ムーミン原作本 四冊読破
引き続きムーミンにハマってます。ハマった経緯は前ブログをご参照下さい。(笑)で、原作本九冊のうち、四冊を読み終えました。ムーミンは一般的には児童書という扱いですがワタシ的な推測では、ムーミンの原作は原作者の戦争体験を元にした人生をどう生きるかの指南書である。と、いう確信を持っていたのですが四冊を読み終えて、その思いは一層強くなりました。とりあえず、読み終えたのは以下四冊『ムーミン谷の彗星』『たのしいムーミン一家』『ムーミンパパの思い出』『ムーミン谷の夏まつり』・・・・・・・・・・・・・圧巻です。どの作品も児童文学の体裁を保っていてわりあい緩い、ほんわかしたムードは出ていますが内容はかなりシビアです。『ムーミン谷の彗星』は巨大彗星が地球に衝突する話地球滅亡、生物は全て死滅的なスケールで圧倒されます。『たのしいムーミン一家』では冒頭ムーミンが突然醜い生物に姿を変えられ、友人知人から暴行を受けます。『ムーミンパパの思い出』では捨てられ孤児だったムーミンパパは、孤児院を脱走して冒険の旅に出ますが旅の途中で止む無く旅を中断、ムーミンパパは人生の目標を失います。『ムーミン谷の夏まつり』では巨大地震の津波によりムーミン谷は水没。辛くも逃げ出したムーミン一家は途中散り散りにさらに主人公のムーミンは無実の罪で投獄される羽目に・・・・・などなど・・・・・・・ムーミンという架空の生物の話なのですがこれを人間に置き換えると相当残酷な話のオンパレードです。●巨大彗星の衝突や、巨大地震による津波など、どうにもならない災害。●権力者や極端な世論による締め付け。●どうにもならない理由による人生の挫折。最近の風潮だったら、ブチ切れて暴れまくったり精神が崩壊したりするかもしれません。しかし、そのような過酷な環境でもムーミン一家はしたたかに生きていきます。ワタシの感じたキーワードは過酷な運命の時は、●先を考えすぎない●現状に関して良い面のみに注目する●今を楽しむ、今できる事をやるってな、感じでしょうか。作者のトーベ・ヤンソンは過酷な状況でも前向きに生きていこうというメッセージをムーミンに託したのは間違いありません。ただ、登場人物全員がポジティブなのかというとそうでもなく超悲観的なネガティブなキャラも登場します。しかし、最終的には前向きなキャラになって行きます。ここで面白いのはネガティブを克服するんじゃなくてネガティブをネタにして世間を喜ばせる方法を見つけたという事です。今風に言えば、不幸のどん底を体験した人が本を書いたり講演会をして世間に貢献しているって感じでしょうか。現実的な話だと、精神崩壊や暴走しそうな環境でもムーミン一家は楽しそうです。それが全体的にはホンワカした穏やかな雰囲気を醸し出しているのです。昨今、日本国内や世界情勢を見てもあんまり喜ばしい事はありません。むしろ、不安を掻き立てられる事件が連日のように起こっています。こんな時代だからこそ、ムーミン達の教えが役に立つように感じられるのです。いやぁ、奥が深いぜムーミン!!!