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~ Monologue ~  My Life Living in Hong Kong

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Sep 24, 2007
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 「花の回廊 流転の海第五部」 宮本輝 ¥2,100


 「日本の作家で誰が一番好きか?」と聞かれると、戸惑い無く答えるほど好きだ。

 
 個人的な共通点が多い。

 1.老いた父
 宮本輝は父親が57歳で初めてできた息子
 私は父が45歳のときの長男
 ともに、溺愛されて育った

 2.父の職業
 両方とも、一時期大阪で中古車業界で独立する
 もしかすると、互いの父は仕事で出会ったことがあったのかも知れない

 3.小学校
 宮本輝と私の姉は、大阪市立曽根崎小学校の同級生(1年のとき、隣のクラス)
 (姉は彼のことを憶えていたが、彼は忘れていた)

 4.大学
 実は私は、宮本輝の大学の後輩 (関西の3流私大)
 小説「青が散る」の舞台

 5.父の死
 ともに大学時代に亡くす。輝22歳4年生(?)、私20歳3年生

 6.母との二人暮らし
 ともに父の借金を抱えての母との二人暮らし

 7.アルバイト
 ともに大学時代にビリヤード場(俺はプールバー)でバイト
 
 8.無学だが美しく優しく、そして酒を飲む母
 ともに母は再婚
 ともに、母の酒癖に悩まされた

 9.母の癌
 ともに一時期、胃がん。 私の母はのちに肺癌で、輝の母は脳梗塞で亡くなる。


 ほかにも、まだある。
 
 何れにせよ、年老いた父に溺愛され、教育され育ったというところがかなりの共有を憶える。


 
 私は浪人~大学の4年間、阪急北千里駅にある「駸々堂書店」でアルバイトしていた。
 (もちろん、前出のプールバーと掛け持ち)
 その頃、テレビドラマで「青が散る」が連続ドラマで人気だった。
 その書店でも、輝の本のコーナーを作っていた。
 
 何故か、私が初めて読んだ作品は「錦繍」だった。

 それ以来、彼の小説は発刊されるとすぐに読んだ。
 おそらく、全て読んでいると思う。


 さて、この「花の回廊」は「流転の海」という彼の生い立ちをモデルに書かれた小説の第5部だ。
 「流転の海」で誕生した伸仁はこの5部でようやく小学6年生。
 宮本輝が流転の海を書き出したのが35歳だというから、既に25年でようやく11年分だ。
 
 父、熊吾が亡くなるまで、あと11年。
 完成まで、あと25年かかるのだろうか...


 一昨日(3連休初日)の夜に読み出して、読み終えたのは朝だった。


 我が父の愛、我が母の愛、我が姉の愛、それらを感じながら一気に読んだ。

 彼の作品で好きなのは、どの作品でも登場人物が人間的に素晴らしい。

 与えられた状況が困難であろうとも、根底に愛というか優しさというか...
 
 生命に美しさを持つ人々が登場する。 必ず、乗り越えようとする。

 読み終えた後の余韻が、温かい。

 

 ま、お陰で、睡眠時間がムチャクチャになってしまい...
 
 今も修正できず...

 明日(今朝?)は8時過ぎから会議だというのに、困った...



 「錦繍」
 
「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした」運命的な事件ゆえ愛し合いながらも離婚した二人が、紅葉に染まる蔵王で十年の歳月を隔て再会した。そして、女は男に宛てて一通の手紙を書き綴る―。往復書簡が、それぞれの孤独を生きてきた男女の過去を埋め織りなす、愛と再生のロマン。

 「青が散る」
  
燎平は、新設大学の一期生として、テニス部の創立に参加する。炎天下でのコートづくり、部員同士の友情と敵意、勝利への貪婪な欲望と「王道」、そして夏子との運命的な出会い―。青春の光あふれる鮮やかさ、荒々しいほどの野心、そして戸惑いと切なさを、白球を追う若者たちの群像に描いた宮本輝の代表作。
退部を賭けたポンクと燎平の試合は、三時間四十分の死闘となった。勝ち進む者の誇りと孤独、コートから去って行く者の悲しみ。若さゆえのひたむきで無謀な賭けに運命を翻弄されながらも、自らの道を懸命に切り開いていこうとする男女たち。「青春」という一度だけの時間の崇高さと残酷さを描き切った永遠の名作。





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Last updated  Oct 1, 2007 01:47:02 AM
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