カテゴリ:近未来の根管治療シリーズ
根管治療というものはイマジナリーつまり西洋医学的な西洋人の頭の中にしかない理想主義的だが実現困難な幻想に過ぎない。ラバーダム装着は元より根管内に挿入する器具はその都度使い捨てにするくらいでないと、無菌的な処置は出来ないだろう。
少なくとも世界標準の1/10の価格の日本の歯科保険医療では絶望的だと思う。 当時40代女性、左上7、歯冠崩壊 前回のつづきで https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202204120000/ 今日はあれから7年後のことだ。 7年もったのが長いのか短いのか、評価が分かれるのかもしれないが、患者は7年問題なく食事ができたのでありがたかったとおっしゃる。右下6も同時期に修復したのだが、これはまだもちこたえている。これはまた後ほどご紹介したい。 レントゲン写真を見ると、内部が溶けてしまっている。α-TCPセメントが溶けてしまっているが、歯質はそれほどひどい虫歯にはなっていなかった。このセメントは歯質と同じ成分のハイドロキシアパタイト(HA)だが、歯質より粗なのでイオン化傾向は大きい。接着が剥がれ漏洩が起こると歯質の前にHAが溶けて歯質が虫歯になるのを防ぐ働きがある。これを腐食工学分野ではカソード防食というのだが、歯科業界は完全無視している。こんなことが知れ渡ったら、虫歯などなくなってしまう。飯の食い上げに直結してしまう不都合な真実なのだ。それほど闇が深いのがこの業界ということだ。歯科医学は少なくとも科学ではない。 レントゲン写真のbefore/after だが、歯肉縁下3mmの修復処置が必要なので、通常治療では治療不可能症例だが、なんとか修復した。1.5時間もかかる超絶技巧が必要となる処置で、患者も術者も体力的に限界に近い。さすがに歯根が歯冠長より短いので、咬合力にどれだけ耐えられるか、注視が必要だ。最終的には前後の歯を連結固定している。 before after 左上7の歯質が欠けたということだったが、CRも接着が緩んでいて、簡単に剥がれた。内部は歯根が頬舌的に離断していて歯肉息肉が上がってきていた。歯髄は3根とも2次象牙質の蓋ができていて、根部歯髄は生きているようだ。 これは何を意味しているかというと歯髄には自己防衛能力があるということだ。歯髄を取る必要は全くない、勝手に治るのだから。 根管口付近だけ3◯IX+α-TCPセメントで覆罩してCRで再建した。ストリップスは使えないので、積み上げ法で修復している。この手のCRによる修復はストリップスを使わずにできないと始まらない。この段階で99%の歯科医師は脱落するだろう。 まずこういうことができるのだという認識から始まる。 では時系列でどうぞ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022/04/15 08:39:26 AM
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