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2011.05.21
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カテゴリ:飲み食い
 この数年のうちに知り合い、話す機会が飛躍的に増え、自宅への行き来が繰り返され、つまるところ家族ぐるみで親友となった人のひとりに大坂間玲子さんがいる。

 看護師が本業だがかなり腕達者のパティシエール(p?tissi?re)でもあり、彼女のつくるケーキはもちろんパンもまことにうまい。さらに、フランス語と華道とヨガに打ち込み、時間をひねり出してはフランスへ行ったりするひとでもある。

 きょうはかみさんともどもこの人の家によばれ、もうひとり大坂間さんのお友だちと4人で晩餐会をもった。
 ぼくがゆっくりとしか歩けないことに始まってなにやかやと時間がかかってしまい、着いたのは夕刻6時半ごろになってしまった。
 しばらく電気を消してある隣の部屋のソファで猫と遊んでいるとほどなく声がかかり、座に着く。
 上の写真は暗い部屋で撮った猫のモモだ。

 まず生春巻きから食べ始めた。
 ぼくは酒をやめたので無念だったが、野菜とサーモンを入れた生春巻きを各自勝手につくってはかぶりつくと、これにはビールが合うなぁと思うのであった。
 サーモンのほかに舞茸と胡瓜と春雨をメインにしめらせた皮を巻き付ける。
 巻くなり、喰う。
 となりに座ったかみさんはいかにもうまそうにビールを飲んでいる。

 テーブルの真ん中にはダッチオーブンがある。
 中身は、一見ラタトゥイユふう。
 深めの皿にたっぷりとって、まずはごしゃごしゃとある野菜類を口に運ぶ。
 わぁ、うまい。

 ぼくには、何種類も入っている野菜のひとつひとつを峻別して記録する能力がないけれど、ベースに玉葱風味が横たわっていることはわかる。
 で、これがもうれつにうまいのだ。
 トマトも入っているのだが、トマト風味よりもはるかに強く玉葱の甘さやら香りやらなめらかな噛み心地やらが風味として漂い、しっかりしたベースをつくっている。

 玉葱は白く形を保っておりこれを噛むのがたのしい。
 じゃがいもは皮付きで、だから粉っぽくくずれることなく、これも半分に切られた形がそのままあるのを口に入れて軽く噛む。
 玉葱風味がにじむスープと熱いじゃがいもが混じり合い、いやぁうまい。 
 こくがありながらあっさりした全体的な味わいは鶏肉ゆえのものだろう。

 ラタトゥイユふうと思ったけれどトマト入り鶏肉シチュウ玉葱風味、と勝手に決めた。
 うまいのでどんどんおかわりをする。

 フランスパンにクリームチーズを塗り、レヴァペーストを乗っけてかじる。
 再び生春巻きを巻き、冷やした緑茶を1杯飲んでからかぶりつく。

 会話は当初、大坂間さんたちが計画している北欧旅行の内容に関するものだった。
 ヘルシンキに行くかもしれないと聞いてむかし1回だけ訪れたときのことを思い出していると、そこからオスロへ行くという。
 時季を聞くと夏至祭(白夜祭り)のすぐあとらしい。

 スカンジナヴィアの白夜は何度か経験した。
 いちばん「らしい」ときは、そのときはストックホルムから加わってくれたスタッフと語り明かし、一晩中起きていたからよく知っているのだが夜中の1時ごろに太陽が沈み、3時半ごろには明るくなり始めた。

 そういえば、仕事が終わり別れるときに彼がくれたボーダー(Boda)の花瓶はこの間の地震で倒れたけれど割れず、きれいに、ある。
 分厚いガラスに2羽の鶴が彫り込まれ、それぞれ伸びやかに上を向いているのは「鳴き合い」のまっ最中なのだろう。
 高さ28センチほど、横幅が16センチぐらいで奥行き6センチといったところか。
 大好きな花瓶だ。

 オスロでは必ずムンク美術館に、という話もした。
 入り口近くにカフェが、といいかけたらお友だちがすでに知っていて入ってみるつもりらしい。

 311のあとからはすべてが以前とはちがい、自分自身の奥底にぽかっと空洞ができたみたいであらゆることにノリが悪いという話もした。
 このことについては毎日のように実感している。
 3週間ほど前だったと思うが、辺見庸さんのインタヴューを偶然テレビで見、鋭いまなざしを放ちながら語る内容につくづく同感したことがあった。
 そのおおよそのことは、辺見庸さんが3月16日付北日本新聞に寄せた「震災緊急特別寄稿」という文章に書かれてある。

 デザートは大坂間さんお手製のアップルパイ。
 いつかmixiに「つくった」と書かれていたのを見て「食べたい」と書き込みをしたことがあったが、それがこのアップルパイだ。

 うまい!
 じつにじつに、うまい。 

 こうして作りたてでいただくアップルパイは、熱いだけでなく底部がかりっとしており、これはお店などでは決して得られない感触だ。
 ヴェトナム土産のコーヒーがまた、しっかりと濃くてうまかった。

 帰り途、駅のエレベーターに乗ろうとしたら誰かが近寄ってきたらしい。
 かみさんが気づき、気づくなり「あらぁ!」と歓声を上げる。
 振り向いたら、何とピアニストの大八木恭子さんがにこにこして立っているではないか。

 手を掴まれ、ぐいと引かれ、エレベーターから出た。
 うれしい偶然だ。

 しばらく立ち話をし、夜遅いのでまた、と手を振り合った。





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最終更新日  2011.05.26 10:53:37
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