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February 2, 2020
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みなさん、こんばんは。ついに湖北省の人入国拒否になりましたね。でも遅いような。
今日もサトクリフ作品を紹介します。

第九軍団のワシ (岩波の愛蔵版 29)
The Eagle of the Ninth
ローズマリー・サトクリフ
岩波書店

主人公マーカス・フラビウス・アクイラは「ともしびをかかげて」のアクイラの先祖。マーカスの父は第九ヒスパナ軍団の第一大隊長で、悪名高い軍団として有名だったが、最初に指揮した軍団として父はこの軍団を立て直そうと決意していた。そして北方氏族の反乱に赴き、軍団自体が姿を消した。母も死に、マーカスは叔父夫妻の元で育てられる。もともと軍人肌のマーカスは官吏の叔父とうまがあわず、18才で百人隊長になると同時に叔父の家を出る。マーカスが初の大役として、大隊司令官の筆頭百人隊長の任務についていた地で反乱が起き、彼は足を負傷し、カレバの地に住むアクイラ叔父の元に身を寄せた。マーカスは奴隷エスカを買い取り、狼の子をチビと名付けて飼うことにする。隣家に住むコティアという少女はイケニ族だったが、叔母からはローマ風のカミラという名で呼ばれていた。

足が元通りにならないマーカスには軍人としての未来はない。絶望したマーカスはローマ帝国の象徴である「第九軍団のワシ」を探したいという司令官の言葉を聞き、志願する。消えた父の行方を探す目的とも一致したからだ。奴隷の身でなくなったエスカも志願し、二人がローマ帝国の象徴である「第九軍団のワシ」を奪い返すためにあえて挑戦した困難な冒険の旅。負傷し、一切の夢と希望を断たれた青年とその友とがどのように心の苦しみを乗り越え再び前途に生きる意味を見い出すかを語る。

たいていの場合聞くことができる父の最期の言葉を、マーカスは聞くことができなかった。だから彼は、父と同じ軍人という職業を選ぶ事で生前の彼を知ろうとした。ところが、それも戦闘による負傷でだめになる。ワシ捜索の話は、この先何をすればいいかわからなかったマーカスにとって、やっと見い出した光明だった。これならば、軍人とならなくても、父の生きた道を辿れるではないか!

なぜここまで彼の気持ちを言い切れるか?
私もまた、父の最期の言葉を聞き損ねた一人であるからだ。
私は、幼くして父を亡くし、最期の言葉を理解できなかった。
成長し、父の死んだ年令に近付くにつれ、父を知りたいという思いは強くなる一方だった。最期の言葉だけを知りたかったわけではない。彼の性格、考え方をもっと知りたかったのだ。うまく言えないが、そうしないと、父を乗り越え、先に行けない気がした。

マーカスにとって、「第九軍団のワシ」は、自分が仕えるローマ帝国の象徴であり、亡き父の軍団の形見の品である以上に、目で見ることのできる、「越えることのできた父」ではなかったのか?「ワシ」を得るために取った行動、知り合った人々、奴隷だったエスカと
の間に育まれる友情によって自身も成長した事を確認でき、やっとマーカスは父と同じ人生から解放され、自分独自の生き方を選択する事ができた。
 
誰もが自分の「第九軍団のワシ」を持っている。
そして、それは誇らし気に見せびらかすものではなく、山中に埋められるのが妥当であるかもしれない。



第九軍団のワシ / ローズマリー・サトクリフ 【全集・双書】​​HMV&BOOKS online 1号店






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最終更新日  February 2, 2020 12:00:16 AM
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