1432663 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

やっぱり読書  おいのこぶみ

やっぱり読書 おいのこぶみ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2006年10月22日
XML
打ちのめされるようなすごい本』米原万理(文藝春秋)

打ちのめされるようなすごい本

読子さんのお知らせもあって注目していたこの本。米原万理は『不実な美女か、貞淑な醜女』しか読んでいないが、ユーモアにつつまれた雄雄しいきっぱり感が嬉しくて、著書を全部読みたくなった作家。特に書評は如何に?と思っていたのだ。

10月15日の発売を待って、2,400円という値段に多少躊躇したものの購入に踏み切り(おおげさ)、私が読み知っている本についてなんて書いてあるかと、パラパラとめくっていたらこれがとまらない。

第一部は週刊文春に連載されていた「私の読書日記」。第二部は1995年から2005年までの時々の書評全部が網羅されているという。帯の「最初で最後の書評集」がしんみりする。

500ページの部厚い本だし、こま切れの書評が一気に読めるとは普通続かないのだけれど、歯切れのよさ、ユーモアに次は、つぎは?と読んでしまう。

本職がロシア語の通訳なのでロシア関係の本も多いが、猫好き動物好き、旺盛な好奇心によって選ばれる本の数々、ジャンルの豊富さにはものすごく刺激を受けた。あのエッセイの面白さはこの知識欲の塊から来たものなのね、と納得。

でも、多い書評の骨頂はかもされる面白さ。「む、ぐ、ふふふふ」と笑い出したくなる文章のセンスがいいのが好き。

「私の読書日記」の最後のほうは、やはりガン関係の本が多く哀切をよぶが、泣き言はなく冷静さを失っていないところがらしいので、安堵する。

井上ひさしの解説に

「書評は常に試されている。まずその書物を書いた著者によって、その書評に誘惑されて書物を買った読者によって試されている。誉めれば甘いと叱られ、辛口にすればたぶん一生恨まれ、ほどほどにしておけば毒にも薬にもならない役立たずと軽んじられる。…」

という仕事を、こんなに嬉々とされていた米原万理、ばんざい!!

まだ全部は読んでいないが、途中でこの感想を書きたくなった。私が読みたくなった作家がまた増えた。その名は斉藤美奈子、奥田英朗。まだまだ出てくるかもしれない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年10月22日 13時03分20秒
コメント(12) | コメントを書く
[読みたい本、注目の本] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ

利用規約に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、こちらをご確認ください。


Re:読みやめられない本(10/22)   オーキリ さん
私の読書日記ずっと読んでおりました。がん告知も
途中で知りましたが、なんと潔い方かと心透く思いがいたしました。

奥田英朗さん。町長選挙その他読みましたが、とんでもないキャラクターの医者が出てきて笑えます。
 ガールはちょっと違った感じでしたがこれも
楽しめました。 (2006年10月22日 13時29分01秒)

そんなぶ厚い・・・   読子 さん
こんにちは。本代が高いなと思っていましたが、そんなに厚い本だったのですね(ハァァ)
ばあチャルさんが「読みやめられない」のでは、良い本なのですね! 奥田英朗は面白いです。
(2006年10月22日 16時37分41秒)

Re:読みやめられない本(10/22)   ぱぐら2 さん
米原万理さんの本はエッセイを一冊しか読んでいないのですが、
すごい好奇心と食欲を持つ、くっきり美女の痛快エッセイと言う感じで、とても好感を持っていました。
これも、読みたい本リストに入れました。

そうそう、今日図書館で「或る女」借りてきましたよ。
こんなに長い小説だったっけ?という感じです。
早く今読んでるのを終わらせようっと。いそいそ・・・・ (2006年10月22日 18時20分31秒)

Re:読みやめられない本(10/22)   ☆かよ さん
私も奥田英朗さんは、大ファンです!
是非、読んでください^^ (2006年10月22日 23時59分59秒)

オーキリさん   ばあチャル さん
>私の読書日記ずっと読んでおりました。がん告知も
>途中で知りましたが、なんと潔い方かと心透く思いがいたしました。

読書日記は当時の世界情勢も入っていて臨場感あふれていましたので、リアルタイムでお読みになったとはうらやましい。私は当時を思い出しながら読みました。といっても5年以上も前ではありませんよね、光陰矢のごとし。
(2006年10月23日 07時28分35秒)

読子さん Re:そんなぶ厚い・・・(10/22)   ばあチャル さん
私は人文学にあまり興味を惹かれなくて疎いのですが、そんな本の紹介、書評が多く、多彩な方面の読書に興味、探求の米原万理さんのエネルギーに脱帽、目覚めさせられましたよ! (2006年10月23日 07時34分49秒)

ぱぐら2さん   ばあチャル さん
>すごい好奇心と食欲を持つ、くっきり美女の痛快エッセイと言う感じで、とても好感を持っていました。
>これも、読みたい本リストに入れました。

やはり本の情報の宝庫です♪世の中の動きと書評が連動しているから面白いです。2001年から2006年のね。

私たちも今読んでいる本から人生の行方なんかをつい推し量ったりしていますよね。本の内容が先なのか、人生が先に過ぎているのか。

「或る女」だってとんでもない人生なのにシンクロするところがある(笑)
(2006年10月23日 07時42分29秒)

☆かよさん   ばあチャル さん
>私も奥田英朗さんは、大ファンです!

ほ、ほんと、打てば響くように皆様のお薦めがある、なるほど、なるほど…これは絶対面白い本だ。
(2006年10月23日 07時46分08秒)

Re:読みやめられない本(10/22)   オダギリチガ さん
この本、私も買ってみます。
斉藤美奈子さんは私大好きです。 (2006年10月23日 14時46分55秒)

Re:読みやめられない本(10/22)   alex99 さん
ロシア語同時通訳時代から有名な人でした。
私も本格的日本人?で無いところがあるので、彼女の書き物には共感を持っていました。
週刊文春の読書日記も面白かった。
テレビのワイドショーのコメンテーターになったときだけはちょっと生彩がなかった。

彼女の本は、数冊持っているので(発酵中)、そのうちに読みましょう。

(2006年10月23日 21時43分57秒)

オダギリチガさん   ばあチャル さん
>斉藤美奈子さんは私大好きです。

ブログ上でも有名な…、ユーモアを加味した辛口で知られているんですねー。
(2006年10月24日 07時50分12秒)

alex99さん   ばあチャル さん
>週刊文春の読書日記も面白かった。

読了しましたが、最後の「癌治療本我が身を以って検証 1、2、3」はやはり打ちのめされてしまいました。強くて、冷静なのですが人間味あふれていて…。

第二部の各誌に書いた数々の本の書評も続けて読むと、その作者の生き様が透けて見えるのでなるほどと思いました。書評もその人の人生を垣間見れるのだなーと。それともそれが文才なのかもしれません。

>テレビのワイドショーのコメンテーターになったときだけはちょっと生彩がなかった。

そういう人はいます。ほかにもね。面白い現象ですね。
(2006年10月24日 08時06分13秒)

PR

プロフィール

ばあチャル

ばあチャル

カテゴリ

コメント新着

alex99@ Re:2024年1月の読書まとめ(05/26) おひさしぶりです ご無沙汰しております …
七詩@ Re:あれから(05/09) おかえりなさい ばあちゃるさんの読書日記…
イサムちゃん@ Re:『鬼怒川』有吉佐和子(03/28) お久し振りです❣ ずっとお待ちしておりま…
todo23@ とりあえず お帰んなさ~~い。
シマクマ君@ Re:近況(03/18) ( ̄∇ ̄;)ハッハッハお帰りなしですね。 …

お気に入りブログ

函館旅行に行ってきた New! 七詩さん

経産省、原発「増設… New! tckyn3707さん

初めて見たエコー New! ひよこ7444さん

ダニエル・ゴールド… New! シマクマ君さん

5/18:茨城県・鹿島… New! 天地 はるなさん

マシュマロお返事 ノマ@320lifeさん

サイド自由欄

フリーページ

耽溺作家の作品群


山本周五郎の世界


清張ワールド


クリスティの手のひら


時代物の神様正太郎


宝石箱


子供の頃の読書


作家別読了記録【あ】行


【あ】 日本文学


【ア】 外国文学


【い】 日本文学


【イ】 外国文学


【う】 日本文学


【ウ】 外国文学


【え】 日本文学


【エ】 外国文学


【お】 日本文学


【オ】 外国文学


作家別読了記録【か】行


【か】 日本文学


【カ】 外国文学


【き】 日本文学


【キ】 外国文学


【く】 日本文学


【ク】 外国文学


【け】 日本文学


【ケ】 外国文学


【こ】 日本文学


【コ】 外国文学


作家別読了記録【さ】行


【さ】 日本文学


【サ】 外国文学


【し】 日本文学


【シ】 外国文学


【す】 日本文学


【ス】 外国文学


【せ】 日本文学


【セ】 外国文学


【そ】 日本文学


【ソ】 外国文学


【た】行


【た】 日本文学


【タ】 外国文学


【ち】 日本文学


【チ】 外国文学


【つ】 日本文学


【ツ】 外国文学


【て】 日本文学


【テ】 外国文学


【と】 日本文学


【ト】 外国文学


【な】行


【な】 日本文学


【に】 日本文学


【ぬ】 日本文学


【の】 日本文学


【ノ】 外国文学


【は】行


【は】 日本文学


【ハ】 外国文学


【ひ】 日本文学


【ヒ】 外国文学


【ふ】 日本文学


【フ】 外国文学


【へ】 外国文学


【ほ】 日本文学


【ホ】 外国文学


【ま】行


【ま】 日本文学


【マ】 外国文学


【み】 日本文学


【ミ】 外国文学


【む】 日本文学


【メ】 外国文学


【も】 日本文学


【モ】 外国文学


【や】行


【や】 日本文学


【ゆ】 日本文学


【ユ】 外国文学


【よ】 日本文学


【ら】行 【わ】行


【ラ】 外国文学


【り】 日本文学


【リ】 外国文学


【ル】【レ】【ロ】 外国文学


【わ】 日本文学


【ワ】 外国文学


【共著】【マンガ・コミック】


「読みたい本・注目の本」記事録


『世界の「今」に迫る10冊』


吉屋信子『私の見た人』の昭和の作家


ウェヴスター『あしながおじさん』に出てくる本


日本の作家(ちくま日本の文学全集収録)


昭和の作家(1962年 朝日新聞記事より)


カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.