ブレない強さ
東京の東の端、千葉県との境に近いところに読書のすすめ という変わった(失礼)書店があります。あ、店長曰く、もう書店ではないと言ってます。ここは、いわゆる取り次ぎを通さず、店長自らが出版社と直取引した本だけを並べています。書店(ではないが、一応こう表現)としては、異例の形です。通常書籍は多品種少量生産が基本なので、書店単位でいちいち仕入れていては大変なわけです。年間の新刊数が60,000点を超えると言われている現代では、不可能に近い。したがって、取り次ぎという卸が、基本的にパターン配本をするわけです。大体どこの書店に行っても同じような棚の作りになっているのは、このためです。(もちろん書店ごとの工夫はあるわけですが)自ら仕入れの手間が省けると言うことは、当然書店の取り分も少ないです。大体20%ほどと言われてます。書店は薄利な商売ですね。もちろん返品はOKです。ですから基本的に書店は委託販売業です。高度成長時代、全国にあまねく配本をするという意味では、このシステムは合理的だったのですが、現在では完全に制度疲労です。本が売れないとは言いますが、本の並べ方にもう少し工夫がほしいよなあと、個人的には思います。アマゾンにはできない、リアル書店の強みはあるはずです。普通の商売と言えば、店主が仕入れに走るものですが、書店は特別だったんですね。で、この読書のすすめさんは、商売の定石通りのことをしているわけです。ただし、単に仕入れて並べるだけでは売れません。ここではいちいち触れませんが、様々な情報発信をしています。売る工夫をたくさんしています。私はここから毎月1冊送られてくる会員になっています。店長と言うよりは、本のソムリエから勧められる(押しつけられる笑)本を読むのは、アマゾンで買うのとはまた違った経験です。良くこんな本を探してくるよなあ、と毎回感心します。そして今回のコロナ禍。テレビの情報ばかりではいい加減嫌になります。外出もままならない現状では、やはり読書の需要は伸びてるはずです。先日、店長のブログ で今の時代にぴったりだ!と言われているので、思わずネット注文しました。もう絶版らしいのですが、これをここが在庫を全部買い取り全部売りさばいてしまったのです!日頃から淡々と情報発信をしているところは、本当に強い。信念を持ってブレない。それこそが、この非常時には本当に強い。中途半端にネットから言葉を集めたポジティブシンキング系とか、キラキラ系などは、この現実の前に言葉もないはずです。正しいとか間違っているではありません。覚悟があるかどうか?です。うちもそうありたいなと思います。ところでこの本、一回読みました。文章は平易ですが、内容は深いです。多分何回も読み込まないと理解できません。そういう骨太な本に出会えるというところに、まだまだ日本の出版文化の力強さを感じます。令和2年5月9日(土)大田区松栄塾070-5016-8268syoueizyuku@asahinet.jpTwitterアカウント @syoueizyuku更新は、午後8時頃の予定です-------------------------------------------------ここからは宣伝です。2020年度の募集について。小学生~中学生 全学年併せて5~6名程度でしめきりとさせていただきます。高校生 原則として中学生からの持ち上がりですが、1~2名程度なら 応相談です教室のキャパシティが少ないため、今年も少人数の募集に限らせていただきます。お早めにご相談いただければ幸いです募集人数を減らしました。