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テーマ:★キャンプの話★(529)
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もはやカーナビと私たちの信頼関係はゼロだった。 ナビは誘導したのは、キャンプ場でなく民家の集落だった。 多分、キャンプ場に登録されている番号は管理人の家の番号なのだろう。 私たちは唖然とし、舌打ちするようにさらに山を登った。 でも一向に辿りつかない。 仕方なく、先ほどの民家にもどり、庭先で作業していたおばあさんに キャンプ場の場所を聞いた。 聞いたけど「そこの道を右に行って数百メータ先を右」と言われても 目印が分からず、やっぱり辿りつけなかった。 そしてウロウロすること30分。 ようやくキャンプ場を見つけた。 しかし唖然とした。 キャンプ場の駐車場へ行くのに川にかかる橋を渡るのだが この橋と川までの距離が近く、もしハンドル切り損ねたらアウト。 数日前の大雨の影響で川の水も増し、勢いもある。 私は降りてビビりながら車を誘導。 なんとか着いた。 管理人のおじさんはとても親切でおしゃべりな方だった。 セイイチローは早速おじさんに昆虫のことを訪ね、 たくさんクワガタやカブトムシが獲れると聞いて大喜びしていた。 ふと見ると、私が、先月デザイン制作に関わった「asolulu」という情報誌が 置いてあった。おお、ここにもあったか。それくらいの感動だった。 デザイナーも15年もすれば、最初の時のような感動は薄れる。 まあ、全部自分でデザインしたのではなくチームでやったからだろうか。 でも、どっちにしろ、あまり良い傾向ではないなと思った。 しばらくすると小雨が降ってきた。 管理人のおじさんが、快くレストランのコテージを貸してくれたので そこで持参したお弁当を食べた。 福岡の猛暑を忘れるくらいの自然の涼しさは、不器用に握られた私の おにぎりですら美味しく感じさせてくれた。 雨はさらに激しく降ってきた。 晴れ男のセイイチローや、彼の力作のてるてる坊主の効果も もはやここまでなのか。 山の天気は変わりやすいからしばらく雨宿りして様子をうかがった。 その間の時間を使って昆虫採集のしかけを作った。 ストッキングネットとバナナと昆虫蜜。 そのしかけを3人で車の中で作った。 そして、雨が止みかけたのでコナラの雑木林にしかけてきた。 セイイチローはワクワクしていた。 彼はキャンプがどうであれ、クワガタやカブトさえ取れれば 100点なのだろう。 それでもチェックインまで時間があるので 周辺を散策することにした。どうやら川の上流に「河童滝」という 名所があるらしい。それを見ずに帰るのはもったいないので 勢いのある川を横目に細い道を登って行った。 道は途中で川と合流していた。 でも浅いのでビーチサンダルでジャブジャブ登って行った。 途中で「出会いの滝」という名所があった。 滝と滝が合流していた。 通常の姿 「落差は2m程?「滝」というほどの物ではないです」と あるブロガーの方はそう書かれていた。 しかし私たちが目にした姿はこれ どれだけ数日前の大雨が影響したかよくわかる。 呑みこまれそうだ。 また、途中で県名を小石で飾った岩の階段があった。 石川県、三重県。。どうやら全国ありそうだった。 意味は分からないが面白いので 写真に収めたかったが、先を急ぐ旦那に怒られそうだったので 我慢した。しかし、河童滝の画像をとりたくて持ってきたi-phoneが 邪魔で仕方ない。 しかも貴重品まで入れた小さな手提げまで もってきていたので、もし川に落としてしまえば うちの財産とともに流れてしまうだろう。 そんな危険を冒してまでも見る勝ちのある滝なのか。 私は迷いながら、川の上流をどんどん登って行った。 途中途中で、旦那は何度も私を振り返り、手を差し伸べてきた。 ああ、10年たっても愛されているのねと思いきや 彼が放った言葉は 「なんでバック持ってきた?危ない、気になってしょうがないやろう」 どうやら、気になったのは私ではなくi-phoneという名の 近代的電子機器と財布のようだった。 やっとの思いで上流についた。途中、何度も雷がゴロゴロ鳴った。 いつ雨が降ってきてもおかしくないその状況はまさしくギャンブル。 おまけに、最終目的の河童滝まできたというのに 橋がかかってない。管理人に後で聞いた話だが数日前の大雨で 橋は流されていたらしい。 川はところどころ深かった。旦那はどうにかして渡ろうとしていた。 セイイチローも行く気マンマンだった。 私だけが怖がって、というより私はどうにかなるけど セイイチローが流されたら怖いので渡るのを反対した。 そんなに行きたいなら、「一人で行ってきて。」 旦那はためらいもなく、一人川をジャブジャブ渡り 緑の木々の中へ消えていった。 まるで三途の川だな。。そう思った。 しかし、ここで勇気を出さなければ一生後悔する気がした。 このシチュエーションはまるで私の人生ではないか。 これまで勇気がなくいくつのチャンスを逃してきただろう。 セイイチローはすごく行きたがっている。 どうにか方法を考えたがやはりこの川を渡るしかないようだ。 旦那が戻ってきた。 「もの凄かった!!」 この一言で私の脳裏にロッキーのテーマが流れてきた。 行け、行くべきだ。 セイイチロウの手を引き、旦那に渡した。 しかし、あっさりとセイイチロウは渡っていった。 あれ?今までの悩みは何? そう思うほど川はあっさりと渡れた。 緑の木々を渡るとそこは天国そのものだった。 通常はもっと穏やかな滝らしいが 私たちが目にした滝はすごい勢いで流れ落ち マイナスイオン(死語?)に溢れていた。 河童滝・通常の姿 私たちがみた河童滝 雷が鳴り響く空の下、私たちはしばらく見とれていた。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 29, 2012 09:56:54 AM
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