これまでの根管治療法のシリーズと言っても、根管治療というのは歯髄を取るという処置なのだが、そんなことはそもそも必要がない、生きている歯髄は完全に保存出来ることが分かったと思う。もちろん生きていなくてもだ。
今回も同じ対応で臨む。
40代男性、右下7、自発痛+、咬合性外傷
突然痛くなって、割れたかも!来てもいいですか!?、、再植覚悟でいらっしゃった。
以前から、咬合性外傷で歯根破折したり、クラックがあり破折しないように補強冠を装着したりしていた。
この歯は他院でのCRが施されており、そのCRを除去するところから始めた。
内部にはクラックが見えるが、あまり痛みを感じない。もちろん麻酔は使っていない。知覚は歯髄が生きているか否かの重要な情報だからだ。
生きているのどうか確認するために露髄させてみた。出血しているので生きてはいる。しかし、知覚が弱いので、失活寸前なのかもしれない。
クラックに矢印を書き込んだ。
とりあえず、α-TCPセメント+3◯IXで覆ってCRで再建修復した。根管処置と言ってもこれだけなのだが、細かいノウハウはある。理論的科学的に臨機応変に対処するということなのだが。少なくとも歯科医学は科学ではないとだけは言っておこう。
遠心のクラックは開拡してCRで塞いだ
これだけでは咬合性外傷力に耐えられないので、補強冠を装着した。もったいないというか、見てくれは悪いが仕方がない。引っ張り応力に耐える素材は金属に勝るものはない。
今後どうなるかは経過観察することにする。
痛みが出ても、神経が出ても、いきなり神経を取る必要性など全くないことが分かると思う。
最終的には破折というか離断してしまうかもしれない。その時は抜歯・再植となる。それでも抜いてインプラントにするよりはまだマシだ。インプラントには歯根膜がなくクッション性がないので、対合歯に2倍のダメージを与えてしまう。特に咬合性外傷がある人には致命的だ。対合歯が割れるか抜けるか、散々歯科医師に貢いだ挙句、入れ歯になる。 歯医者は入れ歯でさらに儲ける w