかのように感じる。自分の血液はあの番組で紹介されたMC-FANの映像のようにサラサラ流れる血液になったのだと夢想するのだ。 しかし、健康情報番組ではMC-FANの肝心な点が隠蔽されている。MC-FANで測定された血液がどの程度サラサラになればどのような疾病リスクがどの程度低減するのか、実際にはわかっていない。私は、MC-FANに関する論文について文献データベースを調べてみたが、いくつかの基礎的論文しか見つけることはできなかった。 健康情報番組は一般の人にわかりやすいという理由でMC-FANの映像を使ってはいるが、「血液サラサラ」について医学的な共通認識が確立していない。番組に登場する専門家たちはそれぞれ自分の考える「血液サラサラ」を勝手に語っているに過ぎないのである。 ■ 参考文献 ■ 1) 柄本三代子著「健康の語られ方」(青弓社) 2) 微小循環モデル測定装置 KH-3A MCFAN (出典:医師も戸惑う健康情報) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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