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私は空が好きだ。
空を見上げるのが好きだ。 空の色、雲の形、太陽の光、果てのない視界。 刻一刻と色を変える朝焼けや夕焼けは、いつまでも見飽きることがない。 どの季節も良いけれど、特に秋の高い空が好きだ。 ブラシで一刷けしたような絹雲が出るから。 それは風が空に作り出す芸術である。 私はそんな空を見上げるたびに、この地上のことをしばらくの間忘れる。 どんなに辛いことや悲しいことがあっても、空を見上げるとしばらく心は地上を離れる。 まるで魂が故郷を懐かしんでさまよっているように。 高校生の頃はそれが特にひどかった。 誰かに呼ばれても、しばらくは気がつかないこともよくあった。 一日中空を見上げて過ごしたい、とよく思った。 そんなこと、やろうと思えばいつだってできるはずなのに、結局一度もしたことがない。 今日、電車の窓から、しばらくぶりに空を見上げた。 光が空に溢れていた。 それだけで、私の心は少しあたたかくなった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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