テーマ:BAR大好き!!(731)
カテゴリ:BAR
東京出張で飲む時は、たいてい銀座、有楽町界隈が多い。たまに銀座を離れても、赤坂、麻布十番、神楽坂、浅草、あと高田馬場くらいか。渋谷や新宿、池袋などで飲むことは、最近はほとんどない。
なぜ銀座中心かと言えば、会社が近くにあることに加えて、やはり、東京でも一番のBAR激戦区で、なおかつ東京で働くバーテンダーにとっても「聖地」である銀座のBARを自分の目で見定めるのがとても興味深いからだ。 しかし、今回は東京在住の友人に誘われて、六本木まで足を延ばした。六本木交差点から歩いて数分の裏通り、この辺りは意外にも坂が多くて、階段になっているところもある。そんな階段を下りる途中に、看板らしい看板もないこの酒場があった。 その名は、少し変わった名で「ジュ・ド・ペッシュ(Jus de P?che)」。仏語で、直訳すれば、「桃のジュース」(なぜ、この名にしたのかは聞き漏らした)。扉を開けると、表の喧噪からは切り離された、まさに静かな隠れ家BAR。実は、友人から事前のこのBARへ連れていくと聞いていたので、ネットで少し調べていた。 すると、なんとマスターはあの南青山の老舗「BARラジオ」出身だという。ラジオで修業し独立した方のBARは、東京には5、6軒(そのうちの1軒「M」は残念ながら先日閉店したと聞いた)あって、僕はこれまで新宿の「ル・パラン」や神楽坂の「歯車」にお邪魔したことがあるが、どのBARも、ラジオのオーナーであるOさんの薫陶よろしく、内外装やロケーションにこだわった、おしゃれで個性的な店が多い。 「Jus de P?che」もそんな期待を裏切らない空間だった。友人は「ここはフルーツ・カクテルが旨いんだ」と言った。確かに、それは事実。しかし「旨いが当然」のフルーツ・カクテルよりも僕がもっと興味をひかれたのは、バック・バーの棚に並んだ保存瓶の数々。そのほとんどは、自家製のオリジナルな酒である。 例えば、様々なフルーツを使ったウオッカやジンとか、ハーブ入りのラムとか、梅を漬け込んだシングルモルトとか、書ききれないほど興味深い酒がずらりと並んでいる(生わさびが入っている瓶もある)。メニューにも自家製酒に1頁を割いているが、棚にはまだまだ珍品がありそうだ。こういう遊び心は酒飲みの好奇心をくすぐる。 マスターのYさんは今はなき1stラジオ、2ndラジオではなく、3rdラジオ、すなわち現在のBARラジオで修業したという。「ル・パラン」のHさんの先輩だというので、ひょっとして僕が昔、3rdラジオを訪れた際、出会っている可能性もあるが、すれ違いだったかもしれない。でも、まぁそんなことは今はどうでもいい。僕は「ジュ・ド・ペシュ」のカウンターにいるのだから。 僕は1920~30年代に生まれたという「ブラッドハウンド」というカクテルをまず頼んだ。サブのスタッフの方もラジオ出身ということで、所作はとても手際よく、美しい。2杯、3杯目はやはり、棚のオリジナルな酒に目が向かった。僕が頼んだのはゆずウオッカのソルティ・ドッグ、そしてラフロイグ梅酒。どれも唸るばかりの旨さ。 加えて、グラスも一点もののアンティークっぽいものが多く、さすがラジオ仕込みのこだわりが感じられる。ラジオやラジオ出身の方の店は、おしゃれで静かな空間の店が多いせいか、「少し気取って堅苦しい」という声もあるが、この「ジュ・ド・ペッシュ」は六本木というラテンな街の雰囲気がそうさせるのか、Yマスターはとても気さくで話好き。堅苦しさなど微塵も感じない。 客がほとんど我々だけだったこともあるが、マスターらとの会話も弾み、僕らは至福の時間を過ごした(ラッキー!)。嬉しいことに、お勘定も、若干お高めのラジオに比べると、とても良心的だ(この接客・サービスと酒、雰囲気なら納得できる)。 帰り際、僕は持参した拙著「今宵もBAR…」と秋山徳蔵さんの復刻版「カクテル(混合酒調合法)」などを、“お土産”として差し上げ、「また必ずお邪魔します!」と再訪を約束した。ご無沙汰してきた六本木に、いい“足場”が出来たのは嬉しい収穫。出没の頻度が増えそうかな…(笑)。 【ジュ・ド・ペッシュ(Jus de P?che)】東京都港区六本木3丁目13-3 アネックス2F 電話03-3405-8805 午後7時~午前3時 日休 こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011/06/21 10:21:52 PM
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