あなたに似合う色は?
朝日新聞の週末ページに男のおしゃれについて書いてあった。GWに、薄いカラーのジャケットを着てはどうか? というような記事だったと思う。私はズボン・スラックス・ジーンズなどのボトムスに関しては、季節によってカラーを変えるが、ジャケットやシャツなどは、まず濃い色の物しか着ない。例えばブルー系のそれも濃い物。今までほとんどのジャケット・スーツは、濃い色にしている。ただし例外がある。私が中東に長期出張していた時。ここで、ダークスーツを着ると、絶対に背景の砂漠とカラー・コントラスト的に、合わないのだ。それに熱砂の国では、英国製の厚いウール地のスーツでは生きてゆけない。(おおげさかな?)一流ホテルの中は完全冷房なのだが、ちょっと外に出ると(例えば車に乗るまでのほんの短い時間)、肌を焼くような熱波がおそってくるからだ。あの地域のブティックで売っている背広は、フランスやイタリアのコンティネンタル・スタイルの、生地は薄地のもので、カラーは、ベージュや薄緑や、砂漠色系?のものだった。ネクタイもそれにマッチするものと言うことで、薄いカラー。私も中東では、自然にそんなスーツを着ていたのだが、これを日本に帰国してオフィスに着てゆくと、たとえ夏でも、「ちょっと商売がちがう」人種のように見えてしまう。英国系のスーツは、端麗なきまじめな印象を与える。それに対してコンティネンタル系のスーツは、欧州人、特にラテン系の人間の体型に合わせて丸っぽいシルエットで、キザで玄人っぽい印象を与える。ただ、夜のとばりがおりて、銀座・赤坂に飲みにゆく時にはぴったりの衣装といえる。いくら「サラリーマンだ」と自分で言っても、ホステスにほかの職業にまちがわれることも多くなる。ただし、夜だからといって、縄のれんの居酒屋には合わない。ラテン系のスーツというものは、つくづく、「不真面目な」雰囲気があると思う。~~~~~~~~~繰り返しになるが、その人に似合う色という物があると思う。私には濃い色が似合うようだ・・・と、自分でぬけぬけと、「似合う」などという言葉を書いてしまうと、ナルシスティックで、面がゆいので、ここは、「どの色が私に【モア・ベター】か?」という言い方をしよう。そう言えば、小森のおばちゃま、亡くなったんだったっけ?私の感じでは、薄い色のジャケットを着ると、顔の感じがキリッとしないのだ。「それはお前の顔に責任がある」という声が聞こえそうだが、たとえそうだとしても、現に大きな違いがあると感じている。西洋では、いい男の条件として、「dark, tall and handsom」という。このダークというのは、黒い瞳・やや浅黒い肌・それに黒髪という三位一体、三点セットのことを言う。fine とか、blond(e) はこの反対語で、蒼い瞳・白い肌・金髪の三点セットのこと。白人を大きく分けると、この2グループに分けることが出来る。その中でも男性は、ダークがいいとなっているのだから、スーツもダークがいいのが当然だと思う。黒または濃い色がコントラストで、引き締め効果があるのだ。それに黒ってドレッシーだと思う。黒のタートルネックのセーターは、かってサルトルの実存主義がはやった頃のファッションでもある。シャンソン歌手のジュリエット・グレコがよく着ていて記憶がある。私も実はそういうセーターを学生時代に着ていた。いつも濃い色でもおもしろくないかもしれないが、基本色としては黒系統が適当だと思う。