白土三平さん逝く
劇画界の重鎮白戸三平さんが亡くなりました。弟さんも兄の後を追うように4日後に亡くなったそうです。子供のころ貸本屋で「忍者武芸帖」を借りて夢中で読んだものでした。忍者影丸は日陰の存在の忍者に新たな視点でスポットを当て、武士をもしのぐ戦闘力をリアルに描いて今までの概念を取り払った作品でした。史実とフィクションが巧みに交錯し子供も大人も楽しめる作品でした。実在の人物で印象的だったのは居合斬りの名手林崎甚助や上泉信綱、柳生宗厳などの剣豪で忍術と武芸の迫力に夢中でした。 のちに「カムイ伝」では武士、農民、非人との階級差別の非道さを取り上げ、かつてないほどの多種多様な登場人物を描ききっていました。50人を超える人物の一人ひとりのキャラクター設定が素晴らしい群像劇を漫画というジャンルで見事に表現した稀有な存在でした。白土三平さんの忍者漫画はリアリティがあり当時の少年たちがあこがれて真似したものでした。社会主義的イデオロギーとエンターテイメントが融合して重厚な長編を数多く生み出した白土さんのご冥福をお祈りします。【中古】 カムイ伝 1 / 白土 三平 / 小学館 [単行本]【宅配便出荷】