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先日、司法修習生が女子トイレを盗撮したとして逮捕されました。 が、1月26日にアリバイがあるとして釈放されました。 つまり、無罪同然となったわけです。 よかったです。釈放された方はこのことを忘れて、立派な法曹になっていただきたいと思います。 しかし、以下の記事は逮捕された方の名誉を傷つける物ではありませんので、削除は致しません。盗撮はどう処罰されるのかお分かりいただくために公開を続けたいと思います。 刑事訴訟法の理念上、裁判が確定するまでは犯罪者では有りませんから、事件の内容を詳しくは書けません。 ところで、盗撮したのが理由なのに、逮捕容疑は建造物侵入だったことにお気づきですか。 「強制わいせつ罪」ではないかと思った方もおられるでしょう。 強制わいせつは、暴行または脅迫が必要です。つまり、被害者に対して直接働きかけなければ強制わいせつにはなりません。 盗撮の場合、被害者は何も気づいていないことが普通ですから、強制わいせつにはならないのです。 しかし、のぞきの罪ではないのかと思った方もおられるでしょう。 確かにのぞきの罪というのはあります。 ただ、のぞきとはリアルタイムで見ることを指すことが多いのだそうです。 直接隠れて見るとか、望遠レンズで遠方から見ることを指し、カメラを仕掛けてあとから見ることはのぞきの罪にはあたらないとの事なのです。 また、仮にのぞきの罪にあたるとしても軽犯罪法違反にすぎません。 軽犯罪法 第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。 二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者 そして、建造物侵入は建物の管理者が立入りを禁止する場所に立ち入るだけで成立します。そうすると、男が女子トイレにはいることは禁止されていますから、建造物侵入が成立するのです (住居侵入等) 第百三十条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。 では、条文を見比べてください。拘留とは30日未満の身柄拘束をいいますから、たとえのぞきの罪が成立しても30日未満の身柄拘束しか出来ません。しかし、建造物侵入は3年以下の懲役ですから、明らかに建造物侵入の方が重い罪なのです。 ですから、建造物侵入で逮捕されたのだと思います。 そうすると、結局盗撮自体は取り締まれないのかとお考えになるでしょう。実はその通りなのです。 条例(地方ごとに定められる決まりごと)で取り締まっていれば別ですが、法律(全国一律の決まりごと)では盗撮自体は取り締まっていないのだそうです。 ただ、盗撮する時には必ず建造物侵入が伴いますから実質的には盗撮を取り締まれますし、仮に建造物侵入しないで盗撮したとしても民事裁判を起こされて慰謝料請求されます。 見ていただければ分かりますとおり、盗撮も全く割に合わない犯罪です。間違ってもまねなどしないようにしてください。 私のページを応援してくださる方は、下記のリンクをクリックしてください。 人気blogランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年01月26日 21時05分49秒
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