「ジャングル黒べえ」 22年ぶりに復活!!
藤子・F・不二雄先生の今までのマンガが全て復刊されるという大全集(第1期)の発刊からもうすぐ1年が経ちます。大全集で、よみがえったのは長らく絶版で入手困難だった「オバケのQ太郎」だけではありません。「ジャングル黒べえ」も、そうなのです。そして「海の王子」もですね。ジャングル黒べえは、TVアニメで70年代に放送されたものの単行本では、てんコミの「バケルくん」2巻に一部が収録されるだけの「おまけ扱い」でした。藤子不二雄ランド(これも、いわゆる大全集)がむかし、発売になり、88年に黒べえの単行本が初めて発売されましたがすぐに発売中止になり、絶版となりました。オークションでは2万円の値がついたのを見たことがあります。ファンの私としては、高値の評価に嬉しくもあり多くの読者に読まれないままというのは残念、という複雑な気持ちになります。さて、あれから、22年の時を経てめでたく大全集で戻ってきてくれました。大全集「ジャングル黒べえ」の発売です。藤子不二雄ランドでも収録されなかった未収録も引っさげての、完全復活です。■ジャングル黒べえ 第1巻 (全1巻)■ 主人公「しし男」と黒べえの出会い黒べえは、ジャングルから飛行機にぶら下がって、日本にやってきました。落ちた場所が、しし男くんの家でした。そして、助けてくれた恩返しをしようと黒べえは、しし男くんの役に立とうと、張り切るのでした。■ 黒べえの本名は…長すぎ… 「メッチャラ クッチャラ ホイサッサ」って… F先生!!(笑)■ 本名はさすがに呼びにくい(笑)「クロンベンボコ」だから、クロベ… 黒べえ、なんでしょうね。■ 魔法を使う黒べえ黒べえは、一応、魔法使いです。でも、しし男くんは嫌がります。■ しし男が消えた!?■ ゴミ箱に移動してしまったしし男くんまだ子供の黒べえは、魔法があまり上手くありません。この「魔法が失敗してドタバタが起こる」というのがジャングル黒べえの内容です。■ 魔法を唱えるときの掛け声は「ウラウラベッカンコー」「ベッカンコー」というのは、アッカンベーのいい方を変えたのでしょうね。■ 黒べえトリオ黒べえには、ゾウに似た「パオパオ」と赤い顔の「赤べえ」がいます。※ 漫画では、白黒描写だけなので、赤とは気づきませんが…■ キャラの紹介 ちょっと(かなり?)ビックリ↑赤べえは、小包で…って。 小包で届いちゃいけないでしょう(笑)■ 黒べえがお留守番■パオパオ(象のキャラ)がお茶を出すけれど…(笑)↑「パオ」じゃないでしょ「パオ」じゃ…!!(笑) 黒べえも止めなきゃ~■ 地震の話■ 「ズシン」と大きな音が!!■ 怖がりの黒べえたち。怖がりですが、どこか可愛らしいですね。ジャングル黒べえは、低年齢層向けに描かれており学習雑誌の「よいこ」や「幼稚園」などに載せられました。ページ数も1話2ページのものも、ありました。それでも、キッチリ起承転結になっていてF先生らしい、丁寧な作りだなと感じました。2ページというのは、楽と思われるかもしれませんが体力的には楽でも、ストーリー作りは限られた短い中で、構成するのは大変だと思います。そして、一番難しいのが「面白さ」ですね。幼い子供相手ですので、シンプルで分かりやすくしないといけません。お行儀のいいことばかりでは、飽きられてしまいます。かといって、派手にしてしまうと親御さんや、出版社からも、批判が出てしまうでしょう。こうした「児童マンガの見えない苦労」を全く感じさせない、F先生の得意とする描写が冴えています。ジャングル黒べえの復刊は、本当に嬉しいです。まるで、魔法で復活したようです。ウラウラベッカンコ~