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日山協主催の第20回海外登山女性懇談会が、代々木のオリンピック記念青少年センターで行なわれ、70~80名の参加者があった。 講演者は渡辺玉枝さん、遠藤由加さん、小松由佳さんの3名だった。私もいそいそと出かけた。
![]() 渡辺さんは4年前に63歳でエベレストへ登頂したが、その他にもマッキンリー、ワスカランのほか、チョーユー、ダウラギリ1峰、ガッシャブルム2峰、ローツエなどの8000m峰にも登頂している。遠征は100%成功させてきたとの由。運も実力のうちで、渡辺さんは相当な実力の持ち主なのだろう(と、わが身を省みて思う)。たんたんとしているが、地道さな骨太さが伝わってくる。体力的にも、精神的にも強い人だ。もっと自慢げに話しても良いのに。謙虚でおごりのない話しぶりに人柄が表れていた。 ![]() 遠藤由加さんは現在大阪在住とのことで、講演のために上京。大きな山は10年前のチョーユー以後登っていず、"もう自分はヒマラヤへ戻らないだろう"とのこと。"遠藤由加は終わった"と、人から言われることがあるらしい。しかし、フリークライミング一筋に燃え、コンペに出ているとの由。私が1994年末にアコンカグアのBCで遭遇したときは、南壁の偵察もあったはずだが、結局やらずに終わっているらしい。"フリークライミングでは死なない。ヒマラヤでは死ぬ"と、端的に表現したが、要はフリーのために指を無くしてはならないということらしい。スライドも使わずに、勢いそのままに一気に語ったと言う感じ。自分で、"40歳で年だ"というが、率直で、少年のように若い。情熱の熱さか。 ![]() 小松由佳さんは2年前の同会でも講演をしたが、一段と成長した感じだった。この夏、女性として8人目に登頂したK2の登頂の模様が多くのスライドで示され、時間のたつのを忘れた。下山時、8200m地点でのビバークはかなり危険であり、悪天候につかまらず下山できたことは幸運だったといえるだろう。難波康子さんとの違いだ。23歳とは思えない落ち着きがあり、正々堂々と自己を表現し、優れた言語能力を示す話の内容には哲学的なものも含んでいた。たとえば、"昨年の夏、スランプでうつ病のようになっていた時期があるが、結局は山を通してわかったことは、自分がいろいろな人に支えられて生かされているし、自分も自分の知らないところで人を生かしているのだろう"ということなど。最後に、"山の高さや名前や、人からの評価はどうでもよく、好きな山登りを続けて生きたい"という決意を述べるとともに、より困難な登山を目指す方向を示唆した。まだまだ若い。すくすくと成長してほしい逸材だ。 三者三様ながら、大変、興味深く、示唆されることの多い講演会だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.12.11 19:03:11
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