子どもたちへの一番大切な贈りもの
レイチェル・ルイス・カーソンもしも私が、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー」(神秘さや不思議さに目を見はる感性)を授けてほしいとたのむでしょう。この感性は、やがて大人になるとやってくる倦怠と幻滅、わたしたちが自然という力の源泉から遠ざかること、つまらない人工的なものに夢中になることなどに対する、かわらぬ解毒剤になるのです。中略私は、子供にとっても、どのようにして子供を教育すべきか頭を悩ませている親にとっても、「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと堅く信じています。子供たちの出会う事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生み出す種だとしたら、さまざまな情緒や豊かな感受性は、この種をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子供時代はこの土壌を耕すときです。中略消化する能力が備わっていない子供に、事実をうのみにさせるよりも、むしろ子供が知りたがるような道を切り開いてやることのほうがどんなに大切であるかわかりません。