4981870 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2011/05/19
XML
カテゴリ:BAR
 東京出張で飲む時は、たいてい銀座、有楽町界隈が多い。たまに銀座を離れても、赤坂、麻布十番、神楽坂、浅草、あと高田馬場くらいか。渋谷や新宿、池袋などで飲むことは、最近はほとんどない。s-IMG_8603.jpg

 なぜ銀座中心かと言えば、会社が近くにあることに加えて、やはり、東京でも一番のBAR激戦区で、なおかつ東京で働くバーテンダーにとっても「聖地」である銀座のBARを自分の目で見定めるのがとても興味深いからだ。

 しかし、今回は東京在住の友人に誘われて、六本木まで足を延ばした。六本木交差点から歩いて数分の裏通り、この辺りは意外にも坂が多くて、階段になっているところもある。そんな階段を下りる途中に、看板らしい看板もないこの酒場があった。

 その名は、少し変わった名で「ジュ・ド・ペッシュ(Jus de P?che)」。仏語で、直訳すれば、「桃のジュース」(なぜ、この名にしたのかは聞き漏らした)。扉を開けると、表の喧噪からは切り離された、まさに静かな隠れ家BAR。実は、友人から事前のこのBARへ連れていくと聞いていたので、ネットで少し調べていた。

 すると、なんとマスターはあの南青山の老舗「BARラジオ」出身だという。ラジオで修業し独立した方のBARは、東京には5、6軒(そのうちの1軒「M」は残念ながら先日閉店したと聞いた)あって、僕はこれまで新宿の「ル・パラン」や神楽坂の「歯車」にお邪魔したことがあるが、どのBARも、ラジオのオーナーであるOさんの薫陶よろしく、内外装やロケーションにこだわった、おしゃれで個性的な店が多い。s-IMG_8599.jpg

 「Jus de P?che」もそんな期待を裏切らない空間だった。友人は「ここはフルーツ・カクテルが旨いんだ」と言った。確かに、それは事実。しかし「旨いが当然」のフルーツ・カクテルよりも僕がもっと興味をひかれたのは、バック・バーの棚に並んだ保存瓶の数々。そのほとんどは、自家製のオリジナルな酒である。

 例えば、様々なフルーツを使ったウオッカやジンとか、ハーブ入りのラムとか、梅を漬け込んだシングルモルトとか、書ききれないほど興味深い酒がずらりと並んでいる(生わさびが入っている瓶もある)。メニューにも自家製酒に1頁を割いているが、棚にはまだまだ珍品がありそうだ。こういう遊び心は酒飲みの好奇心をくすぐる。

 マスターのYさんは今はなき1stラジオ、2ndラジオではなく、3rdラジオ、すなわち現在のBARラジオで修業したという。「ル・パラン」のHさんの先輩だというので、ひょっとして僕が昔、3rdラジオを訪れた際、出会っている可能性もあるが、すれ違いだったかもしれない。でも、まぁそんなことは今はどうでもいい。僕は「ジュ・ド・ペシュ」のカウンターにいるのだから。

 僕は1920~30年代に生まれたという「ブラッドハウンド」というカクテルをまず頼んだ。サブのスタッフの方もラジオ出身ということで、所作はとても手際よく、美しい。2杯、3杯目はやはり、棚のオリジナルな酒に目が向かった。僕が頼んだのはゆずウオッカのソルティ・ドッグ、そしてラフロイグ梅酒。どれも唸るばかりの旨さ。s-IMG_8605.jpg

 加えて、グラスも一点もののアンティークっぽいものが多く、さすがラジオ仕込みのこだわりが感じられる。ラジオやラジオ出身の方の店は、おしゃれで静かな空間の店が多いせいか、「少し気取って堅苦しい」という声もあるが、この「ジュ・ド・ペッシュ」は六本木というラテンな街の雰囲気がそうさせるのか、Yマスターはとても気さくで話好き。堅苦しさなど微塵も感じない。

 客がほとんど我々だけだったこともあるが、マスターらとの会話も弾み、僕らは至福の時間を過ごした(ラッキー!)。嬉しいことに、お勘定も、若干お高めのラジオに比べると、とても良心的だ(この接客・サービスと酒、雰囲気なら納得できる)。

 帰り際、僕は持参した拙著「今宵もBAR…」と秋山徳蔵さんの復刻版「カクテル(混合酒調合法)」などを、“お土産”として差し上げ、「また必ずお邪魔します!」と再訪を約束した。ご無沙汰してきた六本木に、いい“足場”が出来たのは嬉しい収穫。出没の頻度が増えそうかな…(笑)。

【ジュ・ド・ペッシュ(Jus de P?che)】東京都港区六本木3丁目13-3 アネックス2F 電話03-3405-8805 午後7時~午前3時 日休


こちらもクリックして見てねー!【人気ブログランキング】





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011/06/21 10:21:52 PM
コメント(0) | コメントを書く


PR

Profile

うらんかんろ

うらんかんろ

Comments

汪(ワン)@ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

Free Space

▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。

▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

神戸の残り香 [ 成田一徹 ]
価格:1980円(税込、送料無料) (2021/5/29時点)


▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。

▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。

Archives

Freepage List

Favorite Blog

「続^3・鱧のお吸い… New! はなだんなさん

LADY BIRD の こんな… Lady Birdさん
きのこ徒然日誌  … aracashiさん
きんちゃんの部屋へ… きんちゃん1690さん
猫じゃらしの猫まんま 武則天さん
久里風のホームページ 久里風さん
閑話休題 ~今日を… 汪(ワン)さん
BARで描く絵日記 パブデ・ピカソさん
ブログ版 南堀江法… やまうち27さん
イタリアワインと音… yoda3さん

© Rakuten Group, Inc.