揺さぶられっこ症候群はあまり知られていないと思います。
今回の例はまれなケースだと思いますが、首が据わらない赤ちゃんにはより注意深く接しないといけないですね。
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車に長時間乗った乳児に、揺さぶられっこ症候群(SBS)の症状が起きた可能性があることがわかった。乳児は誤って前後を逆向きに取り付けたチャイルドシートに乗せられていた。SBSは激しく揺さぶられて硬膜下出血などを起こした乳幼児が死亡したり、障害が残ったりする虐待の一つ。診察した医師は「赤ちゃんを乗せている時は丁寧な運転とこまめな休憩を」と呼びかけている。
この症例は黒部市民病院(富山県)の上勢(うえせ)敬一郎・小児科医長が4日午後、兵庫県で開かれている国際学術会議で発表した。
SBSの症状が出たのは生後3カ月の女児。激しい吐き気が止まらず、硬膜下血腫や網膜出血があった。症状が出る約2週間前、帰省で車に約8時間乗っていた。
車は車高の高い4輪駆動車で、後ろ向きに取り付けるいす型のチャイルドシートを前向きに設置していた。ブレーキを強く踏むことはあったが、事故にあったりはしていなかった。
同病院で2回にわたって血を抜き、脳圧降下剤を使ったところ症状は改善した。
上勢医長は「子どもの頭を揺さぶるのは危険。首が据わらない6カ月までの赤ちゃんを、チャイルドシートで車に長時間乗せることは避けた方がいい」と話している。
SBSに詳しいキャロル・ジェニー米国ブラウン大学医学部小児科教授によると、山道など極端なでこぼこ道を運転し、その振動が原因でSBSになった実例があるという。ただ今回の報告については「極めてまれな症例と考えられる。過度に心配する必要はないが、赤ちゃんは大人と同じではなく、弱い存在であることは忘れないでほしい」と話している。
伊藤昌弘・都立墨東病院小児科医師も「可能性はあり得るが、普通の道を普通に運転していれば大丈夫」との立場だ。山下裕史朗・久留米大学小児科医師も「セダンタイプの車でチャイルドシートを適正に使い、荒い運転をしなければ心配はないと思う」と話している。
奥山眞紀子国立成育医療センター医師は、SBSの症状があれば、一般的には虐待の可能性を常に考えなくてはならないとした上で「車に乗っていてSBSになったのなら、激しい頭部の揺さぶられがあったはずだ。その状態に気づかなかったことに問題がある」としている。
▼揺さぶられっこ症候群(Shaken Baby Syndrome=SBS)
乳幼児は頭が大きく、首が弱い。激しく暴力的に揺さぶられると脳が動き、脳出血や硬膜下血腫などが起こる。目が見えなくなったり、脳障害が残ったりし、最悪の場合は死亡する。泣きやまない子どもにいらいらした親が肩を前後に強く揺すった時に起こることが多く、虐待の一つとされる。米国では年1000人以上がSBSで死亡している。
(出典:朝日新聞)