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カテゴリ:政治
参議院選が公示されました。与野党の党首会談では政策論争から離れた年金記録紛失、政治と金などが争点化されていますが、憲法改正、教育基本法改正、公務員制度改正などの国のあり方の根幹に対する議論が深められるべきです。
安部政権は自民党が先送りしてきた憲法改正手続き法、改正教育基本法などを強行採決しましたが、それを可能にした衆議院の2/3以上の議席数は小泉前首相の郵政民営化を支持したものであり、安部政権に対する信任票ではありません。 安部首相の支持率の凋落の発端は造反議員の復党を認めた政治決断にあります。構造改革路線から古い自民党へ回帰したと感じました。功名が辻内閣の緊張感のなさ、閣僚の失言、暴言を庇い続ける首相の姿は国民の信頼を裏切りました。 一方の野党は55年体制に先祖返りをしたかに見えました。民主党の小沢トロイカ体制の対立軸を構築する路線は何でも反対の旧社会党を連想させました。連合、自治労依存の体制は二大政党制を標榜する政党にふさわしくありません。 細川連合政権時代に歴史のフイルムを逆転させようとする試みは日本を混乱の中に落とし込むだけです。小沢氏がキーマンとなる政界再編成は日本経済がバブル崩壊からやっと再生できたと思われる時に日本を再び混乱に落とし込みます。 日本の政治が55年体制から脱却できなければ、日本の政治に未来はありません。安部自民党は古い自民党の領袖と袂を分かたなければなりません。民主党も小沢トロイカ体制から脱却し、ニューリーダーを輩出しなければなりません。 国民が望むのは古い政治体制が刷新されることです。小泉前首相が国民から圧倒的な支持を受けたのは古い自民党を「ぶっ壊す」と公約し、それを実現したことですが、一掃されたはずの抵抗勢力が安部首相の庇護を受け、蠢き始めました。 安部自民党は官邸を戦後世代のニューリーダーでかためましたが、旧世代の閣僚、領袖の影響を排除できていません。民主党は小沢トロイカ体制、旧世代を体現する三名に依存しています。旧世代が政治を未だに支配している姿は異常です。 自民党の支持率が低下しても民主党の支持率が伸びないのは、政治の世代交代を求める国民の声に与野党が反応を示さないからです。小泉改革を支持した若者が政治の世界に見切りをつけ、再び無関心層に流れれば日本の政治は疲弊します。 政治家は国民に日本の未来へのビジョンを語るべきです。安部首相の美しい国に対する野党の対案、ビジョンが不明瞭です。小沢代表の描くビジョンが国民の間に浸透していません。何でも反対する民主党のイメージが先行しています。 日本の政治の最大の課題はバブルからの経済再生を根付かせることでしょう。バブルは日本人の悪夢でした。バブル崩壊で失ったものは数字では表せません。教育の荒廃、少子化、格差社会などはバブルの後遺症ともいえるでしょう。 官僚は定年がありますし、経済界でも世代交代が進んでいますが、政界だけがバブルの責任を問われていません。与野党ともに旧世代、55年体制の遺物が党の実権を握っていますから、政治がリーダーシップを発揮できないのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007/07/12 05:46:46 PM
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