50代女性、左下7 2次カリエス。
神経は取ってあるので、特に自覚症状は無い。
冠とメタルコアを外す過程が1時間かかってしまうという、
どうにも採算が採れない症例ですw
保険ではこの過程は500円の報酬ですw
カリエスは歯肉縁下に及び、歯根分岐部すれすれで、
冠を再作製できたとしても、定期管理は必須となります。
通常歯質と金属冠の間はセメントがありますが、
セット時に唾液が付いたとかのアクシデントがあると、
そこから腐食が始まります。
うちで提唱している「
虫歯の電気化学説」によると、
すき間内部と外部との酸素濃度差による「濃度差腐食」
金属と歯質とのイオン化傾向の差による「異種金属接触腐食」などがあります。
細菌の有無とは直接には関係がない。
しかし細菌の存在は虫歯の進行や抑制に関与することは間違いはなく、
工学分野では「微生物腐食(MIC)」というカテゴリーがある。
虫歯が黒くなっているのは硫化物還元細菌が脂質とヘモグロビンからFeS(硫化鉄)を作ったからで、
これができると、虫歯の進行は抑えられる。
電導性が抑えられるからです。
この硫化物還元細菌は代謝過程でH2S(硫化水素)を発生させるので、
ドブ臭い口臭の原因にもなる。
FeSもドブの底の色です。
冠除去前
冠除去後
メタルコア除去途中
同除去後
印象に当たり歯肉を除去する前、
同除去後