小泉進次郎、吠える
小泉進次郎衆議院議員は言わずと知れた自民党の筆頭副幹事長である。つまり、幹事長の次に責任の重いポストということになる。ただ、彼の名前を聞くと、やはり最初に思い浮かべるのは農政改革だろう。残念ながら全農に対する考え方などにおいては自分の主張がすんなり通ることは無かったが、とりあえず暴れ回ったという印象はある。自民党の農林部会長を退任するに当たって後釜の野村哲郎参院議員に引き継ぎをする際、自分の実績を思い切り書き綴った書面を渡したことが少し話題になった(笑)。その筆頭副幹事長が昨日安倍総理の発言に噛みついた。教育無償化や待機児童解消を目標に、政府は2兆円規模の大型対策を年内にまとめる予定になっている。だが、いつものことだがその財源が苦しい。消費税増税分から1兆7,000億円を充てても、まだ3,000億円足りない。そこで安倍総理が、10月27日に「人生100年時代構想会議」で産業界にその負担を求めたのである。それに対し、小泉氏は次のように批判している。「そもそも論から言えば、人生100年時代のことも、 これ、党が、わたしたちがやってきたことですから、出発は党なんですよ。 だけど、こうやって3,000億の話とかは、全く党抜きで話が進みますから。 これはね、意思決定のあり方としてはおかしい」「党はなんにも聞いていないですからね。全く党内で議論していないですから。 このままだったら、自民党は必要ないですよ」農林部会長時代ならばここまでは言わなかったと思う。筆頭副幹事長という重責を担っているから「言わなければならない」と判断したのだろう。小泉純一郎の息子らしい、歯切れの良い発言だと感じる(笑)。自民党にとっては、氏は未だに最高のスター議員であるに違いない。はねっ返り的な発言をしても、懲罰の話などは持ち上がらないわけだ。おそらく、小泉氏自身も「どこまで言ったら本気で叱られるのか」という限度を探っているのではないかと思う(笑)。ただ、あまりに反安倍的な発言をしていると、大臣のポストは回ってこない。彼には戦後初の40代での首相就任を期待しているのだが、いつの間にか36歳だ。ポスト安倍のポスト辺りを狙うのなら、そろそろ大臣になっておきたいところである。もっとも、出世が狙いならもっと早くから安倍べったりになっていたはずだ。今のところはまだそんな欲望も無いのかもしれない。吠えられるうちに吠えておく。これもまた、政治家としての箔を付けるためには有効な手段なのだろう(笑)。次の内閣改造辺りで大臣の椅子が回ってくるのかどうか、少しだけ注目して見ていたいと思う。