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![]() 残った一株 ![]() 一粒も実が無くなった 日本人は古来より、何処の国の人よりも語呂合わせの好きな民族ではないかとつくづく思う。 例えば金にまつわる縁起の良いものとして赤い実のなる植物に、「万両・千両・百両・十両・一両」の名前を付けこれらをめでたい植物だとする。 縁起を担いで特に千両と万両・一両の三種を組み合わせ、これらを植えておくと「いつでも金が有る」ようになると言われ「千両万両有り通し」と洒落た。 別名クササンゴとも呼ばれる千両の元の名前は仙蓼で、樹高は1mを超える。 万両と並んで正月飾りに欠かせない縁起木のひとつで、緑の葉と冬に色づく赤や黄色の実が美しい。 語呂合わせだが葉がタチバナに似ているところから付けられた唐橘(カラタチバナ)が中国で百両金と呼ばれていたことが元になって、万両・千両・百両・十両それぞれの名前の基準になったとされている。 実を2~3個しかつけないヤブコウジは百両より劣るので「十両」とされ、刺があって蟻も突き刺す意味から付いたアリドウシは十両より更に少ない実しか着けないので一両とし、5~10個と実の数が多いセンリョウ(仙蓼)に、「千両」の名前を付けたとされる。 またマンリョウは横に伸ばした果柄の先に垂れ下がって着いた沢山の実の色が、深紅色で輝きがあって千両より勝るとして「万両」の名が当てられた。 万両・百両・十両はヤブコウジ科、千両はセンリョウ科、一両はアカネ科である。 千両は6月終わりから7月初めに、全く目立たない地味な花を咲かせる。 花が終わって5か月もすると冬枯れた庭の隅に赤い小粒な実が自己主張をし始め、振り向きもしなかった人の目にも入るようになりやがて小鳥までもが狙う様になる。 センリョウは地際からたくさんの枝をだして株立ちになり、ほとんど枝分かれせずまっすぐ伸びていく。 殖やすには5~6月ころに挿し木すれば、簡単に根が出る。 また熟した実の果肉を除いて採り播きあるいは、乾燥しないようにミズゴケで包んでおいてソメイヨシノの咲く頃に播けば殆ど発芽する。 どちらも、3年ほどで実を付けるようになる。 刺を持つアリドウシの他は庭木の下に植えられており、センリョウヤマンリョウは鳥が落とした糞とともに庭中に広がり隣近所の庭にまで勢力を伸ばしている。 例年12月下旬になるとヒヨドリやメジロが集まってきて、食べ始めるが食欲旺盛な小鳥によって数日で緑の葉一色になってしまう。 ところが今年は初めて千両の赤く色付く前の実を食べに、連日10数羽のメジロが周回して来ていた。 径2mにも広がったセンリョウの大きな株が5か所あるのだが、10月下旬には一か所を除いて実が全くなくなってしまった。 こんなことは50年もの間、かつて一度も無かった。 毎年正月飾りの花として庭のセンリョウを利用してきたのだが、今年は実が残っているか少し心配である。 残った一株の漸く赤くなり始めた実を、はたして後一か月の間メジロは食べないで我慢して残してくれるだろうか。 花言葉 可憐 富貴 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年11月04日 10時58分04秒
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