|
カテゴリ:小説・日本
今期、私が一番好きなアニメの『狼と香辛料』、その6巻までを一気に読みましたので、感想です。
画像は私が好きな1巻と3巻です。 狼と香辛料 1~7巻セット(メディアワークス) 7巻が出てたのね、明日買ってこなくちゃだわ。 (楽天ブックスさんは売り切れでした) 実はこれを一気に読んで酷い肩こりになってしまい、ブログをお休みしちゃった訳です。 それ位に面白いです。 余り詳しくは書きませんが、内容に触れてます。 アニメはまだ2巻のサワリ部分ですので、先の話は知らないほうが良いと言う方は、お読みにならないほうが良いかもです。 行商人のロレンスが、とある町で賢狼・ホロと出会い、彼女を連れて北の町まで行く、その旅の物語です。 やっぱりホロとロレンスのやりとりが最高に楽しくて、可愛らしい。 初期は可愛いのはロレンスなんですよ。 もうホロに良いようにあしらわれている。 巻が進んでいくと、ロレンスに大分頼りがいが出てきて、そのせいか、ホロの方が少女のように可愛らしくなってくる。 この小説はその二人のやりとりだけで、充分楽しめます。 アニメは麦の穂が揺れる欧州かなと思われる国の田舎を見事に描いていましたが、文章ではそう言う描写が特に優れてるわけではないです。 なのであの映像はアニメスタッフさんの功労だと思う。 特筆すべきは商売の話が展開されてることでしょう、やっぱり。 これがスリリングで読んでて楽しいです。 ただ商売の話にしろ、心情表現にしろ、説明が分かり辛い文章がありました。 私がおバカなだけかも知れませんが・・・。 1巻はホロとロレンスの出会い、そして銀貨の取引を巡る話。 2巻はロレンスが仕入れた武具が大暴落、ロレンスは破産か?の事態に。 それでロレンスは金の密輸をもくろむ・・・と言う話。 3巻は石の取引での相場をにらんでの駆け引き。 そしてホロにプロポーズする男が現れて・・・と言う話。 ここまでは文句なく面白かったです。 もう夢中になって読みました。 1巻はデビュー作という事で内容が詰まってますし、『狼と香辛料』の面白いエッセンスがちゃんと確立されてます。 3巻はライバル登場でロレンス大慌て、とホントに萌えられる楽しさです。 この巻に出てくるキャラも好きです。 問題はこれ以降なんですよね。 先ず4巻、訪れた小麦の産地の村と、そこを支配しようとする別の町と教会との争いにホロとロレンスが巻き込まれる話です。 シリーズが長くなってくると、その中で一冊や二冊は「これはちょっと」と思うものが出てるんですが、その程度の許容範囲内ではあります。 前3巻がとにかく面白いので、ハードル高くなっちゃってる面もあるし。 商売の話にスリリングさがないんですね。 そして4巻ではホロもロレンスも旅の終わりの先を考え始めます。 さて、5巻、6巻。 この二冊がどうも・・・。 5巻は毛皮取引をめぐり、町で出会った男装の商人と共に奇策を企む話。 私は、女を借金の質草にする男は、如何様な理由があろうとも嫌いなんですよ。 ロレンスは商売に自信があるから借金は絶対返せると思ってますが、そんなものは当てにならないのは今まででも分かっているはず。 ホロは自分から進んで質草になってますし、いざとなれば大きな狼の姿に戻って逃げられますけど、それとこれとは別問題。 ロレンスの男としての資質の問題ですね。 ま、商売人である方を取ったと言うことでしょうか。 だからこの巻はどうしても好きになれないです。 もう一つ、前巻に出てきた二人の関係をどうしようかと言う問題が、また持ち上がっている。 これが実は6巻にまで続いてて、悩む→旅を続ける→悩む→旅を止めようと決める→やっぱり旅を続ける→悩む・・・とループしてまして、まーたその話かい、と思ってしまう。 一応、各巻で出した結論とは違う理由で悩んではいる訳ですが、マンネリ感はぬぐえません。 6巻はさしたるエピソードもなく、川下りの旅の話です。 てこ入れでしょうか、新しいキャラで少年が登場して、二人と一緒に旅を続けることになりました。 夜に酒を飲みながら、船の同乗者たちと浮かれて、ホロが踊ったりするシーンは読んでても楽しいです。 ただこの内容で一冊の長さにする必要があったかな、と。 これに商売のエピソードも加えて、内容の濃いものになっていれば、新しい展開へのターニングポイントとして面白い巻になったんじゃないかと思うので、残念です。 シリーズを長く続けるつもりなら、北の町への旅での、途中の町や村、そこでの出来事を書いていくのが良いと思うんですよ。 この小説の特色である商売の話なら尚良い。 でもそれってアイディアが必要で、大変な事なんでしょうね。 なのでそれがないなら、余りシリーズを長く続けないほうが良いかも、と思いました。 4~6巻も一気に読めますし、そういう点では楽しめます。 でもこれが『狼と香辛料』と言うものが欠けてしまったら、ただのベタベタカップルのラブラブ話のライノベで、ありきたりなライノベと何にも変わらなくなってしまう。 ここらが本当にターニングポイントかな、と思いました。 とりあえず明日、7巻を買って読んでみます。 新しい展開で、またワクワクするような物語になっていることを期待してます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[小説・日本] カテゴリの最新記事
|