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リンカーン・ライムのシリーズ7作目。「このミス」で1位になった作品とは相性が悪いし、そろそろマンネリ化する頃だしで、これだけの長編を読み通せるかどうか自信なかったのに、あっさり読破。先が読めない展開にどんでん返しの連続で、興味がそがれること全くなし。ミステリーの面白さは犯人当てやトリック破りではなくて、犯罪周辺の人間模様にあると常々思っているが、その辺をみっちり堪能。 犯行現場にムーンフェイスの置時計を置いていく殺人者「ウォッチメイカー」。冒頭から頭脳明晰で残酷な人物像を描いて、いかにも手ごわそうにみうけられる。連続殺人を匂わせていながら、失敗が続いてあっさり捕まる。ページは半ば過ぎたばかりで、「あれれ、もうおしまい?」と拍子抜けするが、これから二転三転。無関係と思われた事件が絡んでくる。警察の汚職も関わって複雑化。 アメリアが刑事となって初めて別の事件を捜査したり、父親の過去にショックを受けたり、進退に悩む、といったストーリーが平行する。これがただのサイドストーリーではなく、「ウォッチメイカー」に関係してくるところが見事。 今回、活躍するのは、キネシクスのエキスパートでキャサリン・ダンスというカリフォルニアからきた新キャラ。これが強烈。彼女は「人間嘘発見器」なのだ。お陰で証拠主義のライムは出番なし。キネシクス分析が100%当たるのがあまりにも都合よすぎるのだが、面白い。キャサリンは今後も登場するらしい。キネシクスに興味津々。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー <今日の読書> 石のささやき / トマス・H・クック お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.02.18 23:31:20
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