30代女性、左下7、2次カリエス
クラウンが外れたので近所の歯医者さんに駆け込んだら、虫歯があるよ、と言われてセメントで仮封鎖してくれたらしい。一見歯があるように見えたが、とんでもなかった。歯はほとんど虫歯で特に近心(手前側)は歯槽骨縁まで虫歯だった。電気メスで歯肉を除去したが、歯槽骨が見えている。
何度も諦めて抜歯しようかと思ったが頑張った。。
歯槽骨より下までの虫歯はないと思うが、その理由は「虫歯の電気化学説」以外では説明できないと思う。
歯質(ハイドロキシアパタイト)は水素イオン:プロトン:H+の電導性物質で、外部起電力により水素イオンが歯を通り抜ける時に歯の構成物質のカルシウムから電子を奪ってH2ガスとなり、カルシウムは電子を奪われてカルシウムイオンとなって溶出し歯質が崩壊すると考えられるが、骨や歯根膜に覆われていると水素イオンが通り抜ける時にカルシウムから電子を奪わず、直接電子を骨や歯根膜から受け取る。もしくはそのまま通り抜けてしまうと考えられる。
要するに骨や歯根膜は水素イオンに関しては歯質よりも低インピーダンスと考えられる。
また歯肉縁上0.5mmの範囲はカリエスフリーゾーンとして知られているが、これもそのメカニズムは明らかになっていない。これもそのうち電気化学的に考察しよう。
去年の3月のレントゲン写真ではひどい2次カリエスがあるように見えなかったが、ある程度の大きな隙間があると金やパラジウムなどのイオン化傾向の低い金属が対電極になることにより歯質は急速に腐食してしまうことがある。これを異種金属接触腐食という。
では時系列でどうぞ
この部分は直視できないので処置が難しい。鏡を見ながらの処置だから。
型取りを見たらわかると思うが、歯肉縁下3mm程になっている。