カテゴリ:飲み食い
見たくてたまらず、待ちに待った再放送だ。 木村真三さんというひとりの科学技術者が、東電・福島第1原発で起きた炉心溶融のよる周辺地域への影響を調べ、放射能汚染地図という結実を得るまでるようすを追った映像記録である。 事故直後に現地に入った木村さんは、放射能測定器の針が振り切れるような場所で馬の世話をする一家や集会所に寄り集ったまま共同生活をする村人たちと出会いながら、土壌や松葉や茸などを採取していく。 やがて放射能測定の達人である岡野眞治さんも木村さんの調査に参加、公的機関が成し得なかった詳細な放射能汚染地図ができあがる。 調査の合間に出会うひとたちの苦悩と悔しさがよく伝わってくる。 「原発さえなければよかった……」というのが避難者たちに共通することばであり実感なのであった。 調べている途中で京大の今中哲二さんが「現実とは思えない」洩らすシーンが印象的だ。 久しぶりに秀逸なドキュメンタリー作品を見た。 なによりも取材対象者である木村さんの誠実な姿勢に胸打たれる。 今月28日土曜日午後3時から再々放送が予定されているそうだ。 見ていないかたにはお薦めする。 ぼくももう一度見ようと思っている。 番組が終わったのが3時ごろで、それからすぐには眠らなかったのは作品の影響だろう。 赤宇木地区の村人たちが忘れられない。 政府からも県からも何の情報も届かないまま村の集会場で暮らしていた。 木村さんが放射線量が高いことを聞き、移ることにする。 国とか東電とかはいったい何をしているのだ(!)。 夕方、出かける。 数日前に菊池義了くんから連絡があり、吉祥寺で飲み食いすることになっているのだ。 6時すぎのバスで駅に向かったが平日夕刻の交通渋滞に巻き込まれ、菊池くんに遅れそうだとメイルを送った。 でも甲州街道でそんなにひどい目に遭わず、5分ほどの遅刻で済んだ。 吉祥寺駅コンコースの柱のかげで菊池くんが迫田由香さんと話していた。 井の頭公園に面した居酒屋「いせや」に行く。 焼き鳥がうまい、シュウマイも餃子もうまい。 こはだの酢じめもうまい。 ただ、こうしたものをぼくは酒とともにたのしむのではなく、食べながら温かいウーロン茶を飲むだけなのだ。 迫田さんと会うのはいつ以来だろうと考えていたら、彼女も同じことを口にした。 「最後に会ったのはいつだっけ」 「2009年の4月じゃないか?」 そうか、2年間も会っていなかったのか。 元気そうで、相変わらずきらきらと若く(初めて会ったとき彼女は18歳だった)、鋭い観察眼とぶっきらぼうな口ぶりが持ち味。寡黙のようでいてじつは語り得る多くを内部に抱え込んでいる。 ほどなく徳永くんが到着。 飲み屋で会うのは初めてだが、話を聞きたいと思っていたので会えたのがうれしかった。 あっという間に2時間半が過ぎ去ってしまい、午後10時すぎにお開き。 お茶でも飲もうかと思ったが、今夜はやめて菊池くんとふたりで中央線に乗り込んだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.05.21 12:02:27
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