日本はどのようにしてできたか?「のび太の日本誕生」から考える
前回の日記(3月1日の日記)の続きです。ラジオ番組「こども電話相談室」で小さな女の子から日本はどうやってできたんですか?という質問がありました。それならば「のび太の日本誕生」を読んでみるのがいいかもしれないと私は思いました。ということで、本日は、大長編ドラえもん「のび太の日本誕生」から大昔の日本をのぞいてみましょう~今回は、日本の歴史にスポットをあてるので「のび太の日本誕生」の一般的なあらすじを知りたい方は、こちらも前回の日記(3月1日の日記)をご覧ください。<「のび太の日本誕生」から見る大昔の日本>■7万年前の日本■魚を捕まえる少年「ウラーオ」という言葉を発しています。「アー」とか「オー」という感嘆(感情)ではなさそうです。この頃、すでに言葉をもっていたのかもしれません。■家出を決意したのび太は空き地へいつもの空き地でさえも、持ち主が現れた。もはや自由な土地などは現代にはない■スネ夫が土地について意見を語るなるほどなあ~と思いますね。「確かに」とうなづけるものがあります。このスネ夫の話が盛り上がり、ドラえもんたちは人間の住んでいなかった時代に行こう!ということになります。■会話をする進化したタイムマシン日本大陸に人間が現れる前に行きたいドラえもんたち。スネ夫の話では三万年前にはいたようです。そこで、ドラえもんたちが決めたのは七万年前の日本でした。■七万年前の日本は氷期の時期だった今ではインターネットで何でも調べられて瞬時に情報が得られますが、まだケータイすら登場してなかった時代に、ヴェルム氷期といった歴史的事象を解説するF先生の、下調べ、確認作業、情報収集など「知識の土台」が物語を力強く支えています。■古代には野生動物がいっぱいスネ夫とジャイアンの前にサイが現れます■大昔の日本にはサイ、トラ、ワニなどもいた■「ワンダフルじゃねえか」byジャイアン大正生まれの私のおばあちゃんから聞いた話では、明治時代はあちこちでトキは見れたといいます。私たち人間はなぜ生き物を大切にできないのでしょうか・・・■ワニがスネ夫とジャイアンを襲う先ほど、ドラえもんがいっていたワニがあらわれます。■7万年前の日本にいたのは中国からの渡来人7万年前の日本にいたククルという少年は中国大陸から来ていたことが判明!■しかし日本と中国の間には海があるのでは?海があるのに日本に渡って来られるのか?という疑問が浮かぶ。■大昔の日本は中国と陸地がつながっていたドラえもんから渡された7万年前の世界地図を見てみると・・・中国と日本はつながっていた。また、日本も北海道から九州までつながっていた。■陸地のつながりは氷河期が理由「いま(7万年前)が氷河期だから」とドラえもんが解説します。本来は海面であるところも、氷が増えた影響で陸地が出てきたというわけです。それにしてもこの海面の断面図による説明も、教科書並みの解説ですね。F先生の、子供たちに分かりやすくする配慮がうかがえます。■スネ夫はひらめく氷河期で日本と中国が陸地でつながっているときに日本の先祖は中国からやってきたのではないかとスネ夫は考える。■ドラえもんが移住について解説陸地がつながっているから、という理由だけでなく何万年という、想像を超える長い長い・・・遥かに長い歳月をかけて人類は移住を続けてきました。かつて登山家が、山を登る理由を「そこに山があるから」と語りましたが人類が、未踏の土地を目指したのも「そこに新しい土地があるから」だったのかもしれません。未だ見ぬ世界(陸地)を目指すのは私たちの本能だったのかもしれません。■石オノを使う人類7万年前は、中期旧石器時代にあたります。石を打ち砕いて道具作りをする打製石器が発達していた時期でもあります。■中期旧石器時代の生活今、私たちが暮らしている同じ日本の大陸で大昔は、このような暮らしがあったんですね~■村づくりに励む新人7万年前の日本に渡ってきた新人(現生人類)は、日本に住み着きました。この新人の血が、現在の私たちにも流れていることになります。さて、本日の日記では、7万年前の日本はああだった、こうだったと断定するような形で書いてしまっていますがあくまでも、漫画「のび太の日本誕生」の中での描写を淡々と見つめただけで、日本の成り立ちの『仮説』にすぎません。宇宙の始まりのビッグバンも、あくまで仮説にすぎません。人類誕生の歴史も仮説でしか分かりません。日本に初めてやってきた人類も日本語の成り立ちも、日本の成り立ちも大昔のことは、結局、完全に分かる手段はありません。それでも断片的な事実、証拠、仮説から私たちが築き上げてきた定説を見聞きすることは楽しいものです。本日の日記で、日本の成り立ちに興味をもっていただけたら嬉しいです。大長編「のび太の日本誕生」の最後ではドラえもんたちがタイム・テレビでククルとの別れから20年後をのぞきます。そして、次のような解説がでてきます。ククルはたくましく成長し族長になっていた。ウンバホ(火の国の勇者)と呼ばれ村人たちに尊敬されていた。それ以前の日本にも人間はいたようだ。だが彼ら(旧人)は、やがて絶滅したらしく今の日本人と血のつながりはない。だからあの時・・・ククル一族(新人)が住みついた時こそ"日本誕生"の瞬間だったのだ!!このような締めくくりで物語は終わります。かつて日本大陸にやってきた人類(旧人)は子孫を残すことはできませんでした。今、私たちの身体に流れている血は7万年以上も前から日本の地に住み始めた、新人の血が受け継がれているのです。日本の地で、日本人として生きていることが私にとっては、年齢以上に、ずっとずっと長く遠い遠い昔から、生き続けている・・・そんな気がしてなりません