イヤー・オブ・ザ・ドラゴン
-1985年作品-OK[原題] YEAR OF THE DRAGON[監督] マイケル・チミノ[出演](スタンリー・ホワイト)ミッキー・ローク (ジョーイ・タイ)ジョン・ローン (トレイシー・ツー)アリアーヌ ▲似顔絵はジョーイ・タイ役のジョン・ローン----------この映画は自分の一番好きな映画『ディア・ハンター』を撮ったマイケル・チミノ監督の作品です。実はチミノ監督は『ディア・ハンター』でアカデミー賞を受賞し、続いて『天国の門』という作品を撮影したのですが、この作品が非難ゴウゴウ。しかもあまりにも制作費が膨れ上がったため、映画会社のユナイテッド・アーティストが倒産までしてしまったのです。そのためチミノ監督は長らく映画製作ができなかったのですが、数年ぶりに撮影したのが、この『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』だったのです。 【男の意地】映画の内容は若きチャイニーズ・マフィアのボス、ジョーイ・タイ(ジョン・ローン)と、何事にも妥協しない一匹狼の刑事スタンリー・ホワイト(ミッキー・ローク)の対決を描いています。(主人公はスタンリー・ホワイトの方)若くスマートで非情ではあるが、ときには優しい面をも見せるジョーイ。まるっきり融通が利かず、チャイニーズ・マフィアを潰すためにがむしゃらに突っ走り、警察内部からも浮いてしまうスタンリー・ホワイト。この二人の激しい意地の戦いが続くのですが、ラストでは一気にそれが爆発してしまいます。マフィアのジョーイを追いつめていくスタンリー。ジョーイは一人、鉄橋の上を走って逃げていく。その後姿にむかってスタンリーは、「ジョーイ!来い!!」と叫ぶ。するとジョーイは意を決したかのように振り向き、スタンリーに銃を撃ちながら走っていく。そしてスタンリーもまた、銃を撃ちながらジョーイに向かっていく。 もうこのシーンはジンジンとシビレれしまいましたネ~。黒く浮かび上がる夜の鉄橋、その上を走るジョーイのシルエット。そしてジョーイは自分を呼ぶスタンリー声を聞いて、ひるむことなくスタンリーの方へ銃を撃ちながら走り始める。そのジョーイの姿には、もう勝ち負けとか関係なく、とにかく男としての意地だけがヒシヒシと感じられました。そしてその意地に対抗するような激しい意思を表しながら、同じく銃を撃ちながらジョーイに向かって走るスタンリー。このお互いが相手に向かって銃を撃ちながら走っていく、というスピード感と緊張感。勝負は一瞬にして決まってしまうのですが、それまでの二人の激しい男の意地というものが、この場面で一気にでスパークした感じがしました。それぞれの感情の爆発が映像に乗っかってるようで、たまらなく良かったですネ~。・・・チミノ監督、復活のこの作品。残念ながら興行的にはイマイチだったそうです。けれど自分には、作品から重さというか、意思というか、そういうものを感じられてとても面白い作品でした。 ▲パンフとチラシ ▲前売りの半券とオマケのバッチ*****イヤー・オブ・ザ・ドラゴン価格:1,341円(税込、送料別)