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カテゴリ:生命科学
昼、研究員Uくんと喫茶店で定食などを食べながら、作戦会議を行う。なんでうちのラボがこんなにせわしないのか、とかなんとか、愚痴も。やれやれである。 午後、ラボセミナー。ようやくT先生の研究が終盤に差し掛かってきて、論文執筆のめどが立ち始める。よかったよかった。 夕方、教科書を買わない保健学科の学生のために、Lineweaver-burk plotの講義試料をつくる。それにしてもちょっと検索してみると、海外の生化学者の講義用のすばらしいPPTがダウンロードできるのは、いい時代だ。 クロメタっ!! というわけで、今日はTCA沈殿と硫安沈殿とクロロホルムメタノール沈殿の項目を書いたのである。 この3つの中で、Piyotaの圧倒的なオヌヌメはクロロホルムメタノール沈殿である。略してクロメタである。 なんといっても、回収率がよいのと、脂質やSDSなどの他の方法では除けない夾雑物がすっぱりきっぱりのぞけるのである。せっかくなのでプロトコルをここに乗せる。 CHCl3-MeOH沈殿法 以下の操作は基本的に室温で行う。 この沈殿法は1.5mL微量遠心エッペンを用いて、タンパク質sample液100uLから始める。以下のプロトコルは最初のsample液100uLから始めた場合の試薬量である。最初の量が200uLの場合には2mL遠心エッペンを用いる。それ以上の場合には分注して複数のエッペンで行う。sample溶液量が少ない場合、全体の量を減らして行うよりも、むしろsampleをDDWで100uLにメスアップして行うほうが、再現性がよい。 (1) sampleに400uLのMeOHを加えてよくVortexする。 (2) (1)に100uLのCHCl3を加えてよくVortexする。 (3) (2)に300uLのDDWを加えてよくVortexする。sampleは2層に分離して白濁する。 (4) 微量高速遠心機で室温で1分間、最大速(15000 x g)でぶんまわす。 (5) タンパク質は下層CHCl3層と、上層水層の中間に、耳アカ状フレーク(きたなくてすみません)になって漂っている。この中間層を吸わないように、上層の水をとりのぞく。Piyotaはディスポの注射器が好きである。上層は完全に取り除く必要はなく、50uL程度残しても次の操作で1層になるのでだいじゃうぶ。 (6) (5)に400uLのMeOHを加えて、沈殿を砕かないように優しく転倒混和する。ここだけはVortex厳禁! sampleは1層になる。 (7) 微量高速遠心機で室温で2分間、最大速(15000 x g)でぶんまわす。 (8) 沈殿を砕かないように注意しながら、MeOH層をピペッターで取り除く。ここでも注射針が登場する。 (9) 沈殿をSpeedVacにて乾燥させる。 保存する場合はこのまま-20℃で保存する。 reference : (1) Wessel, D. and Flugge, U. I. Anal. Biochem. 138, 141-143, 1984 ブログ村で蛋白質の精製法に関する情報を探してみる お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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