T350 その9 完成
できたー!と思っても、実際にはテスト走行後に調整等の手直しを重ねるのが常。依頼品ゆえ、許される範囲内での事となり、少々の妥協は仕方ありません。幸いにして、今回のレストアは比較的に調整も楽に仕上り、無事に新規登録、車検完了。〆のテストランは、いつもの丘まで50㎞ほど元気よく走ってきましたよ。2サイクルパラレルツインのパンチの利いた加速とヒステリックなサウンド、シビレますね~。現代のバイクが失ってしまった、独特のエキサイティングさが、又一つ蘇りましたよ(^^)qかつて、ハスラー250Ⅲに乗っていたころ、仲間のT305に乗ることがありましたが、当時の自分にとっては、それまでに経験した中で最もパワフルなバイクでした。わりとピーキーに感じた記憶があり、加速が強烈だった印象。その加速感にシビレまくった思い出があります。2st 300cc 以上の経験は、他にヤマハ RT1 しか知らなかったので当然の話とも言えますが・・ところで、こやつ、350といっても実のところ315cc、わずか10cc 増えただけの排気量なので、似たような特性なのかと思いきや、性能曲線が語る通り中低速からトルクが太く実に乗りやすい。下から上まで偏りなくフケ上がるエンジン特性は、私が独自に持つスズキのイメージそのもの。発売当時(昭和41年)の2サイクルスポーツ車としては、かなり優秀なバイクだったのでは?そんなふうに思えてしまうエンジン特性です。2ST、4STを問わず、下から上まで偏り無くスムーズ鋭く回る、そんな印象のスズキエンジン。経験準に、AC50、ハスラー90Ⅰ、ハスラー250Ⅲ、T305、ジェベル250、T20、そしてT350。近年の大排気量車に関しては論外として、古くて少ない経験からだけの話なので偏見的ですが、各車共にそんなエンジンと感じており、中でもジェベル250、T20に関しては極まるところ。てなわけで、スズキのエンジンに対する、そんなイメージがなかなか抜けない小生であります。ともあれ、無事に納車に漕ぎつけましたT350ですが、仕上がりに妥協点が無いわけでもなく、燃料タンクとサイドカバーのオレンジ色は日焼けしていて、本来はもっと鮮やか。タンクのグラフィックが手に入りそうなので、いずれは再塗装になるかもしれません。さらに、フロントフォーク・インナーチューブの腐食跡が再メッキでは完全に隠れ切れず、オイルが滲む心配がない事も無い。全てオーナーの意向次第なので、現時点ではこれにて完成となります。ということで、スズキ T350 元気にフィールドへ復帰いたしました 、、トサ(^^)v