80年代のロックに大きな影響を与えた2つのバンド
どちらも80年代のアメリカのロックバンドを代表するような大物バンドですが、アルバムを1枚も持ってなかったので・・・。UFOじゃなくてギターですよ。昨年、6thアルバム『Life, Love & Hope』をリリースし、今年10月に35年ぶりに来日する『BOSTON』の2ndアルバム『Don't Look Back』です。1978年発売の古いアルバムですが収録曲の『Don't Look Back』は、一聴の価値がある名曲です。『BOSTON』は、1976年に発表した1stアルバム『BOSTON(邦題:幻想飛行)』がヒットし、一躍アメリカを代表するロックバンドになります。また、そのサウンドは80年代のロックバンドに大きな影響を与えます。サウンド的には同年代に活躍した『JOURNEY』と同じくプログレッシブ・ハードロックに分類されますが、聴きやすく万人受けするサウンドが特徴です。(非生産的なのに産業ロックと呼ばれることも多い。) 『BOSTON』はバンドの形態をとっていますが、これはライブのためという側面が強く、実態はトム・ショルツ(ライブではギター担当)のソロ・プロジェクトに近い存在です。トム・ショルツは、レコーディングでは曲作りから殆どの楽器の演奏までこなし、プロデューサーやレコーディングエンジニアの役割すら担ってしまう強者。将に天才です。実際、MIT卒ですし。『BOSTON』のレコーディングは、トム・ショルツ一人に依存する部分が多く、完璧を求めるトム・ショルツの性格も影響して、とにかく時間がかかります。※76年デビュー、現在も活動中ですが、発表したスタジオアルバムは6枚のみ。実際、レコーディングの遅さが災いして、トム・ショルツはレコード会社から契約違反だと訴えられる結果に。更に売れたのが災いして他のメンバーからギャラの問題で訴えられたりと法廷闘争に明け暮れます。華々しく登場し、トップに上り詰めた反面、不幸なバンドとも言えます。もう1つのバンドは『TOTO』。これは、1982年に発売された4thアルバム『TOTO IV(邦題:聖なる剣)』。大ヒット曲の『Rosanna』や『Africa』を収録した『TOTO』全盛期のアルバムです。『TOTO』と言えば一流のスタジオ・ミュージシャンの集まりとして知られますが、実際、凄く上手いです。スペイシーと形容される『シンセサイザー』サウンドを多用したり、リズムに特徴があったりとか、80年代のロックバンドに多大な影響を与えた『TOTO』サウンドは一言では語れませんが、一言で言えば節操の無さが特徴かと。節操がなくハードロックからプログレ、AORまでと特定のジャンルに留まりません。 楽曲の質の高くヒット曲も多いため、現在でもTOTOの曲が頻繁にBGM、SEとして使われています。誰もが一度は『TOTO』の曲を耳にしたことがあるでしょう。このアルバムでは、ボビー・キンボールがリード・ボーカルを担当していますが、ヒット曲の『Rosanna』ではスティーヴ・ルカサー(Gt.)、『Africa』ではデヴィッド・ペイチ(Key.)がリード・ボーカルを担当し、演奏陣も頻繁に歌う点が『TOTO』の特徴です。『TOTO』は2008年に一度解散しますが、ALSを発症した元ベースのマイク・ポーカロの救済目的で現在も活動を継続しています。続いて1988年にリリースされた『TOTO』の7thアルバム『The Seventh One(邦題:第7の剣)』。このアルバムからは『Pamela』や『Stop Loving You』などがシングル・カットされています。 歴代のボーカルの中でも評価が高いジョセフ・ウィリアムズが参加しているアルバムですが、個人的にはボビー・キンボールの方が好きです。収録曲の『Home of the Brave』が聴きたくてこのアルバムを購入したのですが、ボーカルがボビー・キンボールだったら更に良かったのに・・・。最後は、1978年発売の1stアルバム『TOTO(邦題:宇宙の騎士)』。『TOTO』の原点も押さえておきました。このアルバムにはハードロック調のヒット曲『Hold the Line』が収録されていますが、個人的に大好きな曲です。ボビー・キンボールのボーカルも曲によくマッチしていますし・・・。かなり古いアルバムでですが、楽曲が色褪せて無いんですよね。これも『TOTO』の楽曲が斬新だったことの証明かと。