上映前に、舞台にあったグランドピアノ、何かな? と思いつつ、司会進行役の映画評論家(名前失念)が最初に登壇、次に劇中の家族の一人、今は中一、撮影当時は小学六年生だった少年と、高尾奏之介という、1995年生まれ、ピアノコンクールで全国一位になった少年、ラストシーンで、「月の光」を演奏する役柄の少年、三名が登壇。 僅かな会話の後、高尾奏之介が、二曲ピアノ演奏。 流石、全国コンクールで一位を獲っただけの腕前、少年ながら、見事な演奏でした。
演奏終了後は15分の休憩時間の後、本編上映開始。
監督は、ホラー映画の黒沢清、彼は勿論日本人ですけど、彼の制作したこの映画に関しては、外国人が描いた日本の世界観と言うべき、香りを感じました。 それが、カンヌ国際映画祭 「ある視点」部門 審査員賞を受賞した、理由の一つかも知れません。 観ていて、「これは外国人、特にヨーロッパ圏では受けるだろう」と感じたり。 日本を舞台にしていながら、何か、違和感を感じるのです。
ある平凡な家庭の崩壊を小さな笑いあり、で、その崩壊過程を淡々と見せていきます。
主人が会社をリストラされ、それがトリガーとなり、転落の一途を辿る家族。
会社を首になった事実をひた隠しにする、香川照之が演じる主人。その実態を時にシニカルに、時に笑いありで描いています。
外国人がこの映画を観たら、ある意味、現代日本の底辺を描いた一つのサンプルとして捉えられるかも知れません。 そんな印象を受けました。 海外受けはするかも知れませんが、日本ではどうでしょ? うーん、、、