テーマ:中学生ママの日記(17751)
カテゴリ:教育
子供たちが中学校に入ってみたら、美術の時間が少ない。一時間しかない。お兄ちゃんは私立の進学校だから仕方ないのかと思っていた。ところが下の子が入った公立もやっぱり少ない。すごいショックだ。なにしろ昔、学校で一番好きだったのは美術の時間だった。美術みたいな科目は二時間なければできない科目だ。それにもかかわらず一時間しかない。なぜ? ゆとり教育は数学や英語や国語だけでなく美術にまで影響しているのだ。ものすごいショックだ。 文部省に言わせると、そういう特別な分野は各家庭で自腹をきってください。ということらしい。今はどこにでも、いろんな習い事の教室があるのだから、美術をやらせたいなら自費で絵画教室に通わせれば良いだろうと言うことらしい。音楽ならピアノやそのほかの教室。体育も体操教室とか、サッカーチームとか、野球チームとかあるわけで。 それは確かにそうかもしれない。 でもね。 美術に話を戻すけど、美術を通して身に着ける芸術的センスはなにも将来画家になろうとかデザイナーになろうとかそういう人にだけ必要なものじゃないよ。 美的センスっていうのはもちろん個人的に差はあるかもしれないけど、教養を身につけようというのならある程度必要なものだと思う。 日産がつぶれたのは美的センスがゼロだったから。 経営が下手だったわけじゃない。 結局は経営が下手だったということになるけれど。 日産には優秀な社員がいっぱいいた。優秀な技術者やデザイナーがいっぱいいた。 にもかかわらずつぶれる前の日産の車はひどかった。とにかく泥臭かった。そして「熱血」といつもコマーシャルでぎばちゃんが叫んでいたけど、気合だけでものを売ろうなんてまちがってるよ。自分たちが儲けようっていう発想だけでお客に無理やり売りつけようなんて「なに考えてるんだよっ」といつもコマーシャルを見ながら、思っていた。 それで。つぶれて、ゴーンさんがやってきた。今の日産の車は驚くほどかっこいい。ほんとにこれが日産の車?って思うほどかっこいい。私はあんまり車には詳しくないけれど、その私がみてもその違いははっきりとわかる。 かつての日産の中ではいくら内部の社員がかっこいい車を作ろうとしてもセンスのない上司が「こんなもの売れない」といって片っ端から却下していたのに違いない。車を作る技術や経営だけを勉強してもいい車はつくれない。 デザインを勉強していいクルマをデザインしたデザイナーの作品を、生産ラインにのせるかどうか決めるのは会社の上層部なわけだけど、その最終決定権を持つ人たちに芸術的センスがなければ、いくらいいデザイナーを採用しても意味がない。デザイナーだけではなく会社に責任をもつ人たちにもまた、芸術的センスは要求される。そうでなければ部下の作ったものがいいものかどうか見極めることができないのだ。いくらデザインしても採用されずにださいデザインのクルマが生産されていくのをみて、かつての日産の中でデザイナーたちは相当歯がゆかったのではないかと思う。 こういうことは日産だけに留まらないだろうと思う。日本の多くの会社の中でセンスのない上層部によって、いいセンスのものがつぶされてきているに違いない。そういうセンスのなさが会社の売り上げや、経営に影響しているものだろうと思う。 技術や経営、経済、英語、数学を学ぶとともに芸術もまた重要な科目なんだけれど、今までの日本にそれは理解されていない。 あのルネッサンス文化を生んだイタリアのつくるクルマはかっこいい。国全体が芸術でできているような国だから、あんなクルマができるんだろう。 クルマといえども性能がすべてじゃないのはクルマずきにとってももちろんな話なわけで。 フランスがいまだに世界のファッションのトップをきっているのも、デザイナーだけを育てているのではなくて、国民全体が、高い美術的センスをもってファッション業界を評価し、子供のころから芸術的センスの高い人たちにかこまれて、知らないうちにみにつけていくものがあるからなんだろうと思う。 外国の大人は仕事の後にコンサートにいったり、お芝居を見たりして、アフターファイブを過ごす。しかるに日本のビジネスマンは残業するか、居酒屋か赤提灯で一杯飲んで帰る。休日はゴルフかごろ寝でつぶれる。美的センスの育つ暇なんかぜんぜんない。あんなものは女子供か軟弱なやつのためのものだと思っている。芸術に理解なんて期待できそうにない。だから美術の時間も平気で削る。ゆえにねずみのようなサラリーマンが日本の経済の泥臭いダサさをどんどん増強していく。 美的センスは商品パッケージのデザインやテナント作りそのほかもろもろもいろいろすべてのビジネスシーンに影響しているってこと気づきませんか。 だから会社によっては社員用のイベントとしてコンサートなんかを企画しているところもあるようだ。これは単なるレクリエーションではなく、社員の芸術性、美的センスを育てて、時代を読める感性を育てる上でもとても大切なイベントなのだ。 だから、美術は大事。 この記事を評価する ↑音楽も大事。『のだめカンタービレ』のヒットのおかげでクラッシックの売り上げもふえているらしいです。マンガの影響力ってホントすごい。 ブラームスのCDのジャケットイラストがなんと千秋様。うーん。
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