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2016年10月06日
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1945年6月19日の看護隊解散後,壕を出て,国頭に脱出を図ったが,砲撃の中,負傷した喜舎場敏子は,アダンの影に横たわるしかなかった。仲宗根政善(1983)「ひめゆりの塔をめぐる人々の手記」角川文庫

渡嘉敷島では米軍の上陸に際し594人が死亡したが、住民の約半数の368名は集団自決であった。

中島みゆきが唄う、「阿檀の木の下で」という歌がある。
♪「波のかなたから流れて来るのは 私の知らない貝殻ばかり 波のかなたから流れて来るのは 私の知らない寿歌ばかり 遠い昔のあの日からこの島に人はいない みんなみんな阿檀の木になった 波のかなたから流れて来るのは 私の知らない国歌ばかり」

沖縄の海岸地帯一帯に自生するアダン(阿檀)は、高さ3mほどの密集した群落を作る常緑の小高木である。
太い枝が横に展開し枝から支柱根(気根)を垂らして地中に入り込むので、木が安定し台風の強風にも耐える。

戦火に追われて多くの人はガマに逃げ込んで火炎放射や銃撃で、あるいは穴の中で自決した。
手記にもあるように、気根の密生したアダンの林の中に隠れて生き延びた一部の人がいる。

葉の着き方や形は、ユッカランのそれに似ている。
アダンの葉の辺縁部や主脈には、鋭い棘がある。その刺は主脈の先近くでは先端へ、根本近くでは下を向き、中間では上下交互に並んいるため、どちら向きにも刺さる不思議な形で生えている。

気根が密生し刺が生えた大振りの葉でうす暗いアダンの林の奥に潜り込めば、外からは人が潜んでいることを察知し難い。

しかし戦争と言う異常事態でさえなければ、この中に潜り込もうと試みる人はいない。

アダンは雌雄異株で夏季に雄株は約20cm房状の、雌株は球状で小型の花を着ける。
結実すると、径15~20cmのパイナップルに似た集合果を着ける。

アダンの果実を見たことが無い人は、よくパイナップルと間違える。

個々の果実は長さ5cm幅 4cmほどの倒卵形をしていて緑だが、熟すと黄色に変わって甘い芳香を発するのもパイナップルに似ている。

果実は一見美味しそうに見えるが実は硬い繊維質に包まれていて、可食部を取り出すには手間がかかり量も僅かで味もあまり良くないため食べるには適さない。

現在アダンの利用は殆どなくなったが、昔はアダンの果実でアンダンスー(アンダは油、ミスーは味噌)を作り、葉は煮て乾燥させパナマ帽等のまた細く裂いて筵やカゴを編む糸として利用されていた。

早朝誰もいない波静かなビーチを散歩する時アダンやその茂みに、ふと戦争の悲しい出来事やかつて生活の一部にも利用されていたという匂いを感じて感慨深い。





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最終更新日  2016年10月06日 08時40分18秒


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