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カテゴリ:政治
蓮舫民進党代表の二重国籍問題がまた世間を騒がせている。
去年発覚したときから自分はわかりにくい話だと思っていたので、 あまり深く興味を持てなかった(笑)。 まず参議院議員選挙に立候補できる条件として、公職選挙法には 「日本国民で年齢満30歳以上の者」と規定されている。 要するに、日本国籍を持っている30歳以上の人間なら誰でも立候補できるわけだ。 蓮舫議員は2004年7月の選挙に立候補する際、 戸籍を提示して日本国籍を持っていることを証明しているらしいので、 日本国民であることは間違いない。 問題は、日本人であると同時に台湾人(日本は台湾を国家と認めていないので 正確には中国人)である人物が国会議員になっていいのかという点にある。 根本的に日本政府は、一人の人間が、日本国籍を持っていながら 同時に他国の国籍も持っていること、つまり二重国籍を認めていないからである。 細かいルールの話になるが、1984年の国籍法改正により、 20歳になる前に二重国籍の状態になった場合は22歳になるまでの間に、 20歳になった後に二重国籍となった場合は二重になった時点から2年以内に 「国籍の選択をするべき」と定められた。 ところが、国籍の選択をしなくても取り立てて罰則は無い。 「法務大臣から催告を受け、場合によって日本国籍を失う可能性がある」と 規定されているようだが、現在までのところ法務大臣が催告をした例は皆無だという。 このため、現在の日本には二重国籍者が40~50万人いると言われている。 現に、蓮舫氏はタレント時代に自分が二重国籍であることを「売り」にしていたらしい。 それが本当なら、その当時は確信犯的な二重国籍者だったわけだ(笑)。 去年の9月に国籍問題が発覚し、蓮舫氏は10月になってようやく選択宣言をしている。 1989年11月に22歳になっているから、法的な期限を27年近く過ぎてから 国籍の選択をしたことになる。蓮舫氏に批判的な勢力からは、 国民の信頼を裏切ることにつながるのではないかと攻撃されている。 もっとも、二重国籍者が選挙に立候補すること自体には公職選挙法の規制は無く、 国務大臣や内閣総理大臣になることにも規制は無いらしい。 つまり、あくまでも野党第1党の代表としての、倫理的な問題ということになるのだろう。 ところが、反体制派の朝日新聞や知識人(山口二郎氏や香山リカ氏など)が 「戸籍の開示を迫ることは人権侵害や差別主義につながる」と主張しているので 話がなおさらややこしくなっている(笑)。 香山リカ氏のTwitterのセリフによると、 ◆蓮舫さんに戸籍を出させようとしている人たちは、 ◆自分たちと少しでも異なるものを差別し排除しようとする衣を着て、 ◆他者を踏みつけ屈服させる支配欲の靴を履いている。 ◆そうやって「すごい日本とすごい私」の幻想を保たなければ、 ◆国も自分も衰えゆく恐怖に耐えらないのだ。 ということになる。 どうも自分にはピンと来ない。 というより、なぜそういう論理になるのかが理解できない(笑)。 倫理的な問題と言っても、蓮舫氏が国籍法を遵守してこなかったのは事実である。 普通に考えれば27年間違法状態にあったということになるはずだ。 法務大臣が違法状態を放置していたとしても、それに甘えていた人物が 野党第1党の党首になってよかったのかという点が今問われているわけである。 このように考えてくると、私個人としては 蓮舫氏は民進党代表には相応しくない人物であるという気がする。 だが、その辺は人によって感じ方が違ってくるところなのだろう。 いずれにしろ、わかりにくさの原因はわかった(笑)。 日本では二重国籍が(おそらく)違法であるのに放置されていること。 公職選挙法には二重国籍者に関する被選挙権の規定が無いこと。 公人の戸籍の開示を人権侵害や差別主義に結びつける人達が存在すること。 これらが蓮舫氏の国籍問題をかなりわかりにくくしている主な原因のようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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>日本では二重国籍が(おそらく)違法であるのに放置されていること。
>公職選挙法には二重国籍者に関する被選挙権の規定が無いこと。 >公人の戸籍の開示を人権侵害や差別主義に結びつける人達が存在すること。 >これらが蓮舫氏の国籍問題をかなりわかりにくくしている主な原因のようだ。 複雑そうな話は論理の字面を額面通りの受け取り云々しないで「そのこころ」を考えればシンプルな答えが出ると私は思っています。 日本以外の国で2重国籍を持つ人物を国の要職に就けないのは自国の国益に不利になる活動をさせないためであろうと思います。もっと言えば自国の国益のリスクを回避するため。 そう考えれば蓮舫氏の2重国籍問題は日本国の国益のリスクとなることは彼女の発言を見れば明確であると思います。 (2017年07月21日 09時13分30秒)
笑む3さん、いつもありがとうございます。
そうなんですよね。 私は文中では触れませんでしたが、 「二重国籍者が政治家である場合、 もう一つの祖国のために行動する可能性があり、 その場合は日本の国益を損なう結果につながるのではないか」 と心配する人達がいますね。 一言で言うとスパイ行為が起こる可能性があると。 そういう声が大きく聞こえてこないのは、 日本がやはり平和ボケしているからなんでしょう。 「国を守る」という意識が他の国と比べて非常に低いと言わざるを得ません。 (2017年07月21日 20時01分02秒)
yosshhyさんへ
>日本がやはり平和ボケしているからなんでしょう。 >「国を守る」という意識が他の国と比べて非常に低いと言わざるを得ません。 この日本の体質が隣国の従軍慰安婦問題にいつまでも引きづられたり、中国の領海侵犯を許していたり、沖縄問題を解決できないでいる原因になっていると思います。問題なのは従軍慰安婦や領海侵犯ではなく戦争なのです。戦争が諸悪の根源なのです。 (2017年07月22日 10時20分24秒)
笑む3さん、こんにちは。
全く同感です。 72年前に終わった戦争が未だに我々日本人を苦しめているわけですね。 さらに、小学校の時代から「自虐史観」とも言われる歴史観を 刷り込まれている我々は、慰安婦問題や領海侵犯に対して 「いつまで引っ張るつもりなんだ」と強い態度で出られない。 この状態から抜け出すのにいったい何十年かかるのか、想像も付きません。 (2017年07月22日 13時03分14秒) |