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![]() K氏撮影 ![]() Sホテルの部屋から ご来光とも言われる日の出は、何処で見ても荘厳な気持ちにさせられる。特に高山などでは、太陽が姿を表す瞬間をしばしば拍手で迎えることがあるし、両手を合わせて祈りの姿勢をとる人もある。 これが日没の場合それを見るために、多くの人が一か所に集まって拍手で送る場面を見たことはない。 日の出は「地上で見て、太陽の上縁が東の地平線に接すること。」と定義されている。 天体観測で直接観測される太陽の位置は地球大気の屈折によって、真の位置よりもわずかに高度が高くなっている。 この差の角度を大気差といい大気差は天頂において0、高度が低くなるほど大きくなって地平線では最大の34.4′となる。 大気差のため太陽の位置は角度で約35′となり実際より上に見えるため,東京では実際の日の出より4~5分早いことになる。 出るの反対は入るだから日の出の反対語は日の入りと思いたくなるが、気象用語としては同じ意味の日没を使うのが正しい。 現代は24時間で物事を考えるが、明治以前は日の出・日没などを基準とした時間を表す言葉があった。 日の出前の明るくなった時間は「明け六つ」、日没後のうす暗くなった時間を「暮れ六つ」のように不定時法で表わしていた。 明け六つに限って言えば日の出前後のまだ薄暗いころは暁といい、東の空が少し明るむのが東雲、夜がほのぼの明け始めるのが曙、空がほのかに明るくなった頃を朝朗(あさぼらけ)という言葉で表わした。 これを時間的に見ると日の出30分前ころが暁で、その5分後が東雲。東雲から10分後が曙。日の出5分前が、朝朗である。 奈良時代までは「あかとき」といい、平安時代以降になると「あかつき」と呼ばれるようになったとされる。 昔は夜を宵・夜中・暁に3分していたので、夜中過ぎから夜明け近くが暁であった。 「朝ぼらけ」は「朝おぼろあけ」から転じた言葉で、朧(うっすら・ぼんやり)に明けて行く朝を表している。 前橋市の11月6日の日の出は6時12分だがほぼ一日1分の割合で遅くなり、2017年1月3日から9日が6時56分となり一年で最も遅い日の出となる。 1月10日からは、逆に一日1分の割で早くなっていき、6月9日から17日が最も早く4時25分が日の出となる。 11月5日に、前橋市の11階建てのSホテルに泊まった。ホテルの11階の部屋からは前方に山や高い建物など眺望を遮るものが無く、まるで地平線の彼方まで見通せるような感じである。 6日は、この秋一番とされるほど冷え込んだ。 いつもの習慣で5時前から起きて所在なさに窓から外を眺めていると、冷気の感じられる朝5時55分頃から東の空が白み始めてきた。 やがて6時5分頃から茜色に染まった空は、日の出とともに濃い赤色に燃え6分ほどで急速に色褪せて青色が増していった。 海や山の日の出は何回も見たことがあるが、都会のほぼ地平線の彼方に昇る日のでは初めての経験であった。 ホテルの11階の窓から見下ろす晩秋の日の出は、空を真っ赤に染めて誠に美しかった。 南アルプスの麓の山荘から見る太陽は、標高2200mを超える瑞牆山や甲武信ケ岳の上から昇る。 二階建ての自宅からは近隣のビルやマンションが邪魔をして、赤い太陽を見ることはできない。 一緒に泊まった学友はいつも沖縄今帰仁の乙羽岳中腹にある山荘から海の日の出を見ているが、関東平野に昇る真っ赤な太陽は荘厳で神々しいと語っていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年11月14日 12時32分43秒
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